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日本野球機構(NPB)は、12月9日に2024年度の現役ドラフトを開催する。同制度は各球団2人以上の対象選手を選出し、必ず1人以上指名する見込み。移籍の活性化により、出場機会に恵まれていない選手の新天地での活躍が期待される。ここでは、今年の現役ドラフトで特に注目したいパシフィック・リーグの投手を紹介する。
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與座海人
投打:右投右打
身長/体重:173cm/80kg
生年月日:1995年9月15日
経歴:沖縄尚学高 - 岐阜経済大
ドラフト:2017年ドラフト5位
近年は持ち味のピッチングを発揮できず、苦境に立たされているのが埼玉西武ライオンズの與座海人である。
沖縄尚学高校では、3年時に春夏連続で甲子園に出場。岐阜経済大学を経て、2017年ドラフト5位で西武から指名を受け入団。
プロでは、ルーキーイヤーの2018年にトミー・ジョン手術を受け、プロ2年目から育成契約へ移行と苦難のスタートとなった。
しかし、懸命なリハビリを経て2019年11月に支配下復帰を果たすと、2021年に15試合登板、防御率2.79を記録するなど、頭角を現した。
さらに、2022年は20試合登板(19先発)で10勝、防御率2.88(規定未満)をマーク。現代では希少なアンダースローという面からも大きな注目を集めた。
しかし、昨季は15試合の先発登板で2勝6敗、防御率3.69と成績を落とし、今シーズンも復活とはならず。7試合の登板で1勝4敗、防御率4.81と苦しんだ。
西武は髙橋光成、今井達也の両エースに加え、ルーキーイヤーから2桁勝利を挙げた武内夏暉、今季9勝の隅田知一郎など、充実した先発陣を誇っている。
チームの戦力層を考えると、現役ドラフトによる他球団移籍の可能性もあるだろう。
津留﨑大成
投打:右投右打
身長/体重:177cm/86kg
生年月日:1997年10月10日
経歴:慶応高 - 慶応大
ドラフト:2019年ドラフト3位
ルーキーイヤーは一定の成績を残した津留﨑大成も、翌年以降は目立った成績を残せておらず、現役ドラフトの候補と考えられる1人だ。
慶応高校でエースを務め、慶応大学に進学。即戦力右腕と評価を受け、2019年ドラフト3位で東北楽天ゴールデンイーグルスへ入団。
プロ1年目となる2020年は、リリーフとして開幕一軍入りを果たして33試合に登板。1勝1敗1ホールド、防御率4.19の数字を残し、中継ぎ陣の一角として存在感を示した。
しかし、翌2021年は11試合登板で防御率5.06と成績を落とすと、その後も一軍に定着出来ないシーズンが続いた。
昨季は7試合の登板ながら防御率1.86をマークし、復活の気配を漂わせたが、今季は14試合登板で防御率6.85と結果を残せなかった。
一方で、ファームでは今季、23試合の登板で防御率2.00の好成績を残している。
他球団で才能が開花する例もあるだけに、現役ドラフトによる移籍も考えられるだろう。
板東湧梧
投打:右投右打
身長/体重:182cm/84kg
生年月日:1995年12月27日
経歴:鳴門高 - JR東日本
ドラフト:2018年ドラフト4位
今シーズンは一軍マウンドに上がることができなかった板東湧梧。選手層の厚いチームだけに、現役ドラフトの対象になり得る存在だ。
鳴門高校では甲子園に4度出場したのち、JR東日本に入社。先発、リリーフ問わず力を発揮できる能力も評価され、2018年ドラフト4位で福岡ソフトバンクホークスへ入団。
ルーキーイヤーの一軍登板は無かったが、プロ3年目となる2021年に44試合登板、防御率2.52の好成績を収め、リリーフ陣の一角として頭角を現した。
翌年以降は先発、リリーフの両輪で起用され、昨シーズンは30試合に登板。先発マウンドにも11試合上がり、5勝、防御率3.04をマークした。
さらなる飛躍が期待された今季だったが、開幕からコンディションが上向かず、最後まで一軍登板を果たせず。ファームでは14試合に先発し、3勝2敗、防御率3.88の成績となった。
分厚い戦力層を誇るソフトバンクの中では、実績十分の板東も現役ドラフトの対象となっても不思議ではないだろう。
二木康太
投打:右投右打
身長/体重:190cm/85kg
生年月日:1995年8月1日
経歴:鹿児島情報高
ドラフト:2013年ドラフト6位
開幕投手を任された実績もある二木康太だが、直近2年は悔しいシーズンを過ごしており、立場が危うくなっている。
鹿児島情報高校では、1年秋からエースとして活躍。3年時にはプロ注目の存在となり、2013年ドラフト6位で千葉ロッテマリーンズに入団した。
高卒2年目の2015年に一軍デビューを果たすと、2017年には23試合に登板。7勝9敗と負け越したものの、規定投球回をクリアして防御率3.39をマークした。
2020年は9勝を記録すると、翌2021年には開幕投手に抜擢。次期エースとして期待されたが、同年は22試合登板で5勝7敗、防御率4.38と数字を落とした。
さらに、2022年は2勝にとどまると、昨季は度重なる故障に苦しみ、一軍登板ゼロに終わった。
今季はファームでリリーフに挑戦するなど試行錯誤を重ねたが、19試合登板で防御率3.62というアピール不足に終わり、2年連続で一軍登板を果たせなかった。
先発ローテーションを守り抜いた実績のある右腕だけに、現役ドラフトの対象となれば、注目の存在となりそうだ。
石川直也
投打:右投右打
身長/体重:192cm/93kg
生年月日:1996年7月11日
経歴:山形中央高
ドラフト:2014年ドラフト4位
一時は守護神の役割を担っていた石川直也も、近年は思うような成績を残せておらず、現役ドラフトの対象選手となり得る1人だ。
山形中央高校では、2年春に甲子園へ出場。将来を嘱望された右腕は、2014年ドラフト4位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
高卒2年目となる2016年に一軍デビューを果たすと、翌2017年は主にリリーフとして37試合に登板した。
さらに、2018年は一時クローザーに抜擢。最終的に52試合の登板で1勝2敗19セーブ18ホールド、防御率2.59の好成績をマークした。
2019年にも60試合に登板し、3勝2敗5セーブ21ホールド、防御率3.31を記録。ブルペン陣に欠かせない存在となっていた。
しかし、2020年にトミー・ジョン手術を受け、2年間一軍登板なし。2022年に一軍復帰を果たしたが、本来の投球は取り戻せず。今季は二軍暮らしのままシーズンを終えた。
ファームでは36試合の登板で防御率2.86と結果を残しており、登板機会に恵まれない状況が続くのであれば、現役ドラフトでの他球団移籍も考えられる。
富山凌雅
投打:左投左打
身長/体重:178cm/84kg
生年月日:1997年5月3日
経歴:九州国際大付高 - トヨタ自動車
ドラフト:2018年ドラフト4位
今季は復活への足掛りを掴んだ富山凌雅。来季もチームの戦力として期待されるが、現役ドラフトの対象になることも考えられる。
九州国際大付高校ではエースナンバーを着け、2、3年時に夏の甲子園へ出場。社会人野球のトヨタ自動車を経て、2018年ドラフト4位でオリックス・バファローズに入団した。
ルーキーイヤーから一軍デビューを果たすと、プロ3年目の2021年にはブルペン陣の一角に定着した。
同年は51試合に登板。2勝1敗20ホールド、防御率2.72の好成績をマークし、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。
しかし、翌2022年は左肘の状態が思わしくなく、トミー・ジョン手術を決断。育成契約からの再スタートとなり、シーズン開幕前の3月に支配下復帰を果たした。
今季はファームで11試合登板、防御率1.13の好成績を収め、一軍でも16試合に登板するなど、復活への道を歩んでいる。
一軍でも実績のある中継ぎ左腕だけに、現役ドラフトの対象となれば、注目の存在といえるだろう。
【了】