物価高騰であらゆるモノの値段が上がっている今。節税対策にも一役買ってくれ、実質負担2,000円(※寄付限度額は所得に応じて異なる)であらゆるモノや体験が手に入る「ふるさと納税」を活用しない手はないだろう。今回は奈良市のふるさと納税返礼品だけで楽しむ旅をしてきたので紹介したい。

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世界遺産の緑に囲まれた「仏蘭西料理 ラ・テラス」で大和フレンチを堪能

緑あふれる開放的な雰囲気で、美食を愉しみたいなら世界遺産の春日山原始林に囲まれた若草山の麓に佇む「仏蘭西料理 ラ・テラス」へ。「ミシュランガイド奈良2023」でセレクションに掲載されたレストランで、奈良食材などの旬を詰め込んだフレンチが味わえる。

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訪れた11月はお米と米麹で作った甘酒ソースをかけた琵琶鱒とカブのタルタルや、大和榛原牛のイチボのステーキなど、奈良や近畿地方ならではの食材や食文化を反映させた繊細な料理が並んだ。

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ロケーションと味、サービスの三拍子そろったとっておきのレストランだ。

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ホルンで100頭以上の鹿を呼ぶ「鹿寄せ体験」

奈良と言って思い浮かべるものの一つに、鹿があるだろう。鹿せんべいを買って、鹿と触れ合うのもいいが、もっとワイルドな体験がしたいなら「鹿寄せ体験」がおすすめだ。ふるさと納税返礼品であれば、予約制で体験が可能となっている。

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春日大社境内の飛火野で行われる「鹿寄せ」は、1892年に鹿園竣工奉告祭でラッパを使って行われたのが始まりで、現在はナチュラルホルンを使って鹿を呼び寄せる。通常は100頭ほどが集結するというが、訪れた日は170頭ほどが森の向こうからかけてきてその圧巻の光景に度肝を抜かれた。

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人気かき氷店「ほうせき箱」で氷の聖地「奈良」を体感

現在、奈良市は日本有数のかき氷の街として知名度を高めている。冷凍、冷蔵、製氷販売業の守護神を祭る「氷室神社」があるからだ。毎年5月1日には全国の製氷・冷蔵業者らが繁栄を祈願するために参列する献氷祭も行われている。

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そんな奈良市で随一の人気を誇るかき氷店が、2015年にオープンした「ほうせき箱」。関西で初めてエスプーマをかき氷に使用したお店で、平日でも常時満席の人気ぶりだ。

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「ほうせき箱」の特徴は、通常48時間のところ70時間かけて凍らせた日乃出製氷の純氷を使っていること。頭がキーンとしないよう低すぎない温度帯の氷を使いながらも、形が崩れにくく、はかない口どけのかき氷に仕上げている。柿の葉っぱを製茶しシロップにして使用した「柿の茶葉&和紅茶とカスタード」(1,600円)や、秋ならではの「洋梨とヨーグルトスパークリング」(1,600円)など、季節ごとにここでしか味わえない珠玉のかき氷が揃う。

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熟成期間は最長19年! 「今西本店」の純正奈良漬けをお土産に

奈良名物の食べ物と言えば、やはり奈良漬けは外せないだろう。県内には奈良漬けと名乗る商品が多く存在するが、ここでは全国観光土産品公正取引協議会より日本で唯一「純正」の呼称が許された「今西本店」の奈良漬けを紹介したい。

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近年市場に出回っている奈良漬けは、一般的に3~4ヵ月ほどしか漬けていない上、塩やみりん、砂糖、保存料など余分な添加物も使用されいているという。しかし本来の奈良漬けは、酒粕のみで漬け込む。江戸時代末期に創業した「今西本店」では伝統製法をいまでも守る唯一の製造元で、中漬け、本漬け、仕上げ、極上仕上げ、極上再仕上げという細かい工程を経て、最低でも4年、食材によっては最長19年も漬け込んでいる。

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「今西本店」の奈良漬けは、ベタッとした嫌な甘さがなく、香ばしくて八丁味噌のようなコクのある味わい。しかも、40度でも2年も持つという優れもの。せっかく奈良を訪れたならば、本物の奈良漬けをお土産にしてほしい。

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奈良屈指の日本酒蔵「今西清兵衛商店」で「春鹿」を飲み比べ

その土地ならではの美酒を味わうことも、旅の楽しみの一つ。奈良市の歴史地区・ならまちエリアには日本酒の「春鹿」で知られれる蔵元「今西清兵衛商店」の店舗があるので、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

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こちらでは数ある銘柄を購入できるだけでなく、700円で5種類の日本酒を飲み比べできる。個人的にはシャンパーニュと同じく瓶内二次発酵を行ったスパークリング日本酒「ときめき」が気に入った。

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そばの名店「玄」で店オリジナルの「梅たたき」「そば豆腐」を堪能

「今西清兵衛商店」と合わせて立ち寄りたいのが、今西家の別宅を使用したそば店「玄」だ。全国各地から仕入れるそばの実を毎日石臼で挽き、せいろと田舎そばともにつなぎを使わない十割そばに仕立てている。

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このお店の名物がせいろの梅たたき。せいろそばを最初はそのまま、次に藻塩と一緒に、そしてそのあとに叩いた梅と塩をそばにのせ、軟水に半分ほどつけてすするという独自の食べ方だ。手挽きしたそばの味わいを一番よく感じられる食べ方として、店主が開発したそうだ。

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もう一つの名物が、そば豆腐。更科と呼ばれるそばの実の一番粉と水のみで作り上げたオリジナルの豆腐で、ウニや明太子のトッピングも選べる。発酵感あふれる醤油豆との相性も良い、上品な一品だ。

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東大寺「二月堂」と「お水取り」の練行衆も身体を癒す湯宿を拝観

奈良の代表的な観光地の一つが、大仏で知られる東大寺だろう。ご本尊の大仏が鎮座する大仏殿が観光の定番だが、訪問したことがあったので今回は「二月堂」に足を運んでみた。「二月堂」は、旧暦の2月に実施される「修二会」が行われる場所だ。我々が日常で犯している過ちを、本尊である十一面観世音菩薩の宝前で懺悔する通称「お水取り」で知られている。お香水をくみ上げる儀式や、練行衆の道あかりとして大きな松明に火を灯す「お松明」の儀式は圧巻だ。

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そんな練行衆が「お松明」の際に、二月堂のふもとにある湯宿で体を温めているのが「薬湯」だ。湯宿は外観しか拝めないが、薬湯はふるさと納税返礼品として入手可能となっている。大仏造立を発願した聖武天皇の妻である光明皇后が、施薬院を設けたことにちなみ、正倉院にも奉納された薬草60種類が記載された薬草帳の成分を研究して開発された。8種類の生薬が配合された薬湯に浸かり、練行衆気分で癒されるのもいいだろう。

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ヘルス&ビューティーブランドストア「THERA(テラ)」で和漢アイテムをゲット

先述した通り、約1300年前に光明皇后が施薬院を設けるなど、奈良は日本のウェルネスのはじまりの地でもある。そんな日本古来のウェルネスの知恵を今に繋いでいるのが、ならまちにある「THERA」だ。

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大和ハーブを原料とした化粧品やアロマ、雑貨を販売しており、酵素洗顔や火を使わないお灸などが人気。このほかスパでのトリートメントや足湯、サウナの利用も可能だ。

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世界遺産の春日山原始林をガイドウォーク

京都が「雅」であるならば、奈良は「俚(さと)び」だと評されている。そんな俚びな奈良を体感できるのが、春日山原始林の散策だ。春日大社の聖域として1100年以上前に狩猟と伐採が禁止されており、国の特別天然記念物だけでなく、世界文化遺産の一要素として指定されている。

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ガイドツアーでは、この地に自生する木々や動植物の解説を聞きながら、鎮守の森の散策が楽しめる。

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実質負担2,000円!? ふるさと納税返礼品で叶える奈良の旅

日本のはじまりの地として歴史的建造物や観光地にあふれる一方、中心地から車を走らせればすぐに自然あふれる景色が広がる奈良市。ここ数年で宿泊施設も充実したので、格段に旅の選択肢も広がった。しかもその多くは、奈良市のふるさと納税返礼品の対象にもなっている。俚びな奈良へ、心身を満たす旅へ出かけてみてはいかがだろうか。

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