『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。24日に放送された第45回「はばたき」では、柄本佑演じる藤原道長が出家するシーンが描かれた。実際に丸刈りにした柄本にインタビューし、出家シーンの裏話やクランクアップを迎えた心境を聞いた。
昨年5月にクランクインし、先月25日に約1年半にわたる撮影が終了した『光る君へ』。柄本は、吉高由里子扮する主人公・まひろ(紫式部)の生涯のソウルメイトで、平安の貴族社会で最高権力者として名を残した藤原道長役を演じている。
クランクアップを迎えるも、柄本は「まだ実感がなく、終わってないなという気持ちです。まだ放送が残っているので。どこかで終わりたくないと思っているところもあって、現場としては終わっているので寂しさは多少あるんですけど、作品自体はまだ続いている感じです」と心境を語る。
第45回「はばたき」では、まひろが大宰府へ向かう旅に出ることを決意。一方、道長は、出家することを決めた。これまで、地毛で髻(もとどり)を結うために髪を長く伸ばしていた柄本が、今度は丸刈りに。
柄本は、髪型の激変で「剃った4日目ぐらいに若干風邪気味になりました(笑)」と打ち明け、「剃ったその日は気温がグッと下がった日で、そこから寒くなり始めて、普通に過ごしていたら4日目ぐらいに若干風邪気味になって。そこから身体を温め直して生活していました」と振り返った。
少し風邪気味になるも、丸刈りは「快適」だそうで、「できたらこのままがいい」とお気に入りの様子。長い髪を名残惜しく思うことは「ない」とのことで、髪を伸ばしていた時は女性の苦労を実感したという。
「僕の妻も割と長めだったんですけど、ドライヤーで乾かして半乾きぐらいで1回テレビとか見たりしているから、全部乾かしちゃえばいいのにと思っていたんですけど、その気持ちがわかりました。腕が疲れるんですね。あれがしんどくて、今のほうが全然快適です」
道長の出家は、まひろが旅立ったショックが大きかったからなのか。柄本は「まひろがいなくなった後に出家しているから、そうとしか思えない」と解釈している。
「倫子(黒木華)に出家の理由を言うところで『休みたい』と言っているんです。もう嫌だと。僕が(脚本の)大石(静)先生のいいなと思うところは、地に足がついた感じというか、まひろがいなくなってショックもあるでしょうし、政治的なところもあるんだろうけど、『休みたい』というセリフに行くのが素敵だなと。立派ではない道長さんを作っていただき、そこがとってもいいなと思って演じていました」
また、剃髪シーンで味わった不思議な感覚も教えてくれた。
「剃っている時はどうってことはなかったんです。頭のところでやっていて目に入ってこないから。剃っているという実感は、髪の毛が降ってきて手の甲に当たった時に一気にグッと来ました。触覚で『なくなっていってるんだ』と。そこから不思議体験みたいな感じで、作品の中でそういう風にやれるというのはとっても不思議でした」