三井住友銀行は11月20日「25年卒の学生と新社会人のお金事情調査」の結果を発表した。調査は2024年9月28日~29日、2025年4月入社の内定を持っている学生、入社1~2年目の社会人(10~20代)400名を対象にインターネットで行われた。

初任給の使い道は?

25年卒の学生へこれから社会人になるにあたっての心境を聞いたところ、「社会人になることに不安を感じる(61.5%)」、「残りの学生生活を満喫したい(47.5%)」、「社会人になることが億劫と感じる(まだ学生でいたい)(34.0%)」など、残り少ない学生期間を名残惜しみつつ、有意義な時間を過ごしたいと感じているようだ。

  • これから社会人になるにあたっての心境

また社会人にとって特別なことの1つである「初任給」について、学生に対して既に使い道を決めているかを聞いたところ、「決めている(13.5%)」「なんとなく決めている(32.5%)」と回答し、全体の半数近くにあたる約46.0%の方が入社の半年前から初任給の使い道を決めていることが判明した。

また学生に初任給の使い道を聞いたところ、「家族や両親にプレゼントを買う、食事へ連れていく(65.2%)」、「好きなものを買う(46.7%)」と回答。一方で、新社会人に対して実際の初任給の使い道を聞いたところ、「家族や両親にプレゼントを買った、食事へ連れていった(44.0%)」に次いで「貯金した(41.5%)」が上位の結果となり、学生同様、日頃の感謝の想いを自分以外の人へ使うがトップでありながら、いざ社会人生活が始まってみると貯金という堅実な選択が増えている、という特徴ある結果となった。

  • 初任給の使い道

社会人になるまでにやっておけばよかったこと

学生が社会人になるまでにやりたいことや準備したいことTOP3は「長期旅行や遊び(51.0%)」、「家族や友人との交流(48.0%)」、「アルバイトをして貯金する(42.0%)」という結果になった。

一方で、新社会人が社会人になるまでにやっておけば良かったこと(やっておいて良かったこと)TOP3は、「長期旅行や遊び(42.5%)」、「家族や友人との交流(41.5%)」、「語学留学や語学の勉強(24.5%)」となり、学生、新社会人ともに、時間を自由に使える学生時代だからこそ出来ることへの優先度が高いことが明らかになった。

  • 社会人になるまでにやりたい(やっておけば良かった)こと

さらに、新社会人になるまでに「給与受け取りのために銀行口座を開設する」と回答した学生に対し、銀行口座を開設する際に重視するポイントを聞いたところ、「信頼感がある(70.6%)」に次いで「金利が良い (64.7%)」が上位にあがった。マイナス金利政策が終了し、これまで「金利のある世界」に馴染みのなかった世代が金利の引き上げに期待を寄せているのかもしれない。

また、学生は「全国に店舗やATMがある(58.8%)」、「身近に店舗やATMがある(47.1%)」ことを重視していることに対し、新社会人は「全国に店舗やATMがある(33.5%)」、「身近に店舗やATMがある(31.5%)」と数値が下がる結果に。地元以外の土地で生活する機会の増加や仕事などで時間が限られる中で、店舗に行かなくても完結する銀行サービスを利用しているのかもしれない。

  • 銀行口座を開設する際に重視するポイント

社会人になって最も感じた「お金のあるある」

新社会人に対し、「社会人になってからお金に対する価値観や使い方に変化」を質問したところ、6割以上(66.5%)の人が「ある(28.0%)」「どちらかといえばある(38.5%)」と答えた。特に変化したものは、第1位「給与で生活費をやりくりするようになり価格をシビアにみるようになった(43.6%)」、「貯金を始めた、貯金額を増やした(43.6%)」、第3位「買い物や食事に使う単価が上がった(42.9%)」という結果に。お金に対する意識を堅実に持ちながらも、自分の欲しい物や食べたいものにはお金をかけることから、社会人になり忙しい日々の中でもタイパや生活の質を大事にしていることがうかがえる。

  • お金に対する価値観や使い方に変化があったもの

また社会人だからこそ感じた「お金のあるある」を聞いたところ、「想像以上に生活費や交際費にお金がかかり手元に残る金額が少ない(40.5%)」、「通勤や仕事での外出機会が増えるため交通ICのオートチャージ機能が便利(16.5%)」が上位を占める結果に。学生時代とは違う生活・交友関係から発生する出費や、忙しい中でも手軽・便利なサービスをより好む点に、社会人ならではの「あるある」を感じているようだ。

  • 社会人ならではの"お金あるある"として感じたこと

現金支払いのみ場合は入店や購入を辞める「現金キャンセル界隈」

2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%と経済産業省が公表している中、学生・新社会人に対して、現金とキャッシュレスの利用割合を聞いたところ、学生 63%、新社会人 68%と、どちらも6割以上がキャッシュレス決済を利用していることが明らかになった。学生、新社会人の7割が「ポイントが貯まりお得に使える」ことからキャッシュレス決済を利用していると回答している。

さらに学生、新社会人ともに34%がお店等での支払いが現金のみの場合、入店や購入を辞めたことがあると回答。日常生活で「めんどくさい」「コスパが悪い」と感じる行為をなるべく避けたい、いわゆる「●●キャンセル界隈」が注目されているが、「ポイントが貯まらない」現金での支払いのみの場合、入店や購入を面倒に感じる若年層の約3割が「現金キャンセル界隈」であることが判明した。

  • お店等での支払いが現金のみの場合、入店や購入を辞めたことがある学生+社会人の割合

  • キャッシュレス決済を利用する理由