転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」は、「はたらく現場での疑問」を収集する「Job weeQ」を実施し、社会人男女を対象に「職場の暗黙ルール」に関するインターネット調査を行うとともに、Q&Aを募集した。調査対象となったのは、全国の現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者男女20~50代で、投稿件数は805件となった。なお、調査期間は2024年10月16日~10月31日であった。
納得いかない職場の暗黙ルールの有無を聞くと、「ある派」が88.0%、「ない派」が12.0%であった。
納得いかない職場の暗黙ルールの内容を聞くと、「上司の言うことが正しい」が 40.2%で最も多く、次いで「新人が〇〇をして当たり前」が29.5%、「休日でも連絡を返す」が28.7%となった。
共感した疑問を聞くと、「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」が40.2%で最も多く、次いで「新人は定時より早めに出勤すること」が20.5%、「土日出社が出世や昇給に影響すること」が19.7%、「仕事ができない上司のせいで残業が増え注意されること」が19.7%となった。
【1位は “上司に意見が言えないこと”】
今回実施した「ob weeQ」では、「上司の考えに意見が言えない雰囲気があること」の疑問が最も注目を集めるQ&Aとなり、合計155件の回答が集まった。この疑問に対する回答の傾向は、大きく「上司に従う」「上司の考えの背景を知る」「上司を尊重し誠実に意見を伝える」「周囲の意見を知る」の4つに分類された。
意見を言えない雰囲気に対する賛否はあるものの、上司は会社の意思決定に基づいてチームに指示を出している可能性や、”上司・部下”という関係性を崩してしまうデメリットもあるとのことから、「上司に従う」声が顕著にみられたとのこと。
過去のJob総研の調査結果では、上司の9割が部下への忖度経験があり、部下の理想像では「自身の考えや提案を積極的に伝える」が上位回答として挙がっているが、”上司・部下”という立場上、令和の時代においても部下が上司の意向に沿う構造を覆す難易度は高いと考えられるという。
その上で上司に伝えたい意見がある場合、上司の考え=会社の考えである可能性を頭に入れつつ、根拠のある意見を持っていく必要性が現場の声からも挙がっているそう。一方上司側は、部下が「上司に意見を伝えづらい」と考えている可能性を加味して、「話しやすい雰囲気作り」を心掛けるなど、上司部下共に歩み寄りのコミュニケーションの必要性が見える結果となった。
ユーザーからは、「上司の判断に従います。失敗しても責任は当該上司がとることになるでしょうし、部下である自分には判断の権限がないからです。」「1人で上司に対抗するのはストレスフルだろうから、周りに相談することが重要だと思う。とりわけ他部署の上司への相談は有効だと思う。上司同士のやり取りで事態が打開できる可能性があるかもしれない。」などのコメントが寄せられた。
【2位は”新人は早めに出勤すること”】
また、2位には、「新人は定時より早めに出勤すること」の疑問が注目を集め、合計150件の回答が集まった。この疑問に対する回答の傾向は、大きく「暗黙ルールに従う派」と「ギリギリで問題ない派」に二分される結果となった。
過去のJob総研の調査結果では、部下のビジネスマナーを気にするものの、指摘しない派が8割いることがわかっているという。職場の暗黙ルールや雰囲気に疑問を持つことができるのは、新人ならではの視点であることも考えられるが、「暗黙ルールに従う派」からは、周囲からの印象を守るために新人のうちは極力従っておくのが良いと言う意見が顕著に見受けられたとのこと。一方「ギリギリでも問題ない派」は、迷惑をかけなければギリギリでも問題ない、ただ、社会人としては早めの行動が得策だという意見が多くみられたそう。
最近は、これまでの職場文化や慣習が見直される風潮もあり、ハラスメントや多様性の観点から若手層の意見も尊重されやすい雰囲気も出てきているという。しかし、職場にはさまざまな属性の人がはたらいていることもあり、すべての意見が受け入れられる訳ではないため、今後も各立場を理解した言動が求められる可能性が見える調査結果となった。
ユーザーからは、「ルール的にはギリギリでもいいと思いますが、よほどバリューを出していない限りは不要なところで反感買うのももったいないと思って新人の頃は少し早く行ってました。」「ギリギリでも問題ないと思います。メンタル強く持ってそういうキャラづけしてしまえば意外と不評を買わないんじゃないでしょうか。」などのコメントが寄せられた。