最近は「自由な生活を謳歌したい」という方も増え、1人で生きることを選ぶ方も多くなりました。そのような場合、一馬力で老後のお金の準備が必要になるため、早いうちから貯蓄や資産運用など始めた方がよいでしょう。
今回は、20~69歳の未婚男女4700名(男性2350名、女性2350名)を対象にジブラルタ生命保険株式会社が行ったアンケート「おひとりさまに関する調査2022」をもとに、老後までに準備したいお金に対し、実際のおひとりさまの平均貯蓄額がいくらなのか紹介します。また、都道府県別の平均貯蓄額ランキングも見てみましょう。
◆老後に備えてリタイアまでに準備したいお金:約4割が「1000万円~3000万円未満」
全国の20歳~69歳の未婚男女4700名(全回答者)に、老後に備えてリタイアまでに準備したいお金を聞いたところ、「1000万円~2000万円未満(21.7%)」「2000万円~3000万円未満(21.6%)」と回答しています。
全体の平均は2294万円となり、男女別の平均は、男性2530万円、女性2057万円となっています。
多くの人が考える老後資金の目安は、以前話題になった「老後2000万円問題」を軸にその前後を考えている人が多いようです。仮に、老後資金2000万円を理想とするなら、実際にどのくらいの人が準備できているのでしょうか。
◆おひとりさまの現在の貯蓄額「100万円未満(43.6%)」の一方「2000万円以上(9.6%)」
おひとりさまに、現在の貯蓄額を聞いたところ、一番多いのは「貯蓄額がない」と回答した人の「23.1%」。次いで、「100万円~200万円(13.8%)」「50万円未満(13.7%)」が続きます。
一方、2000万円以上の貯蓄があると答えた人は「9.6%」となりました。また、老後資金2000万円に届きそうな1000万円~2000万円未満は「8.3%」という結果となりました。全体の平均は707万円となり、男女別の平均は男性が735万円、女性が680万円という結果になっています。
◇都道府県別の貯蓄額平均「男性1位:鳥取県」「女性1位:宮崎県」
次は、都道府県別の貯蓄額平均の割合を男女別に上位を確認しましょう。
《男性》
・1位:鳥取県(1518万円)
・2位:神奈川県(1421万円)
・3位:長野県(1365万円)
・4位:埼玉県(1317万円)
・5位:石川県(1308万円)
1~5位の都道府県を男性の平均貯蓄の735万円と比べると、約1.7~2.1倍も多いという結果になりました。
《女性》
・1位:宮崎県(1486万円)
・2位:石川県(1298万円)
・3位:愛媛県(1139万円)
・4位:東京都(1117万円)
・5位:三重県(1053万円)
1~5位の都道府県を女性の平均貯蓄の680万円と比べると、約1.5~2.2倍も多いという結果になりました。
◆おひとりさまが、老後に備えてリタイアまでに約2000万円準備するには?
おひとりさまの老後までに備えたい理想の金額と、その実態をみてきました。
理想の目安2000万円までに、あと一歩という人もいれば、これから目標に向けて頑張らなければならない人いろいろでした。
おひとりさまは、お金を貯めるのも使うのも自由ですが、老後までにある程度の資金を貯めなくてはならないというのは共通しています。それであるなら、早いうちから老後のための資金作りをしましょう。そのためのおすすめは「先取り貯蓄」です。
先取り貯蓄とは、毎月の給与をもらったらすぐに、決めた金額(手取りの20~30%などが目安)を貯蓄することです。つまり、「お金が残ったら貯蓄する」のではなく、先に貯蓄分を確保して、残ったお金で生活をやりくりするということです。
おひとりさまは、お金を使う自由度が高く、お金管理そのものに無頓着な方もいます。早いうちから、予算内で支出を管理する習慣をつけるようにしましょう。老後になれば年金内でのやりくりを考えていかなければなりませんが、その準備としても効果的です。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)