老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、65歳からの年金受給の手続きについてです。
◆Q:今年65歳になります。年金受給の手続きはいつ行けばいいですか? 最初の年金を受け取れるのはいつごろ?
「今年65歳になります。年金を受給しようと思いますが、手続きはいつ行けばよいのでしょうか。誕生日は11月2日です。また、手続きしてから最初の年金を受け取れるのはいつごろですか」(年金楽しみさん)
◆A:誕生日前日である11月1日から年金請求の手続きをすることができます。手続きがスムーズに進めば、翌年2月15日に初回の年金を受給できるでしょう
相談者「年金楽しみ」さんが、厚生年金期間が1年未満で国民年金加入期間と合わせて年金の受給資格期間を満たす人であれば、老齢年金は65歳から請求できます。
年金請求の手続き方法ですが、日本年金機構から誕生月の2~3カ月ほど前に、緑色の封筒に入った年金請求書の一式が郵送で届きます。誕生日の前日11月1日から手続きをすることができます。手続きは年金事務所または街角年金センターで行いましょう。「年金ダイヤル」で予約の上、訪問しましょう。
もし、「年金楽しみ」さんに厚生年金の加入期間が1年以上あり、すでに「特別支給の老齢厚生年金」を受給しているのなら、65歳になる少し前に「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」のハガキが住民票にある住所に届きます。このハガキに名前や住所を記載の上、誕生月である11月中に返送すると、65歳から老齢年金(老齢厚生年金、老齢基礎年金)の受給ができます。
いつ最初の年金を受け取れるのか、についてですが、老齢年金は原則として誕生月の翌月分からもらえます。「年金楽しみ」さんが、65歳になるのは11月ですから、12月分から年金がもらえるということになります。
年金の支給日は、偶数月の15日(土日祝日の場合は、その前日)。年金支給日に前月、前々月2カ月分が振り込みされます。11月に入ってから早めに請求手続きを行い、スムーズに進めば、「年金楽しみ」さんが65歳に到達した翌月の12月分と1月分の年金を、翌年の2月15日に受給できるでしょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
文=拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)