LUNA SEA、「愛を深めながら燃えた」41本にわたる最大規模ツアーの締め括り

今秋、結成35周年イヤーを記念したバンド史上最大規模のホールツアー「LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA」をまわっていたLUNA SEAが、11月14日と15日に-EPISODE 3-ファイナル公演となる【黒服限定GIG】を神奈川県民ホール 大ホールにて開催した。この記事では、15日の公演をレポートする。

【写真】LUNA SEA、黒服限定GIG(全9枚)

LUNACY名義で活動していたインディーズ時代~LUNA SEAの1stアルバム『LUNA SEA』&2ndアルバム『IMAGE』の楽曲のみでセットリストを組んだ今回の【黒服限定GIG】。巨大な光る十字架を背負う形でステージに登場したRYUICHI(vo)、SUGIZO(g,violin)、INORAN(g)、J(b)、真矢(dr)の5人は大作「SEARCH FOR REASON」を前半(オープニングに披露)と後半(本編ラストに披露)に分けて挟む形で全15曲(アンコール除く)を全身全霊で披露した。

公演のタイトル通り、漆黒に染まった客席を煽情するべく「PRECIOUS...」「SLAVE」「BRANCH ROAD」「SYMPTOM」と初期の狂気的ですらあるラウドかつメロディアスなナンバーを畳み掛ければ、鋭いレーザーに当てられながら楽しげに暴れまわるSLAVE(ファンの呼称)たち。「35年前、このメンバーでLUNACYとしてツアーをまわったりしていたんだけど、あの頃は35年後に41本のツアーをやってファイナルにこの神奈川へ戻ってくるなんて全く考えてもいなかった。41本は僕らにとって最大規模のツアーだけれど、そこでみんなからもらったモノはそれ以上に強力だったなと思います」。そうRYUICHIが語ると、SUGIZOの幻想的なヴァイオリンも美しく強烈だった「SUSPICIOUS」など耽美な名曲たちが披露され、あの頃の楽曲が明らかに今キャリアハイを迎えている5人の表現力でもって響き渡っている現実に感動してか、客席には涙する者たちの姿もあった。その後、15分のインターミッションを挟むと、ひとりステージに現れた真矢がパワフルなドラムソロを響かせながら、SLAVEたちと激しいコール&レスポンスを繰り返し「おまえら、最高に格好良いぞ!」と大絶賛。その流れで全メンバーが再び揃うと「MECHANICAL DANCE」が凄まじい熱量で届けられ、誰もが叫びながら暴れまわる狂喜乱舞の光景が眼前に広がった。

そして「地元、神奈川。今夜の気分はどうですか? 昨日も凄かったけどね、今日はさらに超えてきて。俺たちの旅は今年だけじゃなくて来年の東京ドームまで続くし、GLAYとのツーマンライブ、そして俺たちのグランドファイナルへ向かって、ここ神奈川でみんなのちょっと壊れたところを見たいんだよね。好き勝手にまわりと輪を創りながら、愛を深めながら燃えてほしいと思います。いかがでしょうか? おまえら、やれるかぁー!」とRYUICHIに煽られると、本編最後のブロック「KILL ME」「SEXUAL PERVERSION」「BLUE TRANSPARENCY」「CHESS」、そして「SEARCH FOR REASON(後半)」に至るまでノンストップで前述のMCで期待された通り、いや、それ以上の音楽空間をメンバーもSLAVEたちも一丸となって創造していく。結成35周年を迎えても落ち着くどころか激しさを増し続けているLUNA SEAの世界。

その印象はアンコールでさらに強固なものとなる。「本当にどうもありがとう。このツアーの発表を受けて、昔の曲をみんな聴き込んだりしてるよね。ということは、俺が歌詞を間違えても答え合わせできているわけだ(笑)。その日のライブの本当の気持ちが違うワードとして出てきているんだよ。でも、グランドファイナルでは第一声から最後まで、あんまりオリジナルを作らずに(笑)突き進んでいきたいと思います!」。そう笑いも混ぜ合わせながらRYUICHIが語れば、初期を代表する「SHADE」「Dejavu」の5者5様のエモーショナル過ぎる爆発的な歌声と演奏が響き渡り、この上なく激しい一体感と鮮やかなシンガロングが生まれていく。そんな共に素晴らしい音楽を奏でてくれた愛すべきSLAVEたちへ向けて、メンバーひとりひとりからメッセージが届けられたので、以下に紹介する。

真矢「本当にみんなこのツアーどうもありがとう! 最初はこれだけ多くのツアーをやって本当にまわりきれるのかな?とかいろいろ考えたんだけど……でもね、まわりきれたことが嬉しいんじゃなくて、全箇所みんながいてくれたことが本当に嬉しくて、俺たち5人の最高の誇りです! 今日の1曲目からみんなが格好良すぎてさ、マジで感動してさ、本当に……いや、本当に泣けてくるよ! マジでありがとう! いろいろ協力してくれる人がいてさ、神奈川県秦野市の駅メロの署名活動をしてくれる仲間とかもいて! どうかその仲間を、そして、俺たちを応援してあげて下さい! 神奈川県をLUNA SEAで染めようぜ! で、来年の2月は東京を、そして、日本をLUNA SEAで染めようぜ! みんなついてきてくれるよな! みんなは俺たちの誇りです。ありがとう!」

J「全国ツアーファイナル、ここまで来ました。改めてみんなに感謝したいと思います。どうもありがとう。そして、今日この会場に来れなかったみんな。全国に「今、ライブやってんだろうな」と思っている奴らがたくさんいると思うんでね、Jが、LUNA SEAのメンバーがお礼を言っていたってみんなが伝えてくれ! 頼むぜ! この35周年ツアーで1ヶ所1ヶ所、自分たちが創った曲をまた改めてこうやって演奏して、一緒に燃え上がれるっていうのは……本当に俺たちしあわせだなと思ってます。1本1本、景色が全然違って。1本1本、学ぶことがたくさんあって。刺激いっぱいのツアーが今日でファイナルを迎えると思うと、寂しい想いと、たくさんの感謝と、いろんな感情が渦巻いて上手く言葉にできませんが……本当にどうもありがとう!」

INORAN「神奈川の相模大野から始まって、またファイナルで神奈川に戻ってきて。僕ら神奈川出身ってわけではないですけど(客席からどよめき)。間違えた(笑)! ごめんごめん! 考えながらしゃべってるから!(消えないどよめきに対して)うるせーよ!(会場中爆笑)毎週のようにライブしてきて、来年の2月までこのメンバーとドームまで会えないのは本当に寂しい! 今回のツアーで季節を3つ越えました。いろんな場所に行ったりとか、何年ぶりの場所とかでもやりましたけど、何をしたかじゃなくて……誰と居たかなんだよ。このメンバーと、ツアーを全部支えてくれたスタッフも4,50人いるんだよ。そして、おまえらもいるんだよ。心から感謝を申し上げます! どうもありがとう! そして、東京ドーム、誰と居たいか? 俺はおまえらと居たいからさ! 絶対来いよなぁ!」

SUGIZO「正真正銘の故郷、神奈川のみんな。今日は最高ですね。神奈川を背負って立つバンド、LUNA SEAです。神奈川の誇りを背負って、グランドファイナル・東京ドーム。全員の顔が見たいから、全員の顔を覚えて帰るから、グランドファイナルまで一緒に旅を続けてください。とりあえず今日【EPISODE 3】は終わるけど、俺たちの旅は来年の2月まで続くので、このストーリーの続きを一緒に体験しましょう。毎回言っていますが、このLUNACY【黒服限定GIG】のときに「この苦しみをくれてやる この悲しみをくれてやる」と歌っていますが、その心は「この喜びをくれてやる この幸せをくれてやる」と言い聞かせて頂き、引き続きLUNA SEAを末永くよろしくお願いします。どうもありがとう、神奈川のみんな、心から愛してます!」

そんなメンバーひとりひとりのメッセージを受け、RYUICHIが「愛してるよー!」と叫べばライブはクライマックスへ。「神奈川県、全員でかかってこい! かかってこい! かかってこーい!」と「WISH」でこの日最もホープフルな世界を創造すれば、会場は満面の笑みではしゃぎまわるSLAVEの姿とシンガロングで埋め尽くされる。そして、メンバー5人並んで感謝の言葉を告げて締め括ろうとすると、すかさず「アンコール!」と叫ぶ声が客席から響き渡り、その場でもう1曲だけ最後に披露することを決めるLUNA SEA。そのナンバーは、記念すべき1stアルバムのオープニングを飾った「FATE」。まるでここからまた新しいストーリーが始まるような開放感と突進力に溢れた音楽でもって、41本にわたる長きツアーを締め括ってみせた。

なお、LUNA SEAは本公演中も話していた通り、2025年2月22日にGLAYとのツーマンライブ「The Millennium Eve 2025」を、翌23日に今回のツアーのグランドファイナル公演として「LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025-黒服限定GIG-」を開催する。日本を代表するモンスターロックバンドの35周年の締め括り、その歴史的瞬間をぜひ体感してほしい。最後に、東京ドームへ向けて語ったRYUICHIの言葉でこのレポートを締め括りたい。

「ドームのチケットが売れたからって俺たちは喜ぶんじゃなくて、俺たちにしかできないドームのショーの在り方をきっとみんなと創っていけると思うんだ。それを創れたときに初めて「あー、グランドファイナル、東京ドームに立てて良かったな」と喜ぶんだと思う。当日のメニューも熱量も、激しさとか優しさとか愛とか、絶対にどのバンドにも負けない。だから、おまえらも胸を張って、最前列にいるつもりで暴れてください。本当に今日はどうもありがとう!」

<ライブ情報>

The Millennium Eve 2025

LUNA SEA|GLAY

2025年2月22日(土)東京ドーム

開場16:00|開演18:00

LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE-

LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-

2025年2月23日(日·祝)東京ドーム

開場15:00|開演17:00

Official HP https://www.lunasea.jp/