マンゴーってどんな果物?
マンゴーとは?
マンゴーは、世界三大美果の一つに数えられるトロピカルフルーツで、その豊かな香りととろけるような甘さが特徴です。原産地はインドで、現在では東南アジアや南米、更には日本でも栽培されています。日本では、特に沖縄や宮崎県が主な生産地です。マンゴーには、アーウィンやキーツ、アルフォンソなどさまざまな種類があり、それぞれ異なる風味を楽しむことができます。美しい色と濃厚な甘さで、デザートや贈答品としても人気です。
マンゴーの旬の時期
マンゴーは一年を通じて市場に出回っていますが、国産マンゴーが最もおいしい時期は、一般的に5月から8月です。特に日本国内では沖縄産と宮崎産が有名で、それぞれの地域の気候や栽培方法により、旬の時期が異なります。
沖縄産は加温栽培を行わず自然環境で育てるため、6月から8月にかけて旬を迎えます。一方、宮崎産は加温栽培が主流で、4月中旬から7月が収穫のピークです。
海外産は時期が異なり、例えばメキシコ産は秋から冬にかけて出荷されるので、日本では一年中マンゴーが楽しめるのが特徴です。
マンゴーのおいしい食べ方
マンゴーをおいしく食べるには、追熟が重要です。マンゴーは完熟の状態で出回ることが少なく、購入後食べ頃まで追熟させる必要があります。直射日光が当たらない涼しい場所に置いておき、マンゴーの皮にツヤが出て、触って柔らかさを感じるようになったら食べ頃です。完熟のものが手に入った場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室での保管がおすすめです。
食べるときには野菜室で冷やすことがおすすめです。切るときはマンゴーの中央にある平たい種を避けて三枚に切り分けます。果肉部分には、碁盤の目のような切り込みを入れて、皮から押し上げると見た目も可愛く、食べやすくなります。甘みが引き立つため、レモン汁を少し加えて味わうのもおすすめです。また、マンゴーはスムージーやサラダにも使え、さっぱりとしたデザートとしても楽しめます。
マンゴーは産地によって違う
マンゴーは、世界中でさまざまな品種が栽培され、産地ごとに味や香り、食感の違いが楽しめます。アメリカやフロリダ原産のアーウィンやキーツは、濃厚な甘さと果肉の滑らかさを楽しめるものが多いです。インド原産のアルフォンソは、クリーミーな舌触りと爽やかな酸味が調和しマンゴーの王様と称される濃厚な香りが楽しめます。フィリピンのカラバオは、過去にギネスに認定されるほどの強い甘さに加え、口当たりが滑らかです。タイのチョークアナンは、酸味が強めでさっぱりした風味があり、サラダにも活用されるなど多用途で人気です。
台湾のマンゴー4選
台湾産のマンゴーは、大玉で濃厚な甘さが魅力の品種が多く、糖度も非常に高いのが特徴です。金煌や玉文など、品種によっては酸味が少なく、口当たりが滑らかで、まるでデザートのような舌触りが楽しめます。また、見た目も美しい赤や黄色のグラデーションが特徴的で、贈答用としても人気があります。希少で収穫期間が限られているため、台湾産マンゴーは特別な果物として親しまれています。
台湾のマンゴー
金煌(キンコウ)
金煌は台湾生まれの独自品種で、正式名は金煌1号です。重さは1キロを超えるものが多く、2キロ近くになることもある大玉のマンゴーです。少し酸味があり、甘さだけでなく爽やかな後味も楽しめます。糖度は16〜20度と高く、滑らかで繊維が少ない果肉はマンゴープリンのような食感です。
日本では収穫時期が8月下旬から9月上旬の短期間に限られ、沖縄県内でも流通量が少ない希少な品種として知られています。
美姫(ビキ)
美姫は台湾原産のマンゴーで、細長い形が特徴です。重さは300~400グラムと手頃なサイズで、熟しても薄い緑色のままですが、見た目に反して非常に糖度が高い品種です。繊維が少なく、きめ細やかな肉質で滑らかな口当たりが楽しめるマンゴーです。
紅龍(コウリュウ)
紅龍は台湾原産で、1976年に発見された希少な品種です。果実は500〜700グラムと食べやすい大きさで、成熟すると美しい赤と黄色のグラデーションが現れます。香りは上品で、糖度は18度前後と甘く、それでいてしつこさがなく爽やかな後味が特徴です。果肉はジューシーで繊維が少なく、口の中でとろけるような滑らかな食感が楽しめます。
国内では沖縄県や鹿児島県の与論島など限られた地域で栽培されています。
玉文(ギョクブン)
玉文は、アーウィン種と金煌種を掛け合わせた希少な品種で、台湾発祥の高糖度マンゴーです。糖度は20〜24度と非常に甘く、繊維が少ないので舌の上でとろけるような食感が特徴です。果実は500グラムから2キロと大きく、美しい赤い果皮が目を引きます。酸味がほとんどないため、まるで濃厚なデザートのような甘さを堪能できます。
収穫時期は7月中旬から9月上旬と限られており、日本国内の栽培量が少ないため、幻のマンゴーと呼ばれることもあります。
アメリカのマンゴー13選
アメリカ産のマンゴーは、フロリダ州を中心に栽培され、品種の豊富さとそれぞれの個性的な味わいが魅力です。アーウィンやキーツ、ヘイデンなどは、甘みが強く、滑らかな口当たりが特徴で、特にそのまま食べるのに適しています。また、果皮が赤や黄緑など鮮やかな色合いで、見た目も華やかです。
アメリカのマンゴー
アーウィン
アーウィンは、その赤い見た目からアップルマンゴーとも呼ばれる早生品種のマンゴーで、果皮が赤く染まるのが特徴です。300~500グラム程度で小ぶりな果実は甘くクセが少ないため食べやすく、果肉は濃いオレンジ色で果汁も豊富です。繊維が少なく滑らかな口当たりと濃厚な甘み、柔らかな酸味がバランス良く感じられます。
国内で最も多く生産される品種で、沖縄、鹿児島、宮崎を中心に、北海道でも栽培されています。旬は初夏から夏で、完熟後の樹上落下防止のためにネットでの吊り下げが必要です。
キーツ
キーツは、完熟しても果皮が赤くならず、緑色のままであるユニークな品種です。そのため、見た目で熟し具合を見分けるのが難しく、柔らかさと甘い香りで食べ頃を判断するのがポイントです。果肉は濃厚で滑らか、繊維が少なく、甘味とコクのある味わいが楽しめます。
市場に出回ることが少なく幻のマンゴーとも呼ばれる希少な品種で、特に沖縄で栽培されています。冷やして食べると更においしく、ぜいたくな風味が口いっぱいに広がります。
ヘイデン
ヘイデンは、メキシコを中心に輸入されるマンゴーの一種で、果皮が赤く丸みを帯びる品種です。出回り時期は4月から6月頃で、糖度13~16度と甘味が強く、酸味は控えめ。果肉は柔らかくジューシーですが、繊維質が多めで、特に種周りは筋っぽさが感じられます。香りは豊かで、少しマンゴー特有のクセがありますが、適度な甘さがあり親しみやすい味わいです。冷やして食べると甘みが引き立ち、一層おいしくいただけます。
リペンス
リペンスはアーウィンの親に当たる品種で、糖度約15度と程良い甘さが特徴です。果肉は繊維が少なく、口どけがよく厚みがあります。香りが強く、黄色地にほんのり赤みを帯びた外観が可愛いらしいマンゴーです。アーウィンよりも淡白な味わいですが、しっかりとしたボリュームがあり、食べ応えも抜群。アーウィンの赤い果皮とのセットで届くと華やかさが増し、ギフトにもぴったりな品種です。
ゴールデンリペンス
ゴールデンリペンスは、アメリカ・フロリダ原産の「リペンス」から生まれた品種で、大きさは400~500グラムほどと少し大きめです。果皮は鮮やかな黄色で、熟しても赤くならないのが特徴。果肉は柔らかく多汁で、甘い香りと濃厚な甘さが魅力です。酸味が少なく、食べやすいくせのない味わいで、リペンスの良さを受け継いだまろやかなおいしさが楽しめます。
ベイリーズマーベル
ベイリーズマーベルはフロリダ原産のマンゴーで、400グラム程度の丸みを帯びた標準サイズが特徴です。果皮は薄い黄色から黄緑色で、見た目も控えめな色合いですが、アーウィンに似た優しい甘さがあり、適度な酸味も感じられる品種です。マンゴー特有のクセが少なく、食べやすいので初めての人にもおすすめです。樹上で完熟させると中が過熟になりやすいため、早めに収穫し、追熟してから食べると最もおいしくいただけます。
パール
パールは、アメリカ・フロリダ原産の大玉品種で、果実は700グラムから1キロ以上と迫力あるサイズが特徴です。果皮は全体に黄色で、上部に赤みがかかり、美しい見た目をしています。果肉は繊維が少なく、滑らかな舌触りで、糖度も高いため甘さが際立ちます。樹上で完熟することが難しいため、早めに収穫してから追熟させることで食べ頃を迎えます。インパクトのある見た目とボリューム感から、贈答品としても人気のある品種です。
バレンシアプライド
バレンシアプライド(沖縄では「てぃらら」とも呼ばれる)はアメリカ・フロリダ原産のマンゴーで、1玉600グラム前後の大きさが特徴です。細長い形の果実には黄色に赤いグラデーションがかかり、上品な見た目が魅力的です。甘みと酸味のバランスが絶妙で、糖度は16度から19度と高く、爽やかな甘さが楽しめます。また、繊維が少なく口当たりが滑らかで、濃厚な香りも特徴です。樹上完熟には向かず、収穫後に追熟させて食べ頃を迎えます。
スプリングフェルス
スプリングフェルスはフロリダ原産のマンゴーで、果実の大きさは約600グラムとやや大玉です。果皮は薄めの黄色に少し赤味が差し、見た目も上品です。果皮の近くには若干繊維を感じることもありますが、酸味と甘みのバランスが良く、果汁が豊富で、パイナップルのような香りと風味が楽しめます。樹上で完熟も可能ですが、過熟を防ぐため、少し早めに収穫して追熟させるのがおすすめです。
スピリットof 76
スピリット of 76はフロリダ原産のマンゴーで、果実の大きさは500~600グラムほどとやや大きめの品種です。アーウィンを少し大きくしたような形で、果皮全体が濃い赤色に染まるのが特徴です。味わいはとても甘く、濃厚でマンゴーの風味がしっかりと楽しめます。食べ応えのあるサイズと美しい外観が魅力の品種です。
ジル
ジルはアメリカ原産のマンゴーで、果実の大きさは400グラムほどと標準的なサイズです。果皮は上部が赤く、下部が黄色に色付き、美しい色合いが魅力的です。糖度はアーウィンと同程度ですが、酸味がほとんどなく、より強く甘みを感じられるのが特徴です。まろやかな甘さと食べやすさが楽しめる、フルーティーで人気の高い品種です。
グレン
フロリダ原産のグレンは、果皮が鮮やかな黄色にうっすら赤みが差し、見た目がエドワードに似ているのが特徴です。マンゴー特有の風味がやや強めと言われることもありますが、豊かなフルーティーな香りと甘みがあるので、食べやすさも抜群。十分な甘さと爽やかな香りが楽しめるので、マンゴー好きの人には特におすすめです。
エドワード
エドワードはフロリダ原産で、ヘイデンとカラバオを掛け合わせて生まれた品種です。果実は500~600グラムとやや大きめで、緑色から黄色の果皮が特徴。マンゴー特有の濃厚な風味を持ち、熟成後は深い甘みとコクが楽しめるため、マンゴー好きにはアーウィンよりおいしいと評されることもあります。樹上完熟には向かないため、少し早めに収穫して追熟させると一層おいしくいただけます。
ハワイのマンゴー1選
メキシコのマンゴー
ラポザ
ラポザはハワイ原産で、アーウィンの子に当たるマンゴーです。果実は500~900グラムとやや大きめで、果皮は赤と黄色の美しいグラデーションに、白い細かい斑点が特徴的です。果肉は濃いオレンジ色で繊維がほとんどなく、多汁で甘みが強く、とろけるような舌触りで高評価を得ています。樹上で完熟させると過熟しやすいため、少し早めに収穫し、追熟させた後、香りが出始めた頃が食べ頃です。
メキシコのマンゴー3選
メキシコ産のマンゴーは、甘みと酸味のバランスが絶妙で、多汁かつ滑らかな口当たりが特徴です。特にケントやマグシャミン、マンザニーロなどの品種が有名で、それぞれ豊かな風味が楽しめます。果皮は赤や黄、緑のグラデーションが美しく、見た目も華やかです。メキシコの温暖な気候で育まれるため、秋から冬にかけて出荷され、日本では一年中マンゴーが楽しめるようになっています。
メキシコのマンゴー
ケント
ペルー原産のケントは、大きめで約400グラム前後、果皮が赤や黄から緑にかけてグラデーションを持つ美しい外観が特徴です。甘みが強く、酸味が程良く効いた濃厚な味わいで、果肉は滑らかで繊維が少ないため口当たりも良好。熟すと果肉がとろけるように柔らかくなり、甘い香りが楽しめます。追熟が必要なため、食べ頃のタイミングが重要で、香りが強くなり手に弾力を感じたら冷やして食べるのがおすすめです。
マグシャミン
マグシャミンはメキシコ原産のマンゴーで、酸味と糖度のバランスが良く、柔らかな肉質が特徴の食べやすい品種です。果皮は赤色で見た目も華やかですが、マンゴー特有の香りが強いため、初めての人には少し独特に感じられるかもしれません。その香りと濃厚な味わいが好きな人にはたまらない品種で、果肉の滑らかさがデザートやスムージーにも最適です。
マンザニーロ
マンザニーロはメキシコ原産の大玉マンゴーで、1玉800グラムほどの大きさがあります。果皮は鮮やかな赤色で、見た目も美しいのが特徴です。繊維が少なく、多汁でジューシーな果肉が魅力で、糖度が高く甘みがありますが、クセが少ないため、幅広い人に食べやすいと好評です。
タイ原産のマンゴー2選
タイ産のマンゴーは、さっぱりとした風味と豊かな甘みが特徴です。特にメラウィンやチョークアナンは、果肉が柔らかく繊維が少ないため滑らかな食感が楽しめます。完熟前の酸味が際立つものは、サラダなどの料理にもよく使われ、完熟するとデザートとしてそのままでもおいしく食べられます。クセが少なく甘さがしっかりと感じられるため、初めてマンゴーを食べる人にもおすすめです。
タイのマンゴー
メラウィン
メラウィンはタイ原産で、1玉1キロ以上にもなる大玉のマンゴーです。レッドキーツと呼ばれることもありますが、キーツとは異なる品種です。果肉が非常に柔らかいため傷が付きやすく、自重で傷んでしまうこともあるデリケートな特徴があります。糖度は控えめであっさりとした味わいが魅力で、クセがないため食べやすく、さっぱりした風味を楽しめるマンゴーです。
チョークアナン
チョークアナンはタイ原産のマンゴーで、果実は200~300グラムとやや小ぶり、細長い形が特徴です。果皮は滑らかで熟すと全体が美しい黄色に色付きます。繊維が少なく、濃厚で弾力のある食感が楽しめます。糖度が高く、酸味が少ないため、クセがなく食べやすい味わいで、英語ではhoney mango(ハチミツマンゴー)とも呼ばれます。タイでは完熟前のものをサラダにすることもあり、さまざまな食べ方ができるマンゴーです。
フィリピン原産のマンゴー1選
フィリピン産のマンゴーは、甘みが非常に強く、爽やかな酸味がバランス良く調和するのが特徴です。代表的品種のカラバオは、滑らかな舌触りと豊かな香りが魅力で、ドライマンゴーとしても世界中で愛されています。
フィリピンのマンゴー
カラバオ
カラバオは滑らかな果肉と豊かな甘み、爽やかな酸味が絶妙に調和するフィリピン産の代表的な品種です。その甘さはギネス記録にも登録され、繊維質が少ないので舌触りも非常に良く、マンゴー特有の香りを引き立てています。フィリピンの気候により一年中収穫が可能な点も魅力で、フレッシュな状態はもちろん、ドライマンゴーとしても世界中で人気を集めています。
オーストラリア原産のマンゴー1選
オーストラリアのマンゴーのケンジントンは、平たい卵型と赤みが差した黄色い果皮が特徴です。マイルドな甘さと豊富な果汁、滑らかな舌触りが魅力で、じっくり追熟させると香りも一層引き立ちます。
オーストラリアのマンゴー
ケンジントン
オーストラリア産「ケンジントン(ケンジントンプライド)」は、気温や雨量に敏感なため、限られた地域で栽培される希少な品種です。果実はやや平たい卵型で、先端がくちばしのように突き出ているユニークな形状が特徴。熟すと果皮が鮮やかな黄色になり、ブラッシュと呼ばれる肩部分に赤い染まりが現れ、美しいグラデーションを楽しめます。果肉は黄色で果汁が豊富、滑らかで口当たりが良く、甘さは控えめでマイルド。追熟により香りが増し、手に弾力を感じた頃が食べ頃です。
インド原産のマンゴー1選
インドのマンゴーは、濃厚でクリーミーな甘みと柑橘に似た爽やかな酸味が特徴で、マンゴーの王様とも呼ばれます。特にアルフォンソは、小ぶりで香り豊か。ジュースやデザートに最適な高級品種として人気です。
オーストラリアのマンゴー
アルフォンソ
アルフォンソはマンゴーの王様と称されるインド原産の高級マンゴーで、200~300グラムと小ぶりなサイズが特徴です。果皮は緑から黄色に変化し、完熟時には鮮やかなオレンジ色になります。濃厚でクリーミーな甘みと、かんきつに似た爽やかな酸味が絶妙なバランスを生み出し、香りも非常に豊かです。繊維は少なく滑らかで、ジュースやアイスクリーム、ピューレなどの加工品にも多く利用されています。
日本では輸入制限があるため、生のアルフォンソが市場に出回ることはほとんどなく、非常に希少です。
まとめ
マンゴーは、品種ごとに甘さや酸味、香りが異なる多彩な味わいが魅力の果物です。日本で親しまれているアーウィンや、フィリピンの甘いカラバオ、インドの濃厚なアルフォンソなど、各地のマンゴーは個性的な風味を持ち、デザートや贈答用にも大人気。旬の時期や産地によって特徴が変わるため、季節や料理に合った品種を選ぶことで、更にマンゴーのおいしさを堪能できます。