oricon MEは11月1日、中学受験を目的とした塾についての満足度調査の結果を発表した。調査は2024年4月2日~6月24日/2023年4月11日~6月28日/2022年4月22日~7月25日、小学生・中学生の保護者10,458人および137社を対象に行われた。
「中学受験 塾」(集団塾) 首都圏は「啓明館」が2年連続の総合1位
5,607人が回答した首都圏では、「啓明館」が2年連続の総合1位を獲得した。評価項目別では、全9項目中「成績向上・結果」「適切な人数・クラス」「講師」「カリキュラムの充実さ」「通いやすさ・治安」「スタッフ」の6項目で1位を獲得した。保護者からは、「少人数で良かった。先生との距離が近い(40代・女性)」、「授業が楽しいので、塾に行くことが日課になっていた。先生のサポートも、親の質問などにも丁寧に対応してくれたのですごく良かったです。安心して任せることができました(40代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
総合2位には「SAPIX小学部」がランクイン。評価項目別では、「適切な受講費用」「カリキュラムの充実さ」「情報提供」の3項目で1位を獲得した。また、都道府県別「埼玉県」「東京都」部門では3年連続の1位を獲得した。とくに「埼玉県」では2位と2.8ptの差を付けて1位と、高い評価を得ている。保護者からは、「学力レベルの高いお子さんが集まっているので、その中で息子も競い合って伸びることができた(40代・女性)」、「情報量の多さと分析、コロナ禍においての独自の学校説明会は大いに助かった。教材の作り、学校ごとの試験傾向を踏まえた模擬試験がよくできていた(50代・女性)」などのクチコミが寄せられている。
総合5位の「栄光ゼミナール」は「教室・自習室」で4年連続の1位を獲得した。保護者からは、「教室がきれいで、講師も良い人が多い(40代・女性)」、「自習室があるだけではなく、質問できる講師がいつもいるので、学習中に生じた疑問をすぐに解決できる(40代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
都道府県別「千葉県」では「四谷大塚」が2年連続、「早稲田アカデミー」が初の1位を獲得し、「神奈川県」では「啓進塾」が3年連続の1位を獲得した。四谷大塚には、「先生が面白く、勉強が楽しかったと思うし、オンラインでの授業を視聴でき何度も見直せるのが良い(50代・女性)」といった声が、早稲田アカデミーには「子どもが通いたいと思うほど授業が楽しく、やる気を持ち上げて応援してくれた(40代・女性)」、啓進塾には「アットホームな雰囲気でストレスの少ない受験ができた。過去問対策も手厚く、感謝している(40代・女性)」といった声が保護者から挙がっている。
東海 「eisu」と「浜学園」が同点で総合1位
591人が回答した東海では、「eisu」と「浜学園」が同点で総合1位を獲得した。三重県津市に本社を置く「eisu」は4年連続5度目の総合1位を獲得した。評価項目別では、「成績向上・結果」「講師」「通いやすさ・治安」「情報提供」の4項目で1位を獲得した。保護者からは、「志望校に合格した。授業時間はとても長く感じましたが、子どもが楽しんで受講しており塾を気に入っていた。また、駅から近く通いやすかった(30代・女性)」、「カリキュラムや授業の内容などに安心感があった(40代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
「浜学園」は初の総合1位を獲得。前回は高評企業だったが、ランキング規定人数を満たし今回初の1位となった。(高評企業とは、規定人数の半数以上の回答があり、総合得点が60.0点以上の企業のこと) 評価項目別では、「適切な受講費用」「適切な人数・クラス」「カリキュラムの充実さ」「教室・自習室」「スタッフ」の5項目で1位を獲得した。都道府県別「愛知県」でも初の1位を獲得した。保護者からは、「テキストが見やすく、解説も分かりやすい。先生は子どもの興味をひくのが上手(40代・女性)」、「勉強ができる子が多く、切磋琢磨できる環境だった(40代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
また、総合ランキングで高評企業となった静岡県静岡市に本社を置く「秀英予備校」が都道府県別「静岡県」で1位を獲得した。保護者からは「過去の実績に基づく情報の多さは評価できる(50代・女性)」、「基礎学力が身につき、テストの成績が上がった(40代・男性)」との声が寄せられている。
近畿 兵庫県に本社を置く「希学園」が3年連続5度目の総合1位
2,117人が回答した近畿では、兵庫県西宮市に本社を置く「希学園」が3年連続5度目の総合1位を獲得した。評価項目別では、「成績向上・結果」「適切な受講費用」「適切な人数・クラス」「講師」「カリキュラムの充実さ」「教室・自習室」「通いやすさ・治安」「スタッフ」「情報提供」の全項目で1位を獲得した。保護者からは、「熱心な先生方のおかげで第一志望に合格することができた(50代・男性)」、「レベルがとても高い塾なので、本人も周りの刺激を受けながらいい勉強をしていると感じる(40代・女性)」などのクチコミが寄せられている。
総合2位には、京都府京都市に本社を置く「成基学園」が前回総合4位から順位を上げ、ランクイン。都道府県別「京都府」では3年連続の1位を獲得している。保護者からは「勉強習慣が身に付くようなカリキュラムや指導があった。親身になって生徒に寄り添ってくれる講師がいる(40代・男性)」、「子どもが楽しんで通塾していた。志望校に合格できた(40代・女性)」との声が寄せられている。
また、総合6位の「浜学園」が都道府県別「奈良県」で初の1位、総合ランキングで高評企業となった、兵庫県神戸市に本社を置く「創学アカデミー」が都道府県別「兵庫県」にて2年連続の1位を獲得した。創学アカデミーには、「自分で考えて勉強するようになった(40代・男性)」、「子どもが楽しんで塾に通えており、かけがえのない友達ができた(30代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
「中学受験 個別指導塾」首都圏 では「TOMAS」が4年連続で総合1位
802人が回答した首都圏では、「TOMAS」が4年連続で総合1位を獲得した。評価項目別では、全8項目中「成績向上・結果」「講師」「カリキュラムの充実さ」「教室・自習室」「スタッフ」「情報提供」の6項目で1位を獲得した。保護者からは「完全個別だったので子どもの志望校に合ったカリキュラムを組んでもらえた(40代・女性)」、「先生方がみんな熱心。子どもの個性に合わせて指導してくれる先生が多かった。試験前の面接なども、とても丁寧にしていただいた(40代・女性)」、「個別でただの丸つけや、分からないときは聞いてね、と放置して解かせるスタイルではなく、授業をしっかりしてくれる(40代・女性)」といったクチコミが寄せられている。
総合2位には「東京個別指導学院」がランクイン。「通いやすさ・治安」で4年連続1位を獲得した。保護者からは「通いやすく、休んだ時にオンラインに切り替えてくれるなどのフレキシブルさがとても助かりました。担任制なのも我が子にピッタリでした(50代・女性)」、「子どもの勉強の得手不得手を理解し、対応策を保護者と共有してくれるのが良い(60代以上・男性)」といったクチコミが寄せられている。
また、総合4位の「スクールIE」が"受講費用と効果のバランス"などを評価した「適切な受講費用」で3年ぶり2度目の1位となった。保護者からは「講師の方が子どもの特性をよく理解して、対応してくれた(40代・女性)」、「結果がきちんと出た。塾長が何事にもしっかり対応してくれた(40代・女性)」とのクチコミが寄せられている。
「公立中高一貫校対策 塾」(集団塾)首都圏は 「湘南ゼミナール」が2年連続の総合1位
1,341人が回答した首都圏では、「湘南ゼミナール」が2年連続の総合1位を獲得した。評価項目別では、全9項目中「成績向上・結果」「適切な受講費用」「講師」「カリキュラムの充実さ」「スタッフ」「情報提供」の6項目で1位を獲得している。保護者からは、「先生の面倒見がいい(40代・女性)」、「志望校に特化したカリキュラムがある(50代・男性)」、「子どもが楽しそうに勉強するようになった(40代・男性)」といったクチコミが寄せられている。
総合2位には、「栄光ゼミナール」がランクイン。評価項目別では、「成績向上・結果」「適切な人数・クラス」「教室・自習室」「通いやすさ・治安」「スタッフ」の5項目で1位を獲得した。また、都道府県別「東京都」では初の1位、「神奈川県」では2年連続の1位を獲得した。保護者からは、「先生が一人一人に最後まで真剣に向き合ってくれ、ここを特に力を入れて勉強すると良いなどのアドバイスをくださったのが良かった(40代・女性)」、「学習習慣が身につくようになった。成績を伸ばすことができ、本人に自信がついた(40代・男性)」といったクチコミが寄せられた。
総合ランキングで高評企業となった千葉県千葉市に本社を置く「京葉学院」は、都道府県別「千葉県」で6年連続の1位と、地場に根付いた高い評価を得ている。保護者からは、「志望校合格のためのコースのようなものがあり、専念できた(40代・女性)」、「先生が熱心なうえ、楽しく通塾できている(50代・女性)」とのクチコミが寄せられている。
首都圏私立・国立中学校の受験者総数(推定)
2024年3月に発表された首都圏模試センター「首都圏私立・国立中学校の受験者総数(推定)」によると、2024年の首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)中学入試の私立・国立中学校の入試受験者数は推定52,400人(前年比99.6%)入試受験率は最多の推定18.12%で同センターが受験率を発表開始した1986年以来、過去最高となった。この数は首都圏の小学生のおよそ4.7人に1人が中学校受験をしていることになる。
子どもが塾に通い始めた時期は?
中学受験を目的とした塾に子どもが通い始めた時期について調査した結果、「個別指導塾」と「公立中高一貫校対策の集団塾」では小学4年生で大きく増加し、小学5年生が40%超で最多。一方、中学受験向けの集団塾では、小学3年生からが23.1%と多く、小学4年生で38.0%と最多になり、比較的早期に通い始める傾向にあることがわかった。