秋深まる11月11日、まさにこの時季に飲みたい新作紅茶が発表された。
紅茶飲料売上本数No.1ブランド「キリン 午後の紅茶」から、12月3日に「キリン 午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」が期間限定で発売される。それに先だち、先日キリンビバレッジで新商品体験会が行われた。
体験会ではブランド担当者と開発担当者が新商品に込めた思いを語るとともに、新作紅茶と食事のペアリングを提案。紅茶の新たな可能性を提示した。
■午後の紅茶の新フルーツティーが誕生
1986年の誕生以来、“紅茶の幸せを届ける”ブランドとして日本の紅茶市場を牽引してきた「キリン 午後の紅茶」。今年7年ぶりにフルリニューアルした「午後の紅茶 ストレートティー/ミルクティー/レモンティー」をはじめ、人気商品を数多く発売してきた。
そんな「キリン 午後の紅茶」が現在注力するのが“フルーツティー”である。2017年から2023年にかけて、フルーツティーの市場は約2倍に成長しており、今後も拡大が見込まれている。
「キリン 午後の紅茶」では、市場拡大以前より紙パックでフルーツティーを展開してきたほか、2021年より「午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」を4年連続で販売。
今年7月にはすっきりとした甘さが魅力のティースパークリング「午後の紅茶 Sparkling ライチスカッシュ」、10月にはジューシーな甘さと酸味の果汁感とアールグレイの華やかな香りが抜ける「午後の紅茶 FRUITS ADE すっきり柑橘とアールグレイ」も発売している。
体験会に登場したキリンビバレッジ マーケティング部 ブランド担当 主務の大竹野晋平さんは、フルーツティーの市場拡大の背景について「甘いものを日常的に楽しみたいという人にとって、今『紅茶×フルーツ』の飲料が好まれていると思う。ビジネスシーンでも大人が飲みやすいため、選択肢として受け入れられてきている」と説明。
また、近年の市場動向について、「食料品を購入する際に国産品かどうかを気にする人は69.7%に及び、53.1%の人が割高でも国産品を選ぶと回答している。ただ国内の食料自給率を見ると下がる一方にある」と指摘。
「『キリン 午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT』は国産素材に携わるコミュニティの方々とともに、紅茶の価値を届けたいという想いから生まれた新シリーズ。国産素材と日本のものづくりの工夫や知恵に着目して紅茶の魅力を引き出すとともに、このシリーズで改めて国産素材の良さと紅茶の美味しさを知ってもらいたい」と誕生のきっかけを語った。
キリンビバレッジ 商品開発研究所 飲料開発担当 鈴木梢さんは、商品開発の目線から「キリン 午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」の魅力を解説する。
「まずこだわったのは国産素材を用いること。豊かなコクのある香りが特徴の鹿児島県産紅茶葉を全茶葉のうち15%使用するとともに、みずみずしく上品な甘さの長野県産ぶどう『ナガノパープル』を使い、すっきりとした飲みやすいフルーツティーを完成させた」
日本茶に用いられる「火入れ製法」を採用したことにも触れ、「通常より弱い火入れをすることで華やかな香りと茶葉のコクを引き出すことにもこだわった」と説明。「華やかで爽やかな山椒の隠し香を入れたのもポイント。山椒はピリッとした風味の印象が強いが、実は柑橘のようなフルーティーな香りもある。ナガノパープルのフレッシュな果肉感を表現したいと考えて山椒を取り入れた」と新商品に込めた思いを強く語った。
また、「キリン 午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」を皮切りに、来年以降も継続して新商品の展開予定があることも発表した。
体験会では「キリン 午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」と食事のペアリングも紹介。
鈴木さんは「コクのある香りが特徴的な今回の紅茶には、みたらし団子のタレが焼けたような香ばしさと甘さが合うと思う。意外性があるものでは、生姜焼きとのペアリングもおすすめしたい。生姜と山椒は相性がいいうえに、油っぽい味付けの料理を紅茶がすっきり流してくれる」と提案しつつ、「甘さがありながら飲みやすいので、食事との相性がいいはず。ぜひ試していただきたい」と締めくくった。