株主優待が人気の企業は、権利確定日に向けて優待目的の買いが入りやすくなります。早いうちに株主優待銘柄に注目することで、値上がり益を得ることが期待できるでしょう。今回は、今のうちに買っておきたい12月の優待銘柄をご紹介します。

◆12月におすすめの株主優待銘柄

注目度の高い人気の優待銘柄は、権利確定日が近づくにつれて株価が上昇していく傾向があります。好優待銘柄を先回りして購入しておくことで、値上がりが期待できるといえるでしょう。今回は、今のうちに買っておきたい12月の優待銘柄をご紹介します。

◆今のうちに買いたい12月の優待銘柄その1:サッポロホールディングス<2501>

【業務内容】国内外で酒類・食品飲料の製造販売、不動産事業(国内のみ)を展開

【単元株数】100株

【最低購入金額】73万2500円(2024年10月18日時点)

【権利確定日】12月末日

【優待内容】自社商品詰め合わせセット(ビール・飲料水等)

◆100株以上200株未満

【3年未満保有株主】……(1)~(3)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×4本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(1000円相当)

(3)社会貢献活動への寄付(1000円相当)

【3年以上保有株主】……(1)~(4)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×6本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(1500円相当)

(3)サッポログループネットショップ限定ECクーポン(1500円相当)

(4)社会貢献活動への寄付(1000円相当)

◆200株以上1000株未満

【3年未満保有株主】……(1)~(3)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×8本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(2000円相当)

(3)社会貢献活動への寄付(2000円相当)

【3年以上保有株主】……(1)~(4)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×12本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(3000円相当)

(3)サッポログループネットショップ限定ECクーポン(3000円相当)

(4)社会貢献活動への寄付(2000円相当)

◆1000株以上

【3年未満保有株主】……(1)~(3)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×12本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(3000円相当)

(3)社会貢献活動への寄付(3000円相当)

【3年以上保有株主】……(1)~(4)の中から、いずれか1点

(1)ビール詰め合わせセット(350ml缶×20本)

(2)食品・飲料水詰め合わせセット(4500円相当)

(3)サッポログループネットショップ限定ECクーポン(4500円相当)

(4)社会貢献活動への寄付(3000円相当)

上記とは別に

◆200株以上

サッポロライオンチェーン等の優待券5枚

サッポロホールディングス<2501>の優待は、自社製品であるビール、食品・飲料水などの詰め合わせ、子会社でも使える割引券などもあり、魅力的な優待内容といえるでしょう。優待権利確定日に近づくほど投資家の注目を浴び、買いが入りやすい傾向といえます。

では、同社株を今のうちに購入した場合、どのようなパフォーマンスになるか検証してみましょう。今回は、同社株を10月末に購入し、12月末の権利確定日前に売却した場合の検証を行います。この検証のとおりに売買をすると、株主優待は取れませんが、売買益のパフォーマンスの大きさを確認できます。

◇検証結果

システムトレードの達人

勝率:78.26%

勝ち数:18回

負け数:5回

引き分け数:1回

平均損益(円):13,193円

平均損益(率):6.60%

平均利益(円):20,990円

平均利益(率):10.50%

平均損失(円):-12,237円

平均損失(率):-6.12%

合計損益(円):316,637円

合計損益(率):158.32%

合計利益(円):377,823円

合計利益(率):188.92%

合計損失(円):-61,186円

合計損失(率):-30.59%

PF(プロフィット・ファクター):6.175

平均保持日数:49.96日

検証結果を見てみると、勝率は78.26%、1トレード当たりの平均損益(率)は6.60%です。勝率が高く、平均損益もプラスとなっていることから、株価の値上がりが期待できる銘柄といえるでしょう。

◆今のうちに買いたい12月の優待銘柄その2:キリンホールディングス<2503>

【業務内容】酒類・飲料の製造販売

【単元株数】100株

【最低購入金額】22万100円(2024年10月18日時点)

【権利確定日】12月末日

【優待内容】

①優待品

②プレミアム優待(特別な商品や割引サービスなどを抽選にて提供予定)

※①②ともに、具体的な内容については2025年3月頃案内予定

◆100株以上1000株未満

【1年以上3年未満保有株主】……①500円相当

【3年以上保有株主】……①2000円相当+②

◆1000株以上3000株未満

【1年以上3年未満保有株主】……①1000円相当

【3年以上保有株主】……①4000円相当+②

◆3000株以上

【3年以上保有株主】……①6000円相当+②

※2024年12月末日の基準日において、継続保有期間が1年未満であっても、2024年1月~2024年9月末の期間に100株以上購入した株主に限り、1年間継続保有しているとみなし、新制度の優待品が提供される

※2024年12月末日の基準日において、継続保有期間が1年以上3年未満の株主には、新制度への移行経過期間を設け、継続保有期間が3年に達するまで(最長2025年12月末日まで)、現行制度に基づく優待品が提供される

キリンホールディングス<2503>は2024年12月期より、株式優待制度を一新します。具体的な優待の内容は2025年3月頃に発表予定ですが、自社製品であるビールや飲料水、食事券など、魅力的な優待内容が予想されます。優待権利確定日に近づくほど投資家の注目を浴び、買いが入りやすい傾向にあります。

では、同社株を今のうちに購入した場合、どのようなパフォーマンスになるか検証してみましょう。今回は、同社株を10月末に購入し、12月末の権利確定日前に売却した場合の検証を行います。この検証のとおりに売買をすると、株主優待は取れませんが売買益のパフォーマンスの大きさを確認できます。

◇検証結果

システムトレードの達人

勝率:62.50%

勝ち数:15回

負け数:9回

引き分け数:0回

平均損益(円):3,601円

平均損益(率):1.80%

平均利益(円):14,276円

平均利益(率):7.14%

平均損失(円):-14,192円

平均損失(率):-7.10%

合計損益(円):86,418円

合計損益(率):43.21%

合計利益(円):214,145円

合計利益(率):107.08%

合計損失(円):-127,727円

合計損失(率):-63.87%

PF(プロフィット・ファクター):1.677

平均保持日数:49.96日

検証結果を見てみると、勝率は62.50%、1トレード当たりの平均損益(率)は1.80%です。勝率が高く平均損益もプラスとなっていることから、株価の値上がりが期待できる銘柄といえるでしょう。

12月は、優待権利が確定する銘柄が180銘柄近くあります。一年の中でも、3月、9月に続いて3番目に多い月です。注目度の高い人気の優待銘柄は、権利確定日が近づくにつれて株価が上昇していく傾向にあります。

権利確定日直前にあわてて購入すると、高値づかみして、不用意な損失を被る場合もあります。早いうちに好優待銘柄に先回りしておくことで、お得に優待銘柄を獲得できるでしょう。

今回の検証は、あくまでも過去の株価データを用いた検証であり、未来の結果を保証するものではありません。しかし、株の売買を行うに際して、今回のように簡単な検証することで、どの程度リターンを期待でき、どの程度リスクがあるのか事前に把握できます。

検証を行ってから投資すれば、きっと安心感が違うことでしょう。皆さんも投資する際には一度検証してみてくださいね。

(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)

文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。

文=西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)