女性は男性よりも給与水準が低い傾向にあります。独身の場合、定年退職時までに老後資金を準備しようと思っても十分にできないこともあるでしょう。また、年収が少なければ、原則65歳からもらう公的年金も低くなりがちです。
このような経済的な不安を抱えたまま退職して、1人で過ごす時間が長くなれば孤独を強く感じるようになるのではないでしょうか。
とかく高齢になり体力が落ちてくると「介護が必要になったら?」「認知症になったら?」などと考えがちで、友人や兄弟が配偶者や子ども、孫といる姿を見ると、うらやましいと思う気持ちも湧き上がってくるかもしれません。
とはいえ、時間やお金を自由に使える、しがらみなく自由に付き合う相手を選べるなど、「おひとりさま」ならではのメリットも多く享受してきたわけですから「孤独・寂しい……」などを感じないようにしたいものです。今回は、そのためにできる対策を3つご紹介します。
◆対策1:健康維持のため働けるうちは働く
定年退職まで、思うように老後資金が準備できなかったとしても、働くことができれば収入が増えます。原則65歳以上になったときに受け取る年金とあわせて、どのくらいの収入があれば、経済的な不安を感じずに生活できるのか考えておくとよいでしょう。
働けるうちは働いて収入を得るという目標を持つことで、若いうちから健康に気を配るようになるはずです。職場の人とのコミュニケーションや会話があることで、孤独感がやわらぐこともあるでしょう。
また、自分の体力や健康状態をよく知ることにもなり、老後の自分自身に合った働き方をより明確に考えることにつながるでしょう。
◆対策2:兄弟姉妹や地域の人と交流する
独身者は1人の時間の過ごし方に長けている方が多いですが、高齢になれば、体力などが衰え、「1人で生活する自信がない」と感じることも増えていくのではないでしょうか。
同じ独身の友人との付き合いは、独身ならではの不安や悩みを共有できるので、互いに助け合えるかもしれません。ただ、それだけを頼っていても、老人ホームに入ることになったり、病気になったりして事情が変われば交流そのものが減ってしまうでしょう。
そうならないためにも、兄弟姉妹や親戚縁者、近所の人々など幅広い人との交わりを持つようにしましょう。
交流というと密な関係性をイメージするかもしれませんが、顔を合わせたときの挨拶、簡単な立ち話をする、ちょっとした用事を頼んだり頼まれたりするぐらいで十分です。
軽い付き合いでも習慣的な関係性であれば、イザというときに頼れる人がいると感じられ安心できるでしょう。
◆対策3:生きがいになる趣味を持っておく
独身女性が生きがい、やりがいのモトとなる趣味を持つことは大切です。今まで、やりたいと思ってきたことがあれば、チャレンジしましょう。
50~60代から新しいことを始めるのは、記憶力や体力の低下もありなかなか大変で、好きなことでも思うように上達しないこともあるでしょう。ただ、「継続は力」といいます。
たとえば、手芸が好きという人は、真摯(しんし)に取り組むことで将来、教室を持ったり、作品を販売したりすることができるかもしれません。また、楽器演奏が好きという人であれば、上達して発表会に出られるかもしれません。
自分の努力の成果を披露して、周囲に認めてもらうことはとてもうれしいこと。生きがいになる趣味は、良い人間関係を作る潤滑油となるでしょう。
以上、独身の女性が孤独感を感じないための対策3つを解説しました。まずは近所の顔見知りの人に挨拶をきちんとするなど、気軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)