小田原から国府津へ至る境目、国道1号線を外れJR国府津駅を背にして少し歩くと、古社「菅原神社(国府津天神)」が姿を現します。学問の神様とされる菅原道真公(天満大自在天神)を祀っており、受験シーズンなどにはぜひ参拝したい神社です。地元でも古来より「国府津の天神さん」と親しまれています。
1000年以上の古社
菅原神社(国府津天神)の歴史は古く、その始まりは平安時代にまで遡り西暦994年とされています。しかし、それすらあくまで道真公が祀られた時代の記録に過ぎず、より古くからこの地には諏訪社が存在しています。その諏訪社がいつから存在しているのかは不明ですが、大変な古社である事に間違いはありません。
かつては寺と一体だった
神社の隣には、安楽院というお寺が存在しています。現代の感覚からすると不思議に思えるかもしれませんが、かつての日本は神仏習合だったため、これが普通の姿だったのです。こちらの安楽院は、廃仏毀釈が行われる明治以前は菅原神社を管理する別当寺でした。1000年以上の歴史を持つ菅原神社(国府津天神)は、古い時代の宗教観をありありと感じられる場所と言えるでしょう。
もっとも現在も日本人は盆に墓参りへ行き、クリスマスを祝い、正月に神社へ参拝している事などから元々、複数の宗教をまとめて信仰する民族だと考える向きもありますので、それを証明している場所とも言えるかもしれません。
諏訪社・稲荷社・祖霊社も合祀される
菅原神社(国府津天神)自体も合祀の塊と言え、菅原道真公含め、天照大神など7柱の神が祀られつつ、さらに諏訪社・稲荷社・祖霊社を祀っています。すべて解説しているとキリがないので割愛しますが、簡単に言えばそれぞれルーツの異なる神様を信仰するものです。
御祭神の菅原道真公は怨霊でもあった
学問の神様とされる菅原道真公ですが、じつは怨霊としての側面も持っています。それも日本三大怨霊のひとつに数えられる大物として。というのも、道真公は無念の内に亡くなっています。生前は大変に優秀な学者であり、スピード出世をして右大臣(今で言う副総理)にまで昇進しましたが、その高い才覚を時の権力者に疎まれた結果、左遷され無念の内に生涯を閉じています。
しかし死後に権力者の病死や落雷の厄災が立て続けに起こったため、当時の人々は道真公が怨霊と化したと考えたのです。そこで京都に北野天満宮を創建し、道真公を祀って怨念を鎮めようとしました。その後、時代が下るにつれ怨霊のイメージは薄れていき、優秀な学者だった事から学問の神様として崇められる事になったという経緯があります。北野天満宮を筆頭に、道真公を祀る神社は日本全国で1万2000社も存在しており、こちらの菅原神社(国府津天神)もそのひとつです。
祭礼スケジュール
年間の祭礼スケジュールは以下の通りです。
1月1日 歳旦祭1月25日 初天神祭4月25日 例大祭【宵宮】12月25日 納天神祭毎月25日 月次祭
施設紹介
【菅原神社(国府津天神)】住所:〒256-0812 小田原市 国府津1752電話:0465-47-2960
アクセス
JR国府津駅より徒歩10分駐車場はありません。
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