JR東海は、走行している列車の車輪形状を自動で測定する「車輪形状測定装置」を開発し、新幹線と在来線電車で順次導入すると発表した。新幹線での運用開始は2025年度中、在来線電車での運用開始は2026年度以降を予定している。
列車の車輪は走行を重ねることで摩耗し、徐々に形状が変化することで乗り心地にも影響する。そのた、現在は一定の期間・距離ごとにすべての車輪を削正(レールとの接触面を削る)し、適切な形状に戻しているという。
JR東海は今回、走行している列車の車輪形状を自動で測定する「車輪形状測定装置」を開発。新幹線と在来線電車に導入することで、各車輪の摩耗状態に応じて適切なタイミングで車輪削正を行い、乗り心地の維持・向上に加え、低コスト化も図るとしている。
この装置は、車輪検知器、レーザー発光器、高速度カメラ、速度検知器等の測定装置に加え、測定装置の制御と撮影した画像の解析を行う制御装置から構成される。通過する列車の編成番号と車輪の位置を識別して自動でデータを取得でき、列車通過速度80km/hまで対応可能という国内初の技術を搭載している。コンパクトな構成で耐候性と防塵性を有する構造にしたことにより、本線等の屋外環境でも設置できるという。
導入効果として、新幹線・在来線電車ともに車輪形状を高い頻度で把握できるため、適切なタイミングで車輪削正ができ、乗り心地の維持・向上が期待できる。削正頻度が高い在来線電車において、車輪削正の頻度を減少できるため、車輪の寿命を延伸でき、低コスト化も実現するとしている。