日本では販売されていないスマートフォンのカテゴリとして、海外ではポートレートやセルフィー機能を強化した「自撮りスマホ」と呼べる製品が複数のメーカーから出ています。日本未参入のvivoも中国では「Sシリーズ」、グローバルでは「Vシリーズ」として顔写真撮影にフォーカスした製品を添加ししています。今回は海外で販売中の最新モデル「V40」をテストしてみました。
vivo V40はチップセットにクアルコムのSnapdragon 7 Gen 3を搭載するミドルハイレンジのモデルです。一般的なスマートフォンの使い方なら十分な性能を持っていますし、ディスプレイは6.78インチで、解像度は2,800×1,260ピクセルと高く細かい文字や写真、動画もくっきりと表示できます。さらに画面の明るさは4,500nitsと輝度が高く、明るい屋外でも画面をはっきりと表示できます。最近のスマートフォンはこの輝度を高めた製品が増えているのですが、V40の画面の明るさはそれらの中でもトップクラスの性能です。
本体カラーは複数ありますが、紫のモデルは落ち着いた色合いであり、かなり上品な印象を受けます。本体側面はディスプレイ側、裏側どちらも丸めた形状なので握りやすくもなっています。カメラのデザインはこのVシリーズは毎回変えており、特にLEDライトの形状に特徴があります。V40のLEDライトは小さく見えますが、かなり明るく光り、また円形であることから被写体の瞳の中にいわゆる「天使の輪」を綺麗に演出することもできるのです。
カメラは5,000万画素の広角、5,000万画素の超広角の2つを搭載します。望遠はないものの、数倍程度のデジタルズームでも十分な画質が得られます。またレンズ部分にはカールツァイスとの協業を示す「ZEISS」のロゴが入っています。メインカメラで美しいポートレートが撮れることはもちろんですが、一般的な写真を撮るときもツアイスのレンズ技術を活かして様々なエフェクトをかけることができます。
特に歴史あるツアイスのレンズを再現した様々なボケ効果は、人物だけではなく風景写真もアーティスティックに仕上げてくれます。夜景撮影時にも明かりのボケ具合をプリセットのレンズから選べるため、映える写真が撮れることは間違いありません。カメラフォンとしてもV40は優れた性能を誇っているのです。
カメラの下のLEDライトは色温度と色の強度を自在に変更できます。暗い場所で顔を明るく照らせるのはもちろん、補助ライトとして使ったり、あるいは顔の表情に変化を付けたいときなど、画面上のスライドバーを指先で動かすだけで色を変えられます。さらに「AI 3D Studio Lighting」により、夜間撮影時などに自動で最適なライティングでの撮影も行えるといいます。
そしてセルフィー。V40のフロントカメラは5,000万画素を搭載します。つまりV40は前後全てのカメラが同じ画質なので、どのカメラで撮っても最高の撮影ができるというわけです。フロント側はディスプレイ全体を疑似ライトとして使用可能で、こちらも色や光量をコントロールできます。
何枚かセルフィーを撮ってみましたが、自動でも十分美しく撮影できます。また美顔エフェクトも細かく用意されているので自撮りカメラとしての機能も十分です。
ところでvivoのスマートフォンはこのVシリーズ以外にも、カメラを強化した「Xシリーズ」も存在します。最新の「X200」シリーズは2億画素カメラを含む高画質カメラモデルの「X200 Pro」や、女性の手でも持てる小型サイズながら、5,000万画素トリプルカメラ搭載の「X200 Pro mini」などラインナップは豊富です。メインカメラを比べるとV40より高性能なのは当然なのですが、X200シリーズのフロントカメラは3,200万画素であり、またLEDライトの色可変機能もありません。V40の人物撮影カメラとしての性能は上位モデルにも勝るのです。
V40はまたミドルハイレンジモデルのため、東南アジアでの価格は6万円台と、ハイエンドモデルよりも安価になっています。そのため高性能なカメラが欲しいけれど、特に自分や友人たちとの顔写真を中心に撮影してSNSでシェアしたい、というユーザーにとって手軽に買える製品と言えます。日本では販売されることは無いでしょうが、海外ではこのようなモデルも人気になっているのです。