定年後にやることを見つけられるのは自分自身しかいません。見つけるヒントになりそうなことをまとめてみました。

◆お金目的ではない仕事をしよう!

「定年退職したら、やることがない」という人は、公的年金額はそこそこ多い、退職金と現役時代に貯めたお金で、当面、生活費の不安がないからでしょう。60歳または65歳で定年退職した後は、25年から30年、あるいはもっと長い人生が残っています。

この時間は、何もしないで過ごすには長すぎると思いませんか? 家でぼんやりしていたら病気になってしまいます。やることを見つけて何かをすべきです。

まず、生活費の不安がないなら、お金目的ではない仕事をすることを考えましょう。少子高齢化で働き手が徐々に減っていく社会環境、高齢者も働き手に加わることの社会的意義は大きいのです。今の60代、70代は高齢者と呼ぶのにそぐわないくらい元気ですから、働く体力・気力は十分にあるはず。

退職するまでの仕事で培った経験を活かした仕事でもいいですし、全く新しい仕事にチャレンジするのもよしです。働き方は、現役時代のようにバリバリでなくてもかまいません。週に2日でも3日でも、早朝の2~3時間でも仕事をすれば、生活にメリハリができてやりがい、生きがいも生まれてくるでしょう。

◆趣味、家事、ボランティア活動などやることはたくさんある!

仕事で空いた時間、または、どうしても仕事はしたくない場合は、趣味・習い事、家事分担、地域活動、ボランティア活動などに費やしましょう。

趣味・習い事はこれまで続けてきたことをさらに極める、時間ができたらやりたいと思っていたこと、全く新しいことでも、なんでもかまいません。趣味・習い事の内容にもよりますが、初心者でも10年続ければ、他人に教えられるようになり、新しい夢や世界が広がるかもしれませんよ。

家事分担は、定年退職して家で夫婦が一緒にいる時間が長くなると、妻の家事の負担が大きくなります。夫に毎日3食用意するだけでも大変です(料理好きな妻は喜ぶかもしれませんが)。1食は夫が作る、掃除は夫が担当するなど、夫婦がストレスを感じなくて済む分担方法を相談して決めましょう。

トライ&エラーで、いろいろ試しながら、ちょうどいい分担の仕方を探ってみるのもいいかもしれません。

地域活動は、町内会や祭りの役員を務める、サークル活動に参加するなど、会社人間だった夫が地域に馴染むいい機会です。もし、妻が先に亡くなって夫が一人になったとき、地域に馴染んでいれば孤立しないで済むでしょう。

ボランティア活動は、子ども相手から高齢者相手まで幅広くありそうです。

とにかく、やる気さえあれば、やること・やりたいことは際限なく出てきます。さまざまな事情で行動に移せない時期もあるかと思いますが、その分、興味のあることを調べたり、情報交換したりはできるはず。いろいろチャレンジできる日のために、「やる気スイッチ」をいつでもONできる準備をしておいてください。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆

文=小川 千尋