「誰にも必要とされない……」「孤独で生きている意味を感じない……」このように孤独感を抱いている人、必見。今回は、誰にも必要とされていないと感じる理由や孤独を感じたときの対処法を紹介します。
「誰にも必要とされない」と感じる理由
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、上の図のように人間の欲求はピラミッドの段階のようになっており、人間は下の階層から欲求を満たそうとし、その階層の欲求が満たされたら1つ上の階層の欲求を満たそうとすると説きました。
「マズローの欲求5段階説」は、下の階層から「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」という順で構成されています。
「生理的欲求」は食事や睡眠、排泄といった人間の本能的な欲求、「安全の欲求」は危険から逃れて安らかで快適に過ごしたいという欲求、「社会的欲求」は集団に所属したい、仲間が欲しいという帰属欲求、「承認欲求」は他者から認められたいという欲求、「自己実現欲求」とは自分の理想像を叶えたいという欲求のことです。
「誰にも必要とされない」と落ち込んでいるということは、「誰かに必要とされたい」という欲求の裏返し。つまり、マズローの欲求5段階で「社会的欲求」や「承認欲求」が満たされていない状態です。
人間は社会的欲求が満たされていないと孤独を感じてしまうといわれています。「誰にも必要とされない」と孤独感を抱いているのは、組織や他の人との繋がりが不足しているからかもしれません。「生きている意味がない……」とへこんでしまうかもしれませんが、「人間だから他の人との繋がりが少ないと、寂しくなるのは当然なんだ」と自分を客観的に分析することで少し気が楽になるのではないでしょうか。
誰にも必要とされない… 孤独から抜け出す対処法は?
「誰かに必要とされたい」「寂しい」と思ったときはどうしたらいいのでしょうか。つらい孤独感から抜け出す方法を紹介します。
自分を分析する
まずは自分自身のありのままの姿を受け入れてあげましょう。自分自身の素の姿にフォーカスしてみてください。自分の良いところも悪いところも認めて受け入れることで、自分の素の姿が見えて、「自分に足りないものは何なのか」「どうすれば周りの人から必要とされるようになるのか」と冷静に分析できるはず。
人から必要とされる言動を心がける
人から必要とされたいのであれば、人から必要とされるような言動を心がけましょう。「人から必要とされるような言動」といっても、小さなことでOK。たとえば以下のようなことを意識してみてください。
- 自分から挨拶をする
- 人と話すときは笑顔で
- 相手の話を真剣に聞く
- 仕事でアイデアをたくさん出す
小さいことのように見えるかもしれませんが、これらはすべて相手・周りを気遣った言動ですよね。このような小さな思いやりを意外と人は見ているもの。
人は大きな偉業を成し遂げた人を必要とするというわけではありません。「いつも笑顔」「話を聞いてくれる」「その人がいるだけで空気が和らぐ」、このような人はたとえ会社の大きなプロジェクトを成功させたリーダーではないとしても、「一緒にいたい」「仲良くしたい」と感じますよね。
「人から必要とされたい」と思うなら、相手・周りが求めていることを叶えられる行動を重ねていくことで、あなたの周りに人が集まってくるはずです。
新たなコミュニティに参加してみる
誰かとつながりを持ちたいなら、新しいコミュニティに参加してみましょう。これまでの人間関係とは違った新しいコミュニティへ顔を出すことで繋がりが増えていきます。
- ボランティア
- 部活やサークル
- 習い事
- 趣味
このような新しいコミュニティに参加すれば人との繋がりが増えますし、そのなかで相性が良い人にも出会えるかもしれません。
自分にとって必要な存在を作る
「人から必要とされたい」と思うなら、逆に自分にとって必要な存在をつくってみましょう。あなたと同じように、周りの人も「人から必要とされたい」と思っています。そして、自分を必要としてくれる人のことは、大切にしたいと思うのが人間。
「すてきだな」「仲良くなりたいな」と感じる人には、素直に「仲良くなりたい」という思いを伝えてみましょう。もしかしたら相手にとって心の支えになるような存在になれるかもしれません。
「誰にも必要とされない」と孤独感で辛いなら周囲のサポートも活用しよう
孤独感でどうしても苦しいときは周りの人に頼ってみましょう。自分から上手にSOSを発信できると気持ちも楽になります。
家族や友人に頼ってみる
世話を焼いたり友達とワイワイ騒いだりするのが好きなタイプの人に甘えてしまうのも手です。まずは身近な人に頼ってみましょう。素直に「最近寂しいから会ってくれない?」「飲みに付き合ってほしい」と打ち明けてみてください。
あまり深刻にならず、ちょっと笑いを交えるようなトーンで伝えてみるのがポイントです。
専門家のサポートを受ける
誰にも頼れないときは専門家にサポートを頼みましょう。例えば孤独・孤立への支援を受けられる以下のような団体にコンタクトをとって助けてもらうのも選択肢の一つです。
「誰にも必要とされない」なんてことはない
社会的欲求や承認欲求はあらゆる人が持つ欲求です。お互いに満たし合うことで孤独感を癒やします。あなたが誰かの社会的欲求や承認欲求を満たすような行動を起こせば、あなたの社会的欲求・承認欲求を満たしてくれる人とも出会えるはずですよ。