西山さんは、2001年にアドビシステムズ株式会社(現:アドビ株式会社)マーケティング本部に入社。製品担当やAdobe Creative Cloudのマーケティング担当を経て、2017年6月に営業部に異動し、営業戦略部(現:DX 推進本部)の立ち上げに携わります。現在はアドビの直販ビジネスおよび販売戦略立案の責任者として、アドビのDX製品をフル活用してeコマース事業の推進に努めています。
◆コンテンツの真偽を見極めるための施策
アドビがおこなった調査によると、近年急速に進化し注目を集める“生成AI”の台頭によって「オンライン上のコンテンツの真偽を見極めるのが難しくなった」と感じている人が87%いたそう。さらには、その対策を求めている人も多いとのこと。
そこでアドビは、自社の生成AI「Adobe Firefly」に“来歴情報”を付与。これにより“どこで誰が作ったのか”“途中でどんな加工がされたのか”なども分かるようになっています。
さらに、西川さんは「つい先日、アドビからコンテンツクレデンシャル(来歴情報)が確認できるWebアプリ『Adobe Content Authenticity』の無料パブリックベータ版の提供を開始しました。対応しているアプリケーションもいっぱいあって、それこそ『Adobe Photoshop』だったり、Microsoft(マイクロソフト)さんのMicrosoft PowerPointなども、情報が入っていれば画像を貼り付けると情報が確認できます」と説明します。
◆“生成AIに相談してみる”のが最初の一歩
続いて、西山さんは“生成AIのメリット”について、「生成AIの何が良いかというと、例えば、反復作業などの“(人が)やりたくない仕事”を劇的に減らせることが何よりも大きいですし、“苦手な分野を補完してもらう”という部分でも役立つと思います。実際に私は、ビジネスの企画書を書く際、いろいろと仮説を立てて、それを裏付けるデータを何時間もかけて調べるので、その準備に時間を要しますが、生成AIを使えば、簡単に自分の仮説が証明できます」と語ります。
そして、「自分が苦手なところを確実にカバーしてくれるので、やりたいことやゴールが明確にわかっていて、問題解決したい事柄がクリアになっている人ほど生成AIの利便性をフル活用できると思います」とキッパリ。
ここで笹川が「“これから生成AIを使ってみたい”という方は、まずどうやって使うのがいいですか?」と質問。これに西山さんは、写真の加工など簡単な作業から入りつつ、「例えば、アイディエーション(アイデア出し)に取り組むときに、自分1人だけで考えているとどうしても煮詰まってしまうので、思いついたことを生成AIにどんどん投げてみる。すると、予想外の反応が返ってきてアイデアが膨らむ、という効果もあります。とにかく“話し相手としていろいろ相談してみる”のが最初の一歩になると思います」と答えます。
◆生成AIの今後の展望
最後に、生成AIの今後の展望について伺うと、「生成AIは日進月歩で進化していますので、来年になると、また想像もつかないようなことが起こっている可能性は十分にありえますし、(それと同時に)さまざまな懸念事項がクリアになっていくべきだと思います」と力を込めます。
さらには「生成AIによって多くの方々の生産性が高まり、フェイク情報もすぐに判断できるようになっていき、生活に馴染んでいる状態になることは間違いないと思っています。作り手の負荷が下がり、受け手にとっては自分に関係性の高いものが届くので、より良い世界になっているはず」と期待を込めます。
そして、現代においても生成AIがビジネス面で広く活用されていることを受け、「テクノロジーが良いことに使われることで、我々にとってやらなくてもいい仕事が減り、質を高めるべきところに時間と手間、それぞれの知力を注ぎ込める。それが本当の意味での(生成AIの)恩恵だと思います」と話していました。
次回11月16日(土)の放送は、NPO法人CIO Lounge理事長 矢島孝應さん(やじま・たかお)をゲストに迎えてお届けします。サポート企業のさまざまなケーススタディなど貴重な話が聴けるかも!?
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/