ONE COMPATHが運営する「Shufoo!」は11月14日、「ブラックフライデー」に関する意識調査の結果を発表した。Shufoo!利用者調査は2024年10月25日~10月30日、15,823名を対象に。ブラックフライデー施策企業調査は2024年10月25日~10月31日、全国の29社を対象に、どちらもインターネットで行われた。
「ブラックフライデー」認知度、初の8割超え
ブラックフライデーとは、アメリカ合衆国の感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日に行われる大規模なセールイベントのこと。2024年は11月29日になるが、日本では11月23日の勤労感謝の日前後に実施されることが多いようだ。さらに最近では11月初旬から先行セールや事前予約、限定セールなどを実施する企業も増えてきた。
「ブラックフライデー」を知っているかどうかの質問に対して、83.7%の人が「知っている」と答えている。昨年(75.8%)から7.9ポイントアップした。なお、同社が2017年より毎年調査している中で初めて認知度が8割を超えた。
年代別に見ても、20代以上ではおよそ8割の人が認知しており、特に40代、50代ではそれぞれ86.0%、86.2%と高い認知度を示している。年末商戦の前哨戦として、11月の買い物イベントとして定着してきていることがわかる。
ブラックフライデー約半数が買い物意向あり
今年のブラックフライデーに買い物をしたいか意向を聞いたところ、およそ5割近く(47.2%)の人が「買い物をしたい」と答えている。こちらも昨年から3.5ポイントアップしている。前年と比較して確実に増加傾向にあることがわかる。
節約のため食料や日用品のほか、ファッションや家電など「自分へのご褒美」も
ブラックフライデーのセールで買い物をしたいと回答した人(n=7,472)に、購入予定の商品やサービスを聞いた。最も多い回答が「日常的な食料品」(70.5%)だった。3位は「日用品・衛生用品」(23.8%)だった。値上げが相次いでいる食品や日用品だが、購入した商品の用途3位にも「節約のためのまとめ買い」(19.3%)が入っているように、「米が高いので安くなっている時に購入したい」(40代女性)、「トイレットペーパーやキッチンペーパーなどのよく使う消耗品を買い置きしておきたい」(30代女性)などの声があった。
用途の2位には「自分へのご褒美」としてブラックフライデーを利用する消費者が約4割(37.6%)いた。「新しいダウンジャケットを購入予定」(60代男性)、「普段買わない美容機器を自分のご褒美に欲しい」(30代女性)など、特に「ファッション・衣料品関連」(38.0%)や「健康・美容関連」(9.3%)の商品が人気のようだ。
また、「ホタテや馬刺しなど普段は買わないが安くなっているときに買いたい」(20代女性)「高級なウィスキー、ワインなど」(60代女性)といった高級な食料品(10.7%)も人気だった。
4位は家電(18.0%)だった。「新しい電子レンジ」(40代男性)など、用途の6位「買い替え」(8.4%)にもあるように「家電製品が安くなっていたら買い替えを考えている」(60代女性)人もいた。
ブラックフライデーを生活費の節約手段として活用している人がいる一方で、ファッションや普段買えない食品、家電など、「自分へのご褒美」を購入する人も多いようだ。
「お得な商品をたくさん用意してほしい」ブラックフライデーに対する大きな期待
「ブラックフライデーセールに対する要望」も聞いてみたところ、「通常のセールよりさらにお得な商品をたくさん用意してもらいたい」(44.1%)が最も多い結果となった。昨年も同様の質問をしているが、36.5%(2位)から大幅アップしている。
次いで「実施店が増えて欲しい」(42.0%)、「普段購入できないものを、とにかく安く購入したい」(31.2%)が続く。「もっと多くの企業に参加してもらいたい」(24.9%)といった実施店や参加企業の増加を望む声も強いことから、生活者はブラックフライデーに対して大きな期待を寄せていることようだ。
予算のボリュームゾーンは1万円~3万円。昨年より購入予算が増加傾向
今年のブラックフライデーの購入予算を聞いた。「5千円~1万円未満」が28.4%と最も高く、次いで「1万円~3万円未満」が25.6%だった。昨年2023年と比較すると、「3千円未満」(13.6%)、「3千円~5千円未満」(17.4%)の割合がそれぞれ減少する一方、1万円以上(1万円~20万円未満)の割合が全体的に増えていることから、今年の購入予算は増加傾向にあることが伺える。物価高の影響を受けつつも、購買意欲が向上している様子が見て取れる。
ブラックフライデー施策「早期割引・先行セール」「ネット・店舗限定セール」が人気
各取り組みに参加したいか聞いたところ、ブラックフライデーの時期より前にセールを実施する「早期割引/先行セール」が80.0%、ブラックフライデーの時期より前に予約した人のみがお得に購入できる「事前予約/予約販売会」が56.5%、ネットもしくは店舗でのみセールを実施する「ネット限定/店舗限定セール」が73.1%といずれも高い意向を示している。「ネット等で事前に申し込みや抽選が出来るものは参加しやすい」(30代女性)という声がある一方で、「実際に店舗へ行って自分の目で確かめたい」(50代女性)という声もみられた。
実施企業は昨年より拡大、日取りもよく消費減退を回復する施策として期待
小売、サービス企業などに対して、「今年のブラックフライデーにおけるセールやイベントなどの集客施策」について聞いた。
実施する企業は24.1%と、4社に1社の割合で実施予定。今年は日取りも良く「昨年よりも12月に近く一般的な給料日後なので、より売上高への期待値が高い」(小売)という声もあり、「消費減退を回復する購買欲の向上と購買額のアップ」(商業施設)を期待する声もあった。