熊本県の南西部に位置する天草市(あまくさし)は、周囲を東シナ海・有明海・八代海という3つの海に囲まれたまち。
美しい青い海や大小さまざまな島などが織り成す雄大な景観をはじめ、季節を問わず一年中楽しむことのできるイルカウォッチング、日本最大級の肉食恐竜の化石が発見された「恐竜の島」、南蛮文化やキリシタンの歴史など、自然と文化に育まれた島です。
また、海や山からの恵みを受け、日本でも指折りの食材の宝庫。車えびや鯛などの海産物はもちろんのこと、「デコポン」などの柑橘類や地鶏の「天草大王」、南蛮柿(いちじく)を使ったスイーツなど、多くの特産品があります。
そんな天草市では、ふるさと納税の寄附金を6つの使途に充てています。今回はその中から「がまだせ! 天草エアライン」という使い道について紹介! 「がまだせ」は熊本の方言で「がんばろう」の意味だそうです。
本稿では、マイナビふるさと納税担当者が注目する寄附金の使い道について紹介していきます。
今回は、「がまだせ! 天草エアライン」という天草市のふるさと納税寄附金の使い道について詳しく調べてみました!
天草市のふるさと納税寄附金の使い道「がまだせ! 天草エアライン」について
・対象年度:令和5年度
・対象使途:がまだせ! 天草エアライン
・対象事業:天草エアライン運航対策事業など
・その事業に費やした総費用:2億1,360万700円
・総費用のうち寄附金活用額:1,867万円
鉄道のない天草地域で唯一の高速交通機関である「天草エアライン」。たった1機の航空機で、天草と福岡・熊本・大阪の3拠点をつなぎ、天草地域の足として経済・医療・観光を支えています。
「天草エアライン」は、2000年(平成12年)3月に天草-福岡間を35分、天草-熊本間を20分でつなぎ、車では2時間~3時間半かかる移動時間を短縮し、ビジネスマンや観光客、天草島民のなくてはならない移動手段となりました。
天草地域は、周囲を海に囲まれ、九州本土とは橋で結ばれている半島地域で、地理的条件では不利な地域であり、医療従事者の確保も困難を伴います。都市圏と天草地域を結ぶ「天草エアライン」によって、県外からの医療従事者の通勤、天草地域から都市圏の病院への通院など「命の翼」として天草地域を支えているそうです。
現在就航している「みぞか号」は2代目で、2016年(平成28年)2月に就航開始。フランスの航空機メーカーATR社の「ATR42-600」の導入は国内初! 48人乗りで、小規模な飛行場の短い滑走路にも対応できる小さな機体とプロペラが特徴です。
また、親子のイルカをモチーフにした航空機は、およそ200頭のイルカが定住する同市のPRにも一役買っています。機体のおなかには「くまモン」が描かれており、空を飛んでいる時だけ見ることができます。
小さな航空会社での日本初の新機種導入は、発生するトラブルや定期的な整備でさえも日本初。飛行時間や着陸回数に応じて定期的な点検整備が必要となり、機体を維持する費用は、年間数億円にもなるのだそう。
「天草エアライン」でも、1人の社員が営業や保安検査業務など複数の業務を兼務したり、早朝からみぞか号の機体洗浄を行ったりと、社員一丸となって解決しながら、地域の生活を支える存在として運航しているそうです。機内誌や座席のヘッドレストカバーも社員の手作りなのだとか!
本事業は、そんな「天草エアライン」の安定運航および利用促進を支援することで、交流人口の増加、命の翼としてのライフラインの確保を図ることを目指し、これからも安定した運航ができるように支援を行う事業です。
「がまだせ! 天草エアライン」の実績や成果
主な実績は以下です。
天草エアラインの安定運航の確保のため、機材整備費等を支援(令和5年度就航率は91.4%、利用率(搭乗率)は41.7%)
市民からの声やエピソード
・図鑑に載っていたみぞか号に一目ぼれし、10歳の子どもが毎日インターネットで運航状況をチェックし、「みぞか日記」をつけている。
・天草エアラインには数多くのドラマがあるに違いないと思った作家の黒木亮氏により、「島のエアライン」としてサンデー毎日に連載され、毎日文庫より2018年に出版。2024年に天草市が発行した書籍「Feel good Amakusa」にも寄稿。
自治体からのメッセージ
天草エアラインは今後も仕事や医療、運搬など地域の生活の基盤となる「地域の翼」として、また、観光客の移動手段として地域密着で運航を続けてまいります。
みなさまからいただいたご支援は天草エアラインだけではなく地域全体を盛り上げるための資金として大切に使わせていただきます。このプロジェクトを見て天草を知っていただき一度行ってみようと思っていただければとても嬉しいです。みなさまのご支援をよろしくお願いします!
天草市のふるさと納税返礼品について
プロの目で選び抜いた自慢の「黒毛和牛の切り落とし」、糖度13以上の甘さを楽しめる「デコポン」を紹介します。どちらも天草市の中でも人気の返礼品なのだそう。
A4~A5等級 黒毛和牛 切り落とし 1kg(500g×2P)
・提供事業者:たなか畜産
・天草市五和町城河原2丁目101-1
・内容量:1kg
・寄附金額:1万3,000円
上質な牛肉を届けるため、日々研究を重ね、安定した肉質を生み出すために努力している「たなか畜産」自慢の黒毛和牛です。切り落としが500g×2パックに小分けされているので、肉じゃがや牛丼など色々な料理に使えます。
天草産 デコポン 3kg
・提供事業者:JA本渡五和 みかん選果場
・天草市南新町9-22
・内容量:3kg
・寄附金額:1万3,000円
清見とポンカンを交配させてつくられた、熊本を代表するフルーツの1つ「デコポン」。一定基準を満たした柑橘で、甘さが保証されているのだそう。出っ張ったおへそみたいな見た目が特徴です。
今回は熊本県天草市のふるさと納税寄附金の使い道「がまだせ! 天草エアライン」と人気の返礼品を紹介しました。島民はもちろん観光客にも大切な翼としてたった1機でがんばっている「天草エアライン」のみぞか号。「みぞか」は天草弁で「かわいい」という意味だそうです。手作りの機内誌や座席のヘッドレストカバーにも、社員さんたちの愛を感じました。取り組みに興味をもった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。