ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話を伺う企画「#お仕事図鑑」。
今回は「電通」で、企業のミッションやビジョンづくり、新規事業の企画・実行に向けた支援を担当する先輩社会人、佐々木 学さんにインタビュー。データを活用したマーケティング領域のキャリアを経て、現在はさまざまな企業の変革支援に携わる佐々木さんに、日々の仕事内容やプロジェクトの進め方、電通ならではの強みなどについて詳しくお話を伺いました!!
デジタル時代における企業のビジネス変革をサポート
――まずは簡単に自己紹介をお願いします。
佐々木学と申します。現在、電通に入社して11年目になります。これまで主にビジネスデザイン・マーケティング関連の仕事をしてきました。当初はデータを使ったマーケティングの分野に特化していましたが、現在は企業のビジネス変革をサポートするBX(ビジネス トランスフォーメーション)に関する仕事をしています。
ーー電通に入社した理由を教えてください。
夏のサマーインターンに参加したことが大きな転機となりました。電通といえば広告会社というイメージが強かったのですが、インターンで出会った社員の方々が、広告以外にもさまざまな経営者の方々と新しいビジョンを作ったり、新しいサービスや商品を開発する活動をしたりしていることを知り、魅力を感じて、志望するに至りました。
ーー入社してからの経歴について、詳しく教えてください。
入社当初はマーケティング領域でキャリアをスタートしました。当時は広告を含めて、クライアントの新商品や既存商品をどう販売していくかについての戦略を考えることが主な業務でした。世の中ではデータを活用したマーケティングが増え始めた時期で、データ分析を通じて「なぜこの商品は売れていないのか」を解明し、その課題を解決するための施策を設計していました。その後、デジタルに特化したグループ会社である電通デジタルに出向する機会もありました。
現在は、社内公募を利用してBX(ビジネス トランスフォーメーション)の領域に移り、さまざまな企業の変革に携わっています。具体的には、経営や事業の責任者の方々と共に事業の方向性を議論し、新しい商品やサービスの企画から実行支援までを行っています。
ーー現在担当されているBX(ビジネス トランスフォーメーション)のお仕事内容について教えてください。
現在の仕事では、まず経営や事業の責任者の方々と密にコミュニケーションをとることが非常に重要です。経営陣だけでなく、現場で働く方々も含め、多くの関係者に集まっていただき、今の事業や会社の課題について議論する場を設けています。立場を超えた意見交換を行い、それらを構造化しまとめることで、会社全体で現状の課題や将来的なビジョンについて共通認識を持つことを目指しています。
その後、設定した目標に基づいて、具体的にどのような商品やサービスが必要なのかをアイデアとして出し合います。さらに、それらのアイデアを実現可能かどうかテストし、実行に移すための計画を立てます。デジタル技術の導入もその一環で、例えば新しいアプリの開発やオンライン販売のシステム構築など、さまざまなデジタルソリューションを提供しています。これにより、企業がデジタル時代に適応し、競争力を維持するための支援を行っています。
ーー目標設定や課題の特定において、データをどのように活用しているのか教えてください。
データを活用することは非常に重要ですが、それだけで正解を導き出すことは難しいと考えています。そのため、最初の段階では、経営者や現場社員の方々の声をじっくりと聞くことを重視しています。その中で、デザインやビジュアライズなどのクリエイティブなアプローチを加えながら、企業の未来像を描いていくというプロセスです。
データは主に、その未来像を実現するための具体的な施策を検討する際に活用しています。例えば、新しいサービスの事業性を定量化したり、マーケティング施策の精度を向上させたりするために使いますね。
「右脳と左脳の両方を使う」電通らしさ
ーー佐々木さんが考える“電通らしさ”とは何だと思いますか?
主に2つあると考えています。 1つ目は「右脳と左脳の両方を使うこと」です。データやロジックに基づく分析を行う「左脳的なアプローチ」と、クリエイティブな発想を重視する「右脳的なアプローチ」が融合していることが強みです。 また、2つ目は、「越境していく力」です。電通では部署の枠を超えた議論が頻繁に行われます。これにより、幅広い知見やアイデアを結集し、実行に移すことができる点も電通らしいと思います。真摯に粘り強く伴走する姿勢は、電通のカルチャーを象徴していますね。
ーー特に印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
特に印象深かったのは、ある企業と協力してゼロから食品ブランドを立ち上げたプロジェクトです。ブランド名や世界観の設定から始まり、商品企画や店舗の設計まで、すべてのステップに関わりました。全く新しいものを世の中に生み出す経験は、非常に刺激的で、楽しいプロジェクトでした。特に、店舗の出店場所やデザイン、そして顧客の体験設計まで携われたことは思い出深いですね。
常に新しい視点で!好奇心を持ち続ける
ーー仕事をする際に大切にしていることがあれば教えてください。
私が普段意識していることは、常に新しい視点で物事を捉えることです。電通の仕事は多岐にわたり、毎回異なるプロジェクトに取り組むため、新しい知識やスキルを求められることが多いです。そのため、普段の生活でも常に好奇心を持ち、そこで感じた違和感や新しい発見を大切にしています。プライベートでも興味を持った場所やサービスを積極的に訪問・体験し、それを仕事に生かすことを心がけています。
ーー将来の目標や、今後挑戦してみたいことは何ですか?
将来的には、データを活用したデジタルサービスの構想から開発までを手掛けたいと考えています。特に製造業などの企業に対して、デジタル技術を活用した新しいサービスを提供することにチャレンジしたいです。具体的には、アプリの開発やオンライン販売システムの構築などを通じて、デジタルとリアルの融合を図りたいと考えています。
デジタル技術を活用する際には、ただ機能的な面だけでなく、人間らしさを重視することが大切だと思います。例えば、接客スタッフが使いやすいシステムや、人間の感性に訴えるデジタル体験を提供することで、リアルな体験を補完し、より豊かな顧客体験を提供することができます。デジタルとリアルの両方をバランスよく取り入れた提案を、今後も行っていきたいです。
ーー電通で働く上で必要なスキルや資格について教えてください。
細かい業務スキルは後からでも身につきますが、電通で働く上で最も重要なのは、新しい発想や取り組みを行おうとするマインドだと思います。世の中の常識にとらわれず、俯瞰的な視点で物事を考え、変革をもたらす意欲を持つことが大切です。
ーー最後に、大学生に向けてのメッセージをお願いします。
電通には本当にさまざまな仕事があり、多岐にわたる分野で活躍の場があります。自分が今やっていることが将来どう役立つか分からなくても、経験を積み重ねていくことで必ず役立つときが来ると思います。自分の専門分野を深めつつ、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢が大切です。これからも、好奇心を持ち続け、失敗を恐れずに進んでいってください!
マイナビ『学生の窓口』
-いろんな仕事をのぞき見!「お仕事図鑑」 -
イベント情報はこちら
取材:秋保 柚月(ガクラボメンバー)
執筆:田中 妃音(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:電通
※本稿はマイナビ『学生の窓口』の過去の記事を転載したものです