11月上旬、JR札幌駅直結の「さっぽろ東急百貨店」に札幌千秋庵の新店舗がオープンしました。
札幌千秋庵といえば、1921年(大正10年)に創業した北海道を代表する老舗菓子メーカー。「ノースマン」や「山親爺」などロングセラーのヒット商品が盛りだくさん。
北海道で札幌千秋庵を知らない人はいないと言われるほど、道民には欠かせないソウルスイーツを作っている菓子舗なのです。
今回新たにオープンした札幌千秋庵の店舗は、100年を超える歴史の中で初となる工房併設型。
白を基調に和洋折衷をイメージした店舗は、とってもオシャレ。木目を生かした商品棚には、これまでの人気商品がずらりと並びます。
店で作ってすぐ販売、新商品の「やわ餅」とは!
並ぶと言えばこの店舗、開店早々、大行列ができると噂になっています。
行列の先にあるのは、さっぽろ東急店限定で新発売した「やわ餅」。併設する工房から作りたてを販売しています。
一見するとちょっと小ぶりの普通の大福。しかし、触るとそのやわらかさに驚き、食べれば口どけと味わいの良さにまた驚くという、1個で2度もびっくりの和菓子なのです。
あまりにやわらかいため、カップに入れておかないと形が崩れてしまうほど。その柔らかさを店長自ら披露してくれましたが、引き伸ばした際には、垂れてしまいそうなほどのやわらかさが伝わってきました。
この驚くほどの柔らかさの秘密は、北海道産のもち米「はくちょうもち」をふんわりと蒸し上げ、そこにたっぷりのメレンゲを混ぜながらお餅をついているから。
これぞ、和菓子にも洋菓子にも強い札幌千秋庵だからこそ成せる技です。そんなふんわり&とろっとしたお餅で包むのは、こだわりの皮むきこしあん。お餅に負けないほど、なめらかな舌触りもたまりません。
何でも、十勝産小豆の皮を丁寧にむいてから炊き上げることで、皮の渋味を取り除いたスッキリとした甘さのこしあんになるのだとか。
実際に食べてみると、甘さも控えめで、後味もさらり。一つ食べ終わると、思わずもう一つ手に取りたくなるおいしさです。
店外からも作っているところが見られる工房
札幌千秋庵さっぽろ東急店は30坪ほどの面積があり、そのうち半分を厨房とバックヤードとして使用。工房は三方がガラス張りになっているので、店舗内からはもちろんさっぽろ東急百貨店の外側からも製造の様子を見学できます。
工房では特殊な石臼でお餅をついたり、専用の機械であんを包んだりと、一連の製造工程を包み隠すことなく公開しています。
現在、北海道内で12店舗ある札幌千秋庵でも、工房付き店舗はここだけ。作っているところを見ると、「やわ餅」への期待もますます高まります。
どんな世代にも愛される和菓子を目指して
「10人中8人に『好き』と言ってもらえる商品を目指して、この『やわ餅』を開発しました」。そう話すのは、札幌千秋庵の代表取締役社長 中西克彦さん。
今回、製造工程を見せる工房併設でライブ感が楽しめる店舗づくりにも、特別な意気込みがあります。
「さっぽろ東急百貨店は札幌駅に直結し、札幌市内はもちろん道外各地、全国、世界からもたくさんのお客さまが訪れる場所です。幅広い年齢層のお客さまに愛されるお菓子になってくれたら」と、中西社長は「やわ餅」への思いを語ります。
和菓子の代表選手・大福と、洋菓子作りに欠かせないメレンゲを融合させた「やわ餅」は、まさにどの世代にもストライクゾーンのお菓子です。価格は1個160円と手頃なので、おやつにも、お持たせにもぴったり。
「やわ餅」は100年以上の歴史を持つ菓子舗の新商品。和洋の垣根を越えたお菓子で多くのヒット商品を発売している札幌千秋庵ですが、そのルーツは和菓子店で、熟練の職人さんが作る本格和菓子にも定評があります。
最近では、ロングセラーのノースマンに、生クリームをたっぷり使った「生ノースマン」や、お餅と生クリームが入ったオムレットどら焼き「巴里銅鑼(ぱりどら)」など、和洋折衷の商品も話題を集めています。
そんな中、「今後は原点回帰で、和菓子にも注力していきたいと考えています」と、中西社長。今後の商品展開も楽しみですね!
レトロな雰囲気の商品にも注目!
余談ですが、札幌千秋庵といえば、これまで発売した商品の中にはものすごくかわいらしいパッケージデザインがあり、長い歴史があるからこそ本物のレトロ感がたまりません。
近年はリニューアルされて、少しずつその数も減ってはいますが、今でも残っている商品があります。
その一つが、「小熊のプーチャン バター飴」。缶に入っているのも魅力的です。また、最近、リニューアルしましたが、味のある佇まいは健在のせんべい「山親爺」。
世代を超えて愛される菓子舗として、こちらもぜひ注目してください!
札幌千秋庵 さっぽろ東急店
住所 北海道札幌市中央区北4条西2丁目1地下1階
営業時間 10:00~20:00※「やわ餅」の販売は11:00~