ジョーカーは、DCコミックスの「バットマン」シリーズに登場するスーパーヴィランです。バットマンの最大の宿敵であり、複雑な性格と深い闇を持つキャラクターとして知られています。これまで数々の俳優たちがジョーカーを演じ、各々の演技で独特のジョーカー像を確立し、観客の記憶に深く残るジョーカー像を作り上げてきました。
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本記事では、映画作品でジョーカーを演じた歴代俳優を紹介。作品ごとに、俳優たちが作り上げたジョーカー像やビジュアルの特徴をあわせて紹介します
歴代の「ジョーカー」俳優一覧
これまでに実写映画でジョーカーを演じた俳優は4人います。ここからは歴代のジョーカー役の俳優と、その俳優が演じたジョーカーの特徴を紹介していきます。あわせて、マイナビニュース会員が選んだそれぞれのジョーカーの魅力もまとめました。
初代ジョーカー:ジャック・ニコルソン
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登場作品:『バットマン』(1989年)
ジャック・ニコルソンは1989年の『バットマン』でジョーカー(ジャック・ネイピア)を演じました。ダークでありながらもコミカルな狂気が際立ち、彼ならではのカリスマ性が表れたキャラクターとして表現されています。彼が演じたジョーカーは、犯罪の楽しみや自己中心的な欲望に忠実で、その姿勢が視聴者に恐怖と魅力を同時に感じさせました。
バットマンとの戦いで化学薬品のタンクに落ちた彼は、その影響により、漂白されたような白い肌で、常に引きつった笑顔を浮かべるようになりました。オレンジのシャツに紫のジャケット姿で、つばの広い紫のフェドーラ帽をかぶっています。
名優として知られるジャック・ニコルソンは、1958年に映画『The Cry Baby Killer』でデビューしました。1969年の『イージー・ライダー』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされて以降、現在では3つのオスカーを手にしているハリウッドを代表する実力派俳優です。1980年の『シャイニング』など、圧倒的な存在感と演技力で、観客に強烈な印象を与えています。
ジャック・ニコルソン扮するジョーカーの魅力
・「奇妙な立ち回りとユーモアがある」(62歳男性)
・「バットマンのライバルとして際立っており、物語を面白くしている」(52歳男性)
・「素顔はいい顔の俳優ではありますが、劇中での不気味な演出力、コメディ的なシーン、謎深いキャラクターがいいと思います。ホラー的な部分も多いが、セクシーな男であると思います。各関連作品を見ましたが、一番引き込まれたと思う」(36歳男性)
・「圧倒的な存在感と不気味感」(60歳女性)
・「狂気を感じさせる演技がよい」(65歳男性)
・「喋り方が特徴的で、テンションの高さと低さの揺れ幅が大きい」(42歳男性)
・「狂気のカリスマな感じが強いから」(53歳男性)
・「狂気に満ちた悪役にもかかわらず、どこか憂いが漂っている演技がニコルソンらしい」(66歳男性)
ジャック・ニコルソンの主な出演作 | 『カッコーの巣の上で』(1975年)/『愛と追憶の日々』(1983年)/『恋愛小説家』(1997年)/『ディパーテッド』(2006年)など |
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2代目ジョーカー:ヒース・レジャー
登場作品:『ダークナイト』(2008年)
2008年の映画『ダークナイト』では、ヒース・レジャーがジョーカーを演じました。彼が演じたジョーカーの特徴として、混沌を愛し、目的のためならば手段を選ばない異常なまでの冷酷さとカリスマ性があげられます。映画の中での彼の言葉「Why so serious?」は、観客の心に恐怖とともに深く刻まれたことでしょう。
このジョーカー役に打ち込んでいたヒース・レジャーが、本作撮影終了直後に急性薬物中毒で事故死したことで、彼の演技は映画史に残る伝説的なものとなりました。
この作品のジョーカーは、白くメイクアップした顔に色あせた緑の髪色で、紫のフロックコートを身につけています。そのメイクが崩れていき、髪も乱れた姿は、まさにジョーカーの狂気を感じさせました。
オーストラリア出身のヒース・レジャーは演技に対する真摯な姿勢と高い演技力で知られた俳優です。2005年の『ブロークバック・マウンテン』ではアカデミー主演男優賞にノミネートされ、高い評価を受けました。その後、『ダークナイト』ではジョーカー役でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
ヒース・レジャー扮するジョーカーの魅力
・「ヒースレジャーの顔の作りがすごくて恐怖。演技も悪に徹していてすごみがあった」(45歳男性)
・「このジョーカーはかっこいいから好き」(41歳男性)
・「頭のおかしいジョーカーという役をしっかりと演じきった」(44歳男性)
・「怖さの中に引き込まれる魅力がある」(35歳男性)
・「一番怖く感じました。もう見られません」(71歳男性)
・「他の作品に比べ恐怖の表現が突出していたと感じます。圧倒的な強さと恐怖、相手を威圧する姿、言葉の一つ一つをとっても、無敵さを感じさせる演技だったと思います。彼の不審な最後からしても、この役にハマり、精神的にも最後はジョーカー自身となっていたのかもしれないと感じています。映像で描かれた中でも唯一無二のサイコパスを演じた俳優です」(62歳男性)
・「おそろしい感じもありながら、何かもの悲しげな感じもうまく表現されているような気がする」(45歳男性)
ヒース・レジャーの主な出演作 | 『ROCK YOU!』(2001年)/『サハラに舞う羽根』(2002年)/『ブロークバック・マウンテン』(2005年)/『Dr.パルナサスの鏡』(2009年)など |
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3代目ジョーカー:ジャレッド・レト
登場作品:『スーサイド・スクワッド』(2016年)
ジャレッド・レトが演じたジョーカーは2016年公開の映画『スーサイド・スクワッド』で登場し、極めて現代的でスタイリッシュな悪役として描かれました。本作のジョーカーは史上最強の悪役集団の一員であり、ハーレイ・クインの恋人であるサイコパスの殺人者という役柄です。
このジョーカーは斬新なビジュアルが特徴です。オールバックになでつけた鮮やかな緑の髪、全身タトゥーで銀に輝く歯という、他作品でのジョーカーのイメージとは違う存在感を放っています。
ジャレッド・レトは俳優としてだけでなく、ミュージシャンとしても活躍する多才な人物です。没入型の役作りをする俳優としても知られており、アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ダラス・バイヤーズクラブ』では、10kg以上の減量をしてトランスジェンダー女性を演じました。
ジャレッド・レト扮するジョーカーの魅力
・「とても演技力があっていい」(39歳男性)
ジャレッド・レトの主な出演作 | 『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年)/『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013年)/『ブレードランナー 2049』(2017年)/『モービウス』(2022年)など |
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4代目ジョーカー:ホアキン・フェニックス
登場作品:『ジョーカー』(2019年) / 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024年)
2019年の映画『ジョーカー』、そしてその続編となる2024年の映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』では、ホアキン・フェニックスが新たなジョーカー像を打ち立てました。彼が演じるアーサー・フレックは、派遣ピエロとして働きながら、心の病を抱えた母と暮らす、いわゆる社会的弱者です。社会から疎外されたこの孤独なアーサーという男がだんだんと狂気に落ちていき、社会の敵・ジョーカーとして覚醒する姿は、現代社会に強烈なメッセージを投げかけています。
この作品のジョーカーは、白塗りの顔に両目の上下に青い三角形、口角の上がった大きな口という、ピエロのメイクを施しています。鮮やかな赤のスーツでダンスを踊る姿は、観客に強いインパクトを与えました。
ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスは高い演技力と役作りへの情熱で知られています。2000年の『グラディエーター』や2005年の『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、2012年の『ザ・マスター』でアカデミー賞にノミネートされ、2019年に『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。プロデューサーとしても活躍しており、野心的・実験的な映画も多く製作しています。
ホアキン・フェニックス扮するジョーカーの魅力
・「ジョーカーの狂気と悲哀がよく表現されている」(64歳男性)
・「狂気を感じさせる演技が圧巻だった」(51歳男性)
・「きっかけがあるにせよ、普通の男性が壊れていく様の演技に鳥肌と言うか、凶器を感じました」(62歳男性)
・「心の奥に潜む葛藤、凶悪性が見事に描かれている」(48歳男性)
・「『ジョーカー』とは何かを一番理解している演じ方だと思う」(41歳男性)
ホアキン・フェニックスの主な出演作 | 『グラディエーター』(2001年)/『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005年)/『her/世界でひとつの彼女』(2014年)/『ナポレオン』(2023年)など |
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歴代ジョーカーの人気ランキング
マイナビニュース会員に「最も好きな歴代のジョーカー俳優」をテーマにアンケートを実施したところ、結果は以下のようになりました。
1位:ジャック・ニコルソン(50.3%)
2位:ヒース・レジャー(23.4%)
3位:ホアキン・フェニックス(21.1%)
4位:ジャレッド・レト(1.7%)
初代の映画版「ジョーカー」を演じたジャック・ニコルソンが過半数の支持を得て圧倒的な人気ナンバーワンとなりました。ヒース・レジャーがその後に続き、僅差でホアキン・フェニックスが3位にランクインしています。
歴代の「ジョーカー俳優」が人気な理由
バットマンの天敵として君臨するジョーカーは、DCコミックスにおいて1940年代から活躍するスーパーヴィランです。ゆがんだサイコパス、奇妙なイタズラ好き、コメディアンなど、コミックス時代からさまざまな顔を持つ彼は、もともと多面的な魅力を備えていました。
俳優たちは、そんなジョーカーというキャラクターに独自の解釈で命を吹き込み、それぞれに観客に強烈な印象を残しました。深い狂気や社会への怒り、孤独感といった彼の内面をそれぞれに表現し、単なる悪役ではない複雑なキャラクターとしてジョーカーの魅力をより強めました。
各俳優がもたらした個性が、ジョーカーというキャラクターにさらなる深みを与えたことで、ジョーカーというスーパーヴィランがさらなる魅力を放つようになったのです。この点こそが、ジョーカー歴代俳優が映画ファンから長く支持され続けている理由と言えるでしょう。
歴代の「ジョーカー俳優」を紹介しました
ジョーカーを演じた歴代俳優たちは、異なる時代や視点でキャラクターに命を吹き込み、多くの人々に深い印象を与えてきました。それぞれのジョーカーには独自の魅力があり、映画ファンにとっても忘れられない存在です。
ジョーカーというキャラクターの多様性を知ることで、彼がなぜ人々に愛され続けるのか、その理由が見えてきたのではないでしょうか。今後も新たなジョーカーが登場することを期待しつつ、歴代の名演を振り返ってみてはいかがでしょう。
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