南海電気鉄道は13日、南海線の列車運行ダイヤを2024年12月21日に改正すると発表した。難波~関西空港間の特急「ラピート」のうち、停車駅の多い「ラピートβ」の一部列車を停車駅の少ない「ラピートα」に変更。空港急行は6両編成の一部列車を8両編成に増車する。

  • 難波~関西空港間で運転される特急「ラピート」

今回のダイヤ改正は南海線(南海本線、空港線、多奈川線、和歌山港線、加太線)を中心に実施。中でも空港線は外国人観光客を中心に鉄道需要が増加しており、2024年度上期(2024年4~9月)は過去最高の輸送人員になったという。難波~関西空港間の特急「ラピート」も、2024年4~9月の輸送人員は合計197万1,903人(1カ月あたり平均約32万8,650人)だったとのこと。2025年4月に大阪・関西万博が開幕することを受けて、今後も需要のさらなる増加が見込まれている。

特急「ラピート」は現在、大半の列車を「ラピートβ」(難波~関西空港間で途中の新今宮駅、天下茶屋駅、堺駅、岸和田駅、泉佐野駅、りんくうタウン駅に停車)として運転。ダイヤ改正を行う12月21日以降、運行本数は現行通り(平日・土休日ともに上下計66本)とした上で、「ラピートβ」の一部列車を「ラピートα」(「ラピートβ」停車駅のうち堺駅と岸和田駅を通過)に変更する。停車駅を少なくすることにより、利用者が最も多い「難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅⇔関西空港駅間」の特急券を購入しやすくするとともに、空港アクセスの速達性・利便性向上を図るとしている。

ダイヤ改正後、「ラピートα」の運転本数は平日・土休日共通で下り15本(平日11本増、土休日15本増)・上り16本(平日・土休日ともに9本増)に。下りは難波駅を6~9時台に発車する列車をすべて「ラピートα」とし、10時台以降の日中時間帯は「ラピートα」「ラピートβ」を毎時1本ずつ運転するダイヤに変更する。難波駅を16時30分以降に発車する列車はすべて「ラピートβ」となる。上りは関西空港駅を11~19時台に発車する列車において、「ラピートα」「ラピートβ」を毎時1本ずつ運転するダイヤに変更。関西空港駅を6~10時台に発車する列車はすべて「ラピートβ」、20時台以降に発車する列車はすべて「ラピートα」となる。

  • ダイヤ改正に合わせ、6両編成で運転される空港急行の一部列車を8両編成に増車する

同じく難波~関西空港間で運転される空港急行は、平日に下り2本・上り1本を増便(22~23時台に下り・上り各1本増便。午前の区間急行1本を空港急行に置換え)し、土休日も下り1本を増便(朝の区間急行1本を空港急行に置換え)。平日の空港急行を上下計131本(下り64本・上り67本)、土休日の空港急行を上下計129本(下り64本・上り65本)に増やす。

あわせて6両編成から8両編成への増車も行い、平日の131本中118本(下り58本・上り60本。上下各9本増)、土休日の129本中113本(下り56本・上り57本。上下各8本増)を8両編成で運転。空港アクセスの利便性向上に加え、車内の混雑緩和を図り、より快適な車内環境の提供に努める。

その他にも、ダイヤ改正に合わせて一部列車の行先変更(運転区間延長・短縮など)、発着番線の変更など行う。加太線で平日朝に増便、平日夜間と土休日朝に減便も予定している。