モーニング娘。卒業後、海外留学を経て昨年からソロでの活動をスタートさせている森戸知沙希。カントリー・ガールズ結成より10周年を迎える11月5日にデビュー10周年記念写真集『Co10r Moment(カラーモーメント)』(ワニブックス)を発売した。
約2年ぶりグループ卒業後としては初となる写真集は「これまでと心境が違った」と話す森戸に撮影秘話を語ってもらったほか、これまでの10年を振り返り、自身の変化や10年経った今だから明かせる裏話についても聞いていた。
モーニング娘。卒業後初めての写真集発売に「出せるの……?」
――デビュー10周年記念写真集が発売されました。
モーニング娘。卒業前に現役ラスト写真集を出したので、約2年ぶり。しかも、もう現役は卒業しているし、「出せるの……?」という驚きがまずありました。その後にファンの方に喜んでもらえるのかなという不安でドキドキとソワソワみたいな気持ちでいっぱいでした。
――やはり写真集を発売するということはモーニング娘。現役時代とは違ったまた感覚なのでしょうか?
心境は違いました。それこそモーニング娘。の時は他にも写真集を出しているメンバーが近くにいて、それを見ていたりしていたので、正直そこまで驚くことはなかったんですが、今回は卒業しているということもあって、すごくびっくりしました。
――久しぶりの写真集に向けて準備したことはありましたか?
本当に申し訳ないと思うんですけど、私はジムとか行くような人間じゃなくて……(笑)。ただ、海外に行っているときにいっぱい食べていたので、そこから戻すことはすごく意識していました。写真集が決まってからは、なるべくヘルシーな食生活をするようにして、野菜をいっぱい食べたりとか、歩くのが好きなので歩く距離を増やしたりとか。効果があったのかはわからないですが、ちょっとだけの意識でやりました(笑)。
写真集では初の海外ロケでタイへ
――日々意識的に管理しているからこそ、直前でやらなくても大丈夫ということですよね。また、今回は意外にも海外での写真集撮影は初めてだったそうで。
タイに行きました。タイはずっと行ってみたい国の1つでもあったので、今回行けると決まったときから嬉しかったです。実際に行ってみても、タイ料理もおいしかったですし、町の人とかもすごく優しかった。マーケットや観光地にも行ったんですが、とてもにぎわっていて、楽しんで撮影できました。あとは海がどれくらいキレイなんだろうと期待して行ったんですけど、期待以上にキレイで本当に驚きました。砂が透けていて、すごく感動しました。
――国内と国外の写真集撮影で違いは感じましたか?
日本での撮影も、それこそ沖縄だったり普段自分が行かない場所で撮影するので、テンションが上がるんですけど、個人的に海外が好きということもあって、海外での撮影は今まで以上にテンション上がっていました。
――留学で培った英語力を活かせた場面はありましたか?
英語を勉強する前よりはしゃべれるんじゃないかと、私も自信を持って行ったんですけど、現地の方も英語をあまり話せなくて、あまりコミュニケーションがうまくいかなかったです(笑)。もっとグローバルにほかの言語も勉強したいなと思いました。
――撮影での印象的な出来事はありますか?
水上マーケットで撮影をしていたんですが、私だけが船に乗ってる状態で撮影することになったんです。スタッフさんも遠いところに行って、船には私と漕いでくださる現地の方だけで。ただ、撮影ポイントに全然行くことができなくて、いつまで経ってもスタッフさんたちと会えない時間が30分ぐらいありました。水上で迷子みたいになってしまって、英語も通じなかったので、どうなっているか状況もつかめず、アタフタしました。ソワソワしながら周りを見ていたんですけど、現地の人と観光客しかいないので、助けを呼ぶこともできずで(笑)。でも、最後の方は船の上で景色がコロコロ変わるので、それを楽しんでいました。
デビュー当時14歳からの変化は“人見知り”「誰とも話すことができなかった」
――今回の写真集はデビュー10周年記念ということで、デビュー当時の14歳の頃と比べていちばん変わった部分を教えてください。
一番変わったのは、人とおしゃべりができるようになったところです。私は人見知りが本当に強すぎて誰とも話すことができなかったんですけど。ついに10年かけて人と話すことができるようになって、本当に良かったって思います……(笑)。それこそ当時のマネージャーさんが今でもいるんですけど、14歳の頃は本当に話せなかったから、今の成長を見てびっくりしてるんじゃないかなと思います。
――いわゆる“コミュ力”が上がったと。人見知りは活動を経て徐々に改善されてきたんでしょうか?
一番変わったのは20歳を超えてから。自分の年齢の変化とともに変わったかなと思います。それに加えて、コロナ禍もあってメンバーと会う機会が少なくなったときに、今までの生活が当たり前じゃないと気付いたんです。もっといっぱいいろんな人と話した方が楽しめるなと気づいて、そこをきっかけに人とちゃんと話そうと思うようになりました。
――なるほど。逆に変わらない部分はありますか?
話せるようになったけど、話が上手ではないところ!(笑)。あとはすぐに忘れちゃうところ。これは10年間、変わってないなと思います(笑)。
――忘れ物が多いというよりは話したことを忘れてしまうタイプですか?
そうです! たとえば観たドラマとかの内容とか……あと思い出とかも忘れちゃうので、それは本当に直したいんです……今後の目標です! 友達からも「もう忘れちゃったの!?」「あの時、ああだったじゃん!」とか、めちゃくちゃ言われます。一緒に思い出を共有できないってすごく悲しませてしまっていると思うので、忘れずに思い出をキープしたい。
勢いで決めた留学がターニングポイントに
――そんな忘れっぽい森戸さんに、この10年を振り返っていただきたいのですが、一番のターニングポイントになった出来事を教えてください。
やっぱり留学したことです。お仕事の面だったら違うかもしれないですが、自分の10年で言えば、留学したことで世界が変わった気がしました。不安な部分しかない状態で留学をしたんですが、自分の中で海外好き、英語を学びたいという理由だけで「どうにかなるでしょう!」と思えた自分を褒めたいです(笑)。
――きっかけは勢いだったんですね。留学前後で自身に変化はありましたか?
うるさくなったとよく言われます(笑)。でも私はいい意味で捉えていて、それこそ人見知りで話せなかったときより、うるさくても話せる方がいいと思うので、おもしろいかどうかは別にして良かったと思っています。
――また、デビューして10年経った今だからこそ話せる裏話があれば教えてください。
モーニング娘。に加入したときに、いろんな方から「本当に短期間でたくさんの曲を覚えてすごいね」と言われていたんですけど、覚えられてなかったので、「言わないで」とずっと思っていて(笑)。覚えました! と胸を張って言えなかったです……。
(すごいと言われても)当時から「がんばりました!」とは返してなかったんですが、先輩方も言ってくださっていたので「そうじゃないのにな……」と思いながら笑ってごまかしていました(笑)。
10年後の理想像は大先輩・安倍なつみ「美しすぎて口が塞がらなかった」
――膨大な量の曲とダンスを一気に覚えるのは本当に大変ですよね。そういったグループでの活動を経て、現在はソロとして活動して約1年が経ちました。
慣れたかと言われたら、まだ慣れてはいないです。グループのときは誰かが助けてくれたり、フォローしてくれたりしていたけど、今は全部自分でやらなきゃいけないし、全てが自分の責任になってくる。そういうところは大変だなと思っているんですが、その分しっかりしようと思う機会もたくさんあるので、成長はできるかなと思っています。
――先ほどはこれまでの10年についてお話ししていただきましたが、最後にこの先の10年。10年後の自分について聞かせてください。
10年後についてあまり考えたくない!(笑)。老けないでいたいのと、元気で幸せでいたい! あとはもう少し精神的にも余裕のある素敵な女性になりたいですね。
――イメージしている理想像はありますか?
安倍なつみさんとコンサートでご一緒してさせてもらったときに、近くで安倍さんを拝見したんです。もう美しすぎて口が塞がらなかったので、私も安倍さんのように外見も心も美しい状態でいたいなと。あと高橋愛さんも! 高橋さんはファッションのお仕事をされていたり、多方面でとても活躍されている方なので、私もそういう風に幅広く活躍できる人になりたいです。
■森戸知沙希
2000年2月19日生まれ、栃木県出身。2014年11月5日、カントリー・ガールズの新メンバーに選出され、ハロー! プロジェクトへ加入。2022年6月にモーニング娘。を卒業し、語学留学へ。ハワイ・ニュージーランド・カナダに留学後、2023年に帰国し、日本での活動を再開した。デビュー10周年記念写真集『Co10r Moment(カラーモーメント)』(ワニブックス)を11月5日に発売する。