JTBパブリッシングと沖縄JTBは、かつて沖縄県鉄道与那原線の終着駅があった与那原町を舞台に、沖縄県鉄道与那原線開業110周年記念事業を展開すると発表した。「JTB時刻表」12月号(B5判、1,375円)にて、沖縄の鉄道遺産を訪ねる特集を掲載している。
沖縄県の鉄軌道といえば、現在はゆいレールのみだが、1945(昭和20)年の沖縄戦で被災するまで、1914(大正3)年に開業した「沖縄県鉄道(県鉄)」が沖縄本島中心部を走り、「ケービン」の名で親しまれていた。「JTB時刻表」の前身である「鉄道省編纂 汽車時間表」の創刊当時の号にも、すでに沖縄県鉄道のダイヤが掲載されていたという。
「JTB時刻表」12月号の特集は、古い時刻表や写真を通して沖縄県の鉄道110年の歴史を紐解く内容。いまなお残る与那原線(那覇~与那原間)の鉄道遺構や、復元された与那原駅舎周辺の見どころなども紹介する。郷土の歴史を学ぶきっかけにしてもらうことを意図して、与那原町の小中学校に「JTB時刻表」12月号を寄贈するとのこと。
12月1日には、沖縄県鉄道与那原線開通110周年を記念し、トークイベント「時刻表から見る『沖縄県鉄道の歴史』」を与那原町役場で開催。与那原町の照屋勉町長、軽便与那原駅舎展示資料館学芸員の喜納大作氏、時刻表編集長ら有識者と、「沖縄軽便鉄道芸人」首里のすけさんが登壇し、沖縄の鉄道についてトークセッションを繰り広げる。
同じく12月1日、与那原駅跡地の軽便与那原駅舎展示資料館で沖縄の軽便鉄道の歴史を貴重な資料とともに展示するほか、激しい戦火に耐えた遺構として駅舎近くに残る柱の見学会を開く。見学会はネットからの事前申込みが必要となる。