ゆこゆこは、「2024年 細かすぎる温泉の実態調査」の結果を2024年11月19日に発表した。調査は、2024年7月12日〜15日の期間、温泉が好きと回答した20代~60代の男女1,500名を対象にインターネットにて実施したもの。また、東京都市大学 人間科学部教授の早坂信哉先生による「温泉の効果を最大限に発揮させる方法」についての解説もあわせて紹介する。
最初にかけ湯をする体の部位を尋ねたところ、「肩から腕」(46.5%)が最も多く、次いで「足」(22.1%)、「腹から下」(13.9%)と続く結果となり、4人に1人が「体の中心部」からのかけ湯をしていることが分かった。
早坂先生によると、体を慣らすために行うかけ湯は、主に血圧の急上昇を防ぐことが目的のため、足などの末端部分からかけるようにするといいとしている。なお、かけ湯をしなかったり、体の中心に近い場所からかけたりしてしまうと、心臓や脳の血管の疾患を引き起こす「ヒートショック」を引き起こすことがあるのだとか。特に外気温が下がる冬は注意が必要とのこと。
続いて、温泉のお湯に入った際に発するひと声を尋ねると、1位「はぁ〜系」(33.0%)、2位「ふぅ〜系」、3位「息は出るが声はでない」(12.7%)と続いた。また、女性は特に40代に「はぁ~系」が多く、男性は特に50代に「ふぅ~系」が多いという傾向があるという。
早坂先生によると、お湯につかったときに息や声が出てしまうのは、体が「出した方がよい」という理由で反応しているサイン。お湯につかると水圧でおなかが圧迫されるほか、自律神経である交感神経が刺激される一方、その状態で息を我慢していると血圧が上昇する危険性があるのだそう。
深呼吸は副交感神経を優位にするため、しっかり呼吸をすることでお湯につかった際のリラックス効果を高めることが期待できる。さらに、お湯の中で深呼吸をすると、気管が異物を排出するために行う線毛運動が改善するのだとか。湯気をしっかり取り込み、粘膜を湿らせることで、風邪やインフルエンザといった感染症予防にもつながるとのこと。
温泉の温度について好みを尋ねたところ、「ぬるい温泉」派(51.1%)と「熱い温泉」派(48.9%)とほぼ五分五分の結果であることが明らかになった。
早坂先生によると、よりリラックス効果を高めるにはぬるいお湯を推奨しており、熱いお湯が好みの人は、まずぬるいお湯で体を慣らしてからつかるといい、としている。
つかる時間の目安は「額に汗がにじんでくるタイミング」。汗がにじむころには体温は0.5~1.0℃程度上昇しており、血流も良くなっているので、お湯や温泉の効果をしっかりと得られているサインだという。
また、温泉を長く楽しみたい場合は一度に長い時間お湯につかるのではなく、額に汗をかいたら少し休憩をしてからまた入る、水分補給をするなど、小刻みにお湯につかる「分割浴」がいいとしている。
そのほか、朝の入浴において、まずはぬるめのお湯で体を慣らすことが大切。一方、寝る前は交感神経が刺激されて目が覚めることを避けるため、ぬるいお湯で温まるといいとしている。
早坂信哉先生は、東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者で、多数のメディアに出演している。主な著書は『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)がある。