俳優の上川隆也が、来年1月15日スタートのフジテレビ系ドラマ『問題物件』(毎週水曜22:00~)に主演することが22日、発表された。上川が同局制作の連ドラに主演するのは、初めて。
このドラマは、自殺、ポルターガイスト、失踪、ゴミ屋敷など、さまざまな不動産物件で起こる奇々怪々な事件の謎を、頭が切れて腕っ節が強く、人間離れした破天荒さを持つヒーローとお人よしのヒロインが鮮やかに解決していく不動産ミステリー。
原作は、今年公開した映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(東宝)の脚本などを手がける作家・大倉崇裕氏の『問題物件』『天使の棲む部屋』(いずれも光文社)。これまで、ドラマ『福家警部補の挨拶』(14年、フジテレビ)、『警視庁いきもの係』(17年、フジテレビ)でタッグを組んだプロデューサー・貸川聡子氏と3度目のタッグで、松田裕子氏の脚本、紙谷楓氏の演出により映像化する。
上川が演じるのは、黒づくめの服に黄色のジャケットを羽織った独特な雰囲気を持つ謎の男・犬頭光太郎。不動産会社に勤務するOLで、心霊物件など不可思議な現象に関するクレームを扱う部署に勤務する若宮恵美子の前に風のように現れては雷のように事件を解決し、風のように消えていくが、その正体は不明。うさんくさい見た目と雰囲気を醸し出しているが、抜群に頭が切れ、人並み外れた記憶力と天才的な推理力を生かして、物件に隠された謎を見事に解決していく。心霊現象などはまるで信じておらず、どんなことが起きても動じず、面白がってしまう。その一方で、気が短く、すぐに手や足が出てしまう一面も。本当かウソか「吾輩は犬である」などと冗談めかし、ミステリアスなそぶりを見せる犬頭を、恵美子は「犬の化身なのではないか」と勘繰るが…。
コメントは、以下の通り。
■原作:大倉崇裕
「ドラマ化のお話をいただき確認してみたところ、『問題物件』の第一話を書いたのは、2011年の秋でした。10年以上前の作品に、今こうしてドラマ化という新たな光を当ててくださった事、とてもうれしく、光栄に思います。ミステリードラマは大好きで、ミステリー小説を書く合間にミステリードラマを見るという生活を送っています。ご出演いただく皆様は、そんな私にとって憧れ、伝説の方ばかり。自分の書いた物語がどのような形になるのか、今から楽しみでなりません。ただ、一つ心配なことが。原作の中には怪談めいたエピソードが何話かあります。自分で書いておいて何なんですが、私は怖い話が大の苦手でして、それが映像でどう再現されるのか、ちょっとビクビクしています。夜、寝られなくなったらどうしましょう」
■上川隆也
――上川さんにとって8年ぶりのフジテレビ系連続ドラマ出演となります。
「連続ドラマの出演は『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』から数えると8年ぶり、主演となると『スワンの馬鹿! ~こづかい3万円の恋~』(関西テレビ制作)以来、実に17年ぶりで、言いようのない身の引き締まり感を感じています。フジテレビさんではこれまで、印象深い作品に数多く出演させていただきました。再び主演としてお迎えいただけることを本当にうれしく思います。だからこそ、精一杯努めたい……そんな気持ちでいます」
――原作、台本を読まれた印象をお聞かせいただけますでしょうか。
「原作から拝読させていただいたのですが、ミステリーの要素を踏まえつつ、どこかコメディー感もあるような、気軽に読めるミステリー小説として楽しませていただきました。恵美子と犬頭のコンビが、どんな事件に出会って、どんな活躍を見せていくのかと、駆り立てられるようにページをめくって読ませていただきました。この世界観がこのままドラマになったら、さぞかし面白いドラマになるだろうと思いましたし、そんな作品に参加できることをうれしく思っています」
――演じる犬頭光太郎の印象を教えてください。
「犬頭はいわゆる社会規範の中から、少しだけはみ出して物事を判断し行動するような男です。彼が1つ1つの事件やその事件に関わる人たちと相対していく中で見せる破天荒な行動が、読者にとってはきっと快感だったと思うんです。僕も原作を読んで、彼の天衣無縫な振る舞いに大きな魅力を感じました。視聴者のみなさんも、次は何をしてくれるのだろうかとワクワクしてもらえるのではないかなと思いますし、そこを大事に、丁寧に演じていけるようにしていきたいと思います」
――放送を楽しみにしている視聴者のみなさんへメッセージをお願いします!
「この作品はミステリーですから、原作同様ドラマにも奇想天外なトリックが用意されています。ミステリーファンの方にも、純粋にドラマ好きの方にも楽しんでいただけるような作品にしたいと思います。そして、難事件に立ち向かう犬頭と恵美子のでこぼこコンビにもご注目いただけたらと思います。御期待下さい」
■プロデュース 江花松樹氏(フジテレビ)
「国内の総住宅数は6500万以上あるらしい。その中で、<心理的瑕疵(かし)物件>―いわゆる“事故物件”―と呼ばれる物件の数は、1年に1万件以上のペースで積み上がっているとも言われます。そう考えると、今私たちが住んでいる家で、何かが起きてもおかしくない…。そんな怪奇現象が起きる問題物件を、クセと嗅覚が強い主人公が鮮やかに、バチッと解決します。呪い、幽霊、金縛り…おうちのトラブルどんとこい。コメディーからシリアスまで…変幻自在の演技力を持つ“ワンダフル!”な上川さんをお迎えして、ワンランク上のエンターテインメントをお届けできればと思います。是非、お楽しみに!」
■プロデューサー 貸川聡子氏(共同テレビ)
「『問題物件』の原作に出会ったのは10年ほど前になります。『福家警部補の挨拶』『警視庁いきもの係』と、大倉先生の著作を2シリーズ映像化させていただきましたが、そのどれにも似ていない、爆発的な個性をもつこの作品に、一気に魅了されました。弾むようなキャラクターとスピード感、そしてしっかりとミステリーの骨格を持った物語……そんな原作の魅力をそのままに、ドラマならではのホラー的な映像のワクワク感やテンポの良い会話劇をさらに楽しんでいただけるよう、チーム一丸となって作っています。ミステリードラマ界で唯一無二の存在感を放つ上川隆也さんを、この犬頭というとんでもなく破天荒な役でお迎えできることにプレッシャーを感じつつ、高揚感が止まりません。 不動産に隠された謎と秘密にゾクゾク、コミカルな会話劇にワクワク、そして鮮やかな解決にスカッと!さらに可愛(かわい)い犬も重要な存在として登場します。一粒で何度も美味しい、新しいユーモアミステリードラマ『問題物件』にどうぞご期待ください!」