「キャリアアップしたいけれど、何から始めればいいかわからない」「将来のために役立つ資格を取得したい」と思っている方も多いでしょう。そのような方たちは、リスキリングによって新たな知識や技術の習得を目指してみてもいいかもしれません。
リスキリングとは「今の仕事で不可欠となるスキルの変化に対応するために必要なスキルを獲得すること」を意味します。キャリアアップや転職を考える際、スキルを強化するためのリスキリングは重要な選択肢となります。
そこで今回、マイナビニュースの女性会員に「リスキリングとして取得を検討している資格」をテーマとしたアンケートを実施。女性が取得したいと考えている資格の人気ランキングと、各資格の詳細情報を紹介します。キャリアアップや転職を考えている女性はぜひご一読ください。
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リスキリングの人気資格ランキング【女性編】
女性のマイナビニュース会員に「リスキリングとして取得を検討している資格」(※複数回答可)をテーマにアンケートを実施したところ、結果は以下のようになりました。
1位:TOEIC(19.7%)
2位:FP技能検定(12.8%)
3位:税理士(10.3%)
3位:メンタルヘルス・マネジメント検定(10.3%)
5位:ITパスポート試験(9.4%)
6位:行政書士(8.5%)
7位:宅地建物取引士(7.7%)
7位:司法書士(7.7%)
9位:マーケティング検定(6.8%)
9位:キャリアコンサルタント(6.8%)
11位:VBAエキスパート(6.0%)
11位:MOS(Microsoft Office Specialist)(6.0%)
11位:データ分析実務スキル検定(6.0%)
14位:賃貸不動産経営管理士(4.3%)
14位:基本情報技術者試験(4.3%)
14位:ビジネス実務法務検定(CBAS)(4.3%)
14位:E資格(4.3%)
14位:社会保険労務士(4.3%)
19位:AWS認定(3.4%)
19位:Python 3 エンジニア認定基礎試験(3.4%)
19位:中小企業診断士(3.4%)
19位:ビジネス統計スペシャリスト(3.4%)
19位:統計検定(3.4%)
24位:プロジェクトマネージャー試験(2.6%)
24位:Python 3 エンジニア認定データ分析試験(2.6%)
24位:ディープラーニングG検定(2.6%)
24位:MBA(2.6%)
リスキリングの人気資格ランキング一覧
ここからは、トップ10にランクインした人気資格の概要や取得に適した職種、選んだ人のコメントなどを紹介します。
TOEIC
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語によるコミュニケーション能力を測定する試験で、転職や昇進の際にスコアが重視されるケースも多い資格です。特に国際的なビジネスシーンで英語を活用する職場を目指す方に向いています。
語学力の向上は営業や事務職、海外業務に携わる職種の方に特に有利。スコアが高いほど評価が上がるため、履歴書でのアピールポイントにもなります。
・「英語の力は最低必須なのです。頑張らなきゃ」(58歳/専門職関連(コンサル・金融・不動産・税理士他))
・「英語力を高めて、仕事と私生活で英語を役立てたいと思うので」(51歳/営業関連(営業・MR・人材・コールセンター他))
・「趣味で英語を勉強していて、その習得レベルを判断するのにTOEICの点数把握や試験が役立つので、参考にしている」(34歳/クリエイティブ関連(デザイン・編集・WEB・ファッション他))
・「今後業務などで必要になりそうだからです」(50歳/IT関連技術職(ソフトウェア・ネットワーク他))
FP技能検定
FP技能検定(ファイナンシャルプランナー検定)は、家計や資産管理に関する知識を証明する資格です。税金や保険、投資、不動産などの知識を深められます。家計管理やライフプラン設計にも役立ちますし、金融業界だけでなく、日常生活でも活用できる実用性が魅力です。
金融業界はもちろん、個人事業主や主婦にも人気があります。
・「これからの生活にも役立ちそうだから」(52歳/営業関連(営業・MR・人材・コールセンター他))
・「簿記を持っているのでFP検定も受けてみたいと思っている」(47歳/その他・専業主婦等)
・「今の仕事のお客様に提案できたら喜ばれるから」(46歳/その他・専業主婦等)
・「お金のことが広く学べると思うから」(40歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
税理士
税理士は、税務や会計に関するスペシャリストの国家資格です。企業の経理担当者や、独立を目指す人にもおすすめです。取得には難関試験をクリアする必要がありますが、長期的に高収入を得られる可能性が高い資格とされています。
在宅やフリーランスとして働けるため、ワークライフバランスを重視する女性に適していると言えるでしょう。
・「家業を継ぐためです」(60歳/その他・専業主婦等)
・「取得すると便利だから」(54歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
・「やはり、これからの時代において役に立つから」(59歳/その他・専業主婦等)
メンタルヘルス・マネジメント検定
職場でのメンタルヘルス対策に役立つ知識を証明する資格です。ストレスマネジメントやメンタルケアの実践力が身に付きます。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、人事や教育関連の仕事に携わる方、または職場環境を整える役割を担う方に最適です。働く女性が直面しがちなストレスを軽減するスキルとしても注目されています。
・「自分自身ストレスがたまりやすいので、心身の健康に役立つことを学びたい」(58歳/その他・専業主婦等)
・「メンタルヘルスに興味があったので」(44歳/販売・サービス関連(小売・フード・旅行・ホテル・エステ他))
・「現在は医療業だから」(28歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
ITパスポート試験
ITに関する基礎知識を身につけられる国家試験です。システムやネットワーク、セキュリティに関する知識が幅広く学べますし、デジタルスキルの証明としても役立ちます。
IT未経験でも取得が可能な内容で、事務職や広報といった職種の女性でもチャレンジしやすい資格と言えるでしょう。
・「業務上で活用できそうなので」(34歳/IT関連技術職(ソフトウェア・ネットワーク他))
・「興味があり、必要でもあるから」(50歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
・「在宅でも仕事がありそう」(54歳/その他・専業主婦等)
行政書士
行政機関に提出する書類作成の専門家として活躍できる国家資格です。法務に関する知識を活用し、独立開業も可能です。
独立後は自分のペースで働けるため、育児と家庭を両立したい女性に人気です。法務知識を生かしたキャリアチェンジにも有効です。
・「自分で書類などの作成ができたら楽だし、理解も深まると思った」(35歳/販売・サービス関連(小売・フード・旅行・ホテル・エステ他))
・「法律に対して関心があり、今までも資格を取得しているから」(43歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、不動産取引に関わる重要事項を説明する役割を担う国家資格です。不動産業界では必須の資格とされています。不動産業界でのキャリアを目指す方、または副業として不動産投資を検討している方にぴったりです。
・「仕事上必要なのでぜひ取りたいと思っています」(49歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
・「特別 一生懸命に勉強をしているわけではないのですが、資格があったらいいなと漠然と思っています」(58歳/その他・専業主婦等)
司法書士
不動産登記や商業登記の専門家として活躍する国家資格です。法律知識を深めたい方におすすめです。行政書士同様、高い専門性を活かして独立しやすいため、家庭と仕事の両立を目指せる資格です。法務系キャリアに転向したい女性に人気があります。
・「法律を体系的に学んでみたいので」(42歳/専門サービス関連(医療・福祉・教師・インストラクター他))
・「実務にも転職にも役立つから」(51歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
マーケティング検定
マーケティングの基礎から実務知識までを体系的に学べる検定試験です。マーケティングスキルはどんな業界でも活用可能ですが、特に企画や広報職、販促業務を担当する女性に最適です。
・「実用的で、業務に役立ちそう」(58歳/その他・専業主婦等)
・「業務に直結しそうだから」(58歳/その他・専業主婦等)
キャリアコンサルタント
キャリア形成支援のプロフェッショナルとして認定される国家資格です。相談業務を通じて人材開発や転職支援に携わることができます。
女性のキャリア支援や働き方改革に貢献できるため、共感を持って業務に取り組みやすいというメリットがありますし、副業や独立にもつながります。
・「友達が成功し仕事につながっています」(48歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
・「年をとってもお金になりそうだから」(53歳/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他))
リスキリングに使える助成金・給付金とは
リスキリングに関連する資格の中には、政府や企業の支援制度を活用できるというものも少なくありません。それぞれ詳しく見ていきましょう。
人材開発支援助成金
企業がリスキリングに活用できる助成金の一例として、厚生労働省が主導している人材開発支援助成金があげられます。同助成金は、企業が社員に対し、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成するという制度です。
同助成金の一つに「事業展開等リスキリング支援コース」があります。その内容は、新規事業の立ち上げ時など、新たに必要となる知識や技能を習得するにあたり、国が企業側に賃金の一部を助成するというものです。
会社勤めのビジネスパーソンは、これらの助成金を活用して新たな資格を取得することも可能でしょう。
教育訓練給付制度
個人がリスキリングを行う際に利用できる代表的な給付金として、教育訓練給付制度があげられます。教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるという制度です。
教育訓練給付制度には以下の3つの種類があります。
名称 | 対象内容 | 支給額 |
---|---|---|
専門実践教育訓練 | 特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練 | 受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6カ月ごとに支給。資格取得などをし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給 |
特定一般教育訓練 | 特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練 | 受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給 |
一般教育訓練 | 雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給 |
この中で適用対象となりやすいのは「一般教育訓練」です。これらの支援制度を賢く活用すれば、資格取得までのハードルも低くなることでしょう。
「リスキリングで何を学ぶか」という悩みを解決するランキングを紹介しました
リスキリングの一環で取得する資格は、自身のキャリアアップやライフプランに直結します。今回紹介したランキング上位の資格は、どれも将来の選択肢を広げてくれるものばかりです。
まずは気になる資格について詳しく調べてみましょう。挑戦することで、新しいキャリアの扉が開くかもしれませんよ。
調査時期: 2024年11月7日
調査対象: 女性マイナビニュース会員
調査数: 301人
調査方法: インターネットログイン式アンケート