キャッチボールするロッテ・二木康太[撮影=岩下雄太]

 「ダメというか、悔しい1年になりました」。

 ロッテの二木康太はプロ11年目の今季、2年連続で一軍登板がなかった。二木は17年に自身初となる規定投球回に到達し、20年にはシーズン自己最多となる9勝、21年には自身初となる開幕投手を務めたが、近年は悔しいシーズンが続いている。

 昨季は故障で離脱した期間が長く、今季に向けた自主トレでは「怪我をしない体づくりというかウエイトトレーニング、ランニング、体の使い方的なところもしっかりやって、怪我をしないような体づくりとパワーアップをやっていきました」と、1年間戦い抜く“体づくり”に励んできた。

 練習試合、オープン戦で一軍登板し、3月13日の阪神戦、0-1の4回一死一塁で佐藤輝明を2ストライクから空振り三振に仕留めた外角132キロシンカー系フォークが良く、2イニングを投げ無失点。開幕一軍に向けさらにアピールしたいところだったが、結果的にこの登板を最後に一軍のマウンドに上がる機会がなかった。

 ファームでは今季初登板となった3月20日の巨人二軍戦こそ4回無失点に抑えたが、3月31日の日本ハム二軍戦で3回・5失点で敗戦投手となると、なかなか本来の投球ができず、5月終了時点でファームの防御率は5.04。

 故障によりファームで調整していた田村龍弘がマスクを被った6月4日の日本ハム二軍戦では、ストレート、カーブの緩急で日本ハム二軍打線を5回無失点に抑えた。

 二木は「カーブはやっぱりたまにしか投げないんですけど、ストライクが取れたらすごく大きい球ですし、まっすぐフォークのピッチャーなので、カーブがあれば配球的にはまた違ったところが出せるかなと思います」と振り返った。

 二木は6月ファームで月間防御率0.82と安定した投球を見せた。7月は2試合先発すると、8月からはリリーフに配置転換。「もちろんどこでも先発でも1イニングでも敗戦処理でもどこでも投げたいというのは思っていますし、投げられるようにやっていくだけですね」と、慣れないリリーフで昇格を目指し必死に腕を振った。

 リリーフに回ってからはストレートの割合が増えた。「あんまり納得のいくものがなくて、練習の意味でというか、もっとよくしたいという思いで真っ直ぐが多くなった部分がありました」と明かす。

 ストレートに関しては「去年は序盤良かったんですけど、あんまり納得のいくような球を投げられていなかった。去年の前半はちょっとよくて、後半から今年にかけてはあんまりというところがありましたね」と納得のボールが投げられなかった。

 投球フォームも、「去年から今年の頭にかけては横の時間を短くして球を強くしようと思ったんですけど、球速自体は上がったんですけど、バッターの反応が良くなかった。自分の特徴的なフォームで勝負していくというか、大事なのかなと思いました」と、特徴的なフォームに戻した。

 二木の武器のひとつフォークは「真っ直ぐがもっと良ければフォークもスイング率、空振り率が高くなってくると思うので、真っ直ぐがあんまりよくなかった分、フォークもそれに追いかけるようにというかちょっとずつバッターの反応も違ってきたのかなと思います」と自己分析した。

 12日までZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「ストレート、フォームの部分で気になるところがあるので、そこをしっかり修正していい球につながっていければなと思っています」と、ストレート、投球フォームという部分にフォーカスしトレーニングを積んだ。

 来季はプロ12年目。「一軍で投げないとダメだと思うので、どんな形でも一軍で投げたいですね、はい。投げたいです」。この間一軍デビューしたばかりと思った二木も、気がつけば来年の8月で30歳。中堅と呼ばれる年齢になった。まだまだできるところを結果で証明したい。

取材・文=岩下雄太