11月14日、分散型のソーシャルネットワーク・サービス「Bluesky」の24時間あたりの新規登録数が初めて100万人を超え、ユーザー数が1,600万人を突破した。Blueskyのユーザー数は8月後半以降、劇的な増加を続けており、米大統領選挙の投票日(11月5日)前の週に増加ペースがさらに加速していた。

3カ月前に600万人だったユーザーは10月に1,100万人に達し、さらにひと月後に1,500万人を突破した。2〜3カ月でユーザー数が倍増するハイペースな成長を続けている。

米大統領選挙後は、米国・カナダ、英国での加入が増加している。差別や陰謀論といった不穏なコンテンツの増加を理由に、The Atlanticのチャーリー・ウォーゼル氏やThe New York Timesのマーラ・ゲイ氏など、著名なジャーナリストが活動の場をX(旧Twitter)からBlueskyに移している。選挙後の政治的分断や不安を煽るコンテンツの拡散により、ジャーナリストや公共の議論を重視するユーザーが分散型ソーシャルネットワークに移行する傾向が鮮明になってきた。

  • 2週間で1日あたりフォロー数が20倍以上に

一方、ユーザー規模の面では依然としてXやMetaの「Threads」との差は大きい。 11月3日に、Instagramの責任者アダム・モッセーリ氏がThreadsの月間アクティブユーザーが2億7,500万人に達したことを明らかにしている。Threadsも大統領選挙前後にユーザーを増やしており、11月だけで1,500万人以上の新規登録を獲得している。

BlueskyのCEOであるジェイ・グラバー氏は、ソーシャルメディア・ネットワークの規模の大きさがリーチに影響することを認めつつも、エンゲージメント・レベル(投稿に対するユーザーの反応や関与の度合いを示す指標)にも注目する必要があると指摘している。

ソーシャルメディアにおけるエンゲージメント・レベルの高さは、ユーザーがコンテンツやサービスに強い関心を持ち、積極的に関わっていることを意味する。グラバー氏によれば、多くのソーシャルメディアでは、「閲覧のみのユーザー、コメント投稿者、投稿者」の比率が「90:9:1」であるのに対し、Blueskyでは投稿者の割合が30%を上回り続けているという。

大気科学者のアンドリュー・デスラー氏がXとBlueskyに同じ投稿を行い、コメント、リポスト、いいねの数を集計して比較した。同氏のXのフォロワーが39,000人、Blueskyのフォロワーは7,000人であり、一人あたりのエンゲージメントはBlueskyの方が10倍以上高かった。

他のBlueskyユーザーのエンゲージメントに関するコメントについても、Blueskyのエンジニアがブログで紹介している。