パナソニックは、今年のエアコン冷暖房利用に関するインターネット調査(協力:ジャストシステム)を実施した。調査期間は2024年10月21日~10月28日で、調査対象はエアコンを所有している全国の20~60代の男女538名(男性:257名、女性:281名)であった。

  • パナソニック「エオリア」調べ

例年に比べ、今年のエアコン冷房利用期間を長いと感じるかを聞いたところ、「とても長い」(47%)、「やや長い」(34%)となり、81%が今年のエアコン冷房の利用期間を長いと感じていることがわかった。

実際に、エアコン冷房を最後に使用したタイミングは、「10月上旬」が最多の24%、「9月下旬」が22%、10月下旬時点で「まだ使用している」が18%となっている。

今年のエアコン冷房シーズン中、エアコンの風からイヤなニオイを感じた経験はあるかを聞いたところ、「頻繁にある」(11%)、「たまにある」(38%)と、49%がイヤなニオイを感じたと回答した。

イヤなニオイの原因の一つは、エアコン内部に発生するカビであるという。実際に、今年のエアコン冷房シーズン中、またはシーズン終了後にエアコン内部にカビが生えたかを聞いたところ、「多く生えた」(6%)、「やや生えた」(19%)と、25%がエアコン内部のカビを確認したことがわかった。

一方で、33%が「お手入れをしていないのでわからない」と回答し、お手入れせずに放置している現状が浮き彫りになったとのこと。

カビが発生したと回答した人に、今年の冷房シーズンのカビは例年より多いと感じるかを聞いたところ、「強く感じる」(17%)、「やや感じる」(56%)と、73%が例年よりカビが多いと感じていることがうかがえる。

今年すでにエアコン暖房利用を開始した人に、利用開始前のエアコン手入れの有無について聞いたところ、35%が「行わなかった」と回答しており、冷房で蓄積された汚れをそのままに暖房利用を開始していることがわかった。

パナソニックは、エオリア アプリに接続したエオリアユーザーの利用データをもとに、今シーズンの「エアコン暖房利用率ランキング」を作成。今シーズン既に一度でも利用したユーザーの割合を表すエアコン暖房累計利用率を算出し、全国47都道府県で比較した。

スーパー残暑ともいえる暖冬の影響を受けて、今シーズンのエアコン暖房利用率は47都道府県すべてで平年を下回り、今は全国的に暖房の利用開始が遅れていることがわかった。

10月末時点で最も暖房利用率が高いのは、1位「青森県」、2位「秋田県」、3位「北海道」、4位「岩手県」、5位「山形県」と続き、上位4地域では暖房利用率が50%を超える結果となった。

また、平年差に注目すると、最も利用開始が遅れているのは1位「福井県」(17.8%)、2位「石川県」(17.3%)であった。北陸地方のこれらの地域は、平年より20%近く利用率が減少しており、暖冬がエアコン利用に最も影響を与えている地域といえそうだという。

一方で、エアコン冷房率については、10月の当日利用率(全国平均)を見ると、31日間すべてで平年を上回る利用率となった。例年、10月中旬以降は冷房利用率が10%未満となることが一般的であるが、今年は利用率20%以上を記録する日も多く、異例の高さとなっているとのこと。

アンケート調査でも今年はエアコン冷房利用期間が長いと感じている方が多いことがわかったが、ユーザーデータからも異例の残暑によりエアコン冷房利用が長期化していると言えそうだという。

このように、使い方に変化がみられるエアコンの手入れのコツを、パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が解説する。

エアコンは、表面上きれいに見えていても、フィルターなどの部品にはホコリが溜まりやすく、普段から蓄積されていくという。そして、掃除しないまま起動させると、溜まったホコリが室内に舞ってしまうとのこと。また、ホコリをそのままにしておくとカビ発生の原因になるという。

特に注意したいのは夏の冷房運転。カビが好む環境は、温度20~30℃、湿度60%以上といわれており、特に湿度60%以上では湿度が上がるほどカビが発生しやすくなる。そのため、冷房運転後のエアコン内部に発生した結露はカビの育成を助けることになってしまい、自動乾燥機能がないエアコンの場合は、内部のカビに注意が必要とのこと。今年は暑さのピークを迎える8月に降水量が増え、湿度が高まったことから、例年以上にエアコンにカビが生えやすかった夏といえそうだという。

一方で、パナソニックが9月に行った調査では、今夏、お手入れをまったくしていない“ほったらかしエアコン”は43%であり、今夏のエアコン稼働終わりにお手入れ予定がないと答えたのは44%であった。このように、エアコンのお手入れが行き届いていない人が多いのが現状であるとのこと。

また、冷房稼働後の秋にエアコンお手入れを考えている人も注意が必要だという。今年はスーパー残暑の影響もあり、冷房稼働が長期化していることから、エアコンの稼働を一区切りつけるタイミングを失い、お手入れを逃している人も多いことがうかがえる。しかし、アコンフィルターを1年間掃除しない場合とした場合で比べると、しない場合は暖房時に約25%もムダな電力を消費してしまうという結果もあるという。また、冷房時も風量や冷え方が弱くなってしまい、金額にして年間1万円以上も電気代がムダになってしまうというデータがあるとのこと。

シーズン前のエアコンの手入れ方法として、次の手順で行うと良いという。

パネルを清潔な雑巾で拭き、フィルターについたホコリを掃除機で吸い込む。本体内部を内部クリーン運転を行い(内部クリーン機能付きの場合)、ルーバーを柔らかい布で乾拭きする。本体の汚れがひどい場合は、水かぬるま湯を含ませた布を絞って拭く。最後にきちんとエアコンが動くかどうか確認する。

エアコンには室外機(室外ユニット)と呼ばれる機械が設置されている。室外機に汚れが溜まってしまうと、排熱がスムーズにいかずに無駄な電気を消費してしまったり、過負荷がかかり突然故障してしまう、といったことにもつながるという。1シーズンに1回、室外機の状態の確認をおすすめするとのこと。

手入れ方法として、水で濡らした雑巾を使って、丁寧に汚れを拭き取ると良いとのこと。室外機は屋外に置くことを前提にしているので、水拭きをしても性能に支障はきたさないという。ただ、ホースなどで強く水をかけるのは厳禁であるそう。室外機の周囲20㎝以内には物を置かないようにして、枯葉や砂などを取り除くことも忘れずに。

また、裏側にある「フィン」と呼ばれる金具は、ホコリが溜まりやすいパーツであるという。強くこすって歪ませてしまうと故障や破損に繋がるため、ブラシで優しくこすっても汚れが取れない場合は、専門業者に掃除を依頼することが推奨されるとのこと。