三菱自動車工業がプラグインハイブリッド車(PHEV)の「アウトランダーPHEV」に大幅改良を実施して発売した。発表会には有名人が続々と登場。初代アウトランダーのCMにも出演していた江口洋介さんや柔道金メダリストの角田夏実さんらが駆け付けた。
改良なのに大々的! 発表会をレポート
アウトランダーは日本のPHEVの代表格だ。改良モデルの発売記念イベントはSUVらしく、東京青山の屋外広場で開催。スポーツチームのサポートも発表されるなど大掛かりなイベントだった。
EV(電気自動車)シフトが勢いを失いつつある中、世界的に注目されているのがPHEVだ。
そんな中、世界初のSUVタイプ4WDのPHEVとして2013年に発売となり、現在では同カテゴリーで世界No.1の販売台数となっているアウトランダーPHEVが大幅改良を実施した。
新型車の発表会というと、インドアのイベントホールなどで開催されるのが一般的だ。ところが今回は、東京港区南青山にある屋外広場で2部構成で行われた。夕方スタートということを含めて、異例のシチュエーションだった。
冒頭で挨拶に立った三菱自動車の加藤社長によると、アウトランダーPHEVはデビュー以来、世界で38万台、国内で約10万台を販売してきたという。EVの勢いがやや停滞する中で、PHEVへの要求が高まっていることにも言及した。
それを踏まえて今回の大幅改良では、従来はWLTCモードで87kmだったEV走行可能距離を100km超に延長。内外装や乗り心地などの上質感を高め、ヤマハと共同開発したオーディオシステムなどを投入した。
三菱自動車としては、この新型アウトランダーPHEVが象徴しているように、我慢いらずのエコドライブを実践できるアクティブ&カーボンニュートラルを推進していくと宣言した。
続いて説明に立った商品戦略本部の五味淳史チーフ・プロダクト・スペシャリストによれば、従来から走行性能に定評のあったアウトランダーPHEVは、輸入車のプレミアムブランドに乗る人たちの乗り換え需要も獲得していたとのこと。そんなユーザーたちからは「もう少し上質感があればいい」との声が上がっていたそうだ。そこで今回は、洗練と上質にこだわって改良を実施したという。
具体的には、外観ではグリル、ホイール、リアのウインカーやバックランプのLED化、新色の追加など、内装では12インチのセンターディスプレイ、ヤマハと共同開発した2種類のオーディオ、ベンチレーションシートの採用などを実施。加速やハンドリング、乗り心地などの内面も鍛え上げたとのことだった。
CMには初代以来となる江口洋介さんを起用!
加藤社長からは、ジャパンサイクルリーグが主催する各種レースやイベントの運営会社であるJCLとのパートナーシップ契約締結が発表された。ここではJCL代表取締役であり、サイクルロードレースのプロチーム「JCL TEAM UKYO」の代表を務める片山右京さんがチームに所属する小石祐馬選手とともに登壇。記念撮影に応じた。
片山さんのチームでは以前から、アウトランダーPHEVを使ってきたそうで、新型に試乗した感想としては「スゴいクルマになった」とコメントしていた。バッテリーの容量が増えると、普通は車両重量が増えて運動性能がスポイルされるのに、新型アウトランダーPHEVはサーキットでも安心して楽しめるとのこと。F1ドライバーとして活躍してきた方らしく、走りのレベルの高さが印象に残ったようだった。
発表会の第2部には三菱自動車の中村達夫代表執行役副社長が登壇。新型アウトランダーPHEVのCMに出演する俳優・歌手の江口洋介さんを紹介した。
ステージに上がった江口さんは、CMのメイキングエピソードを披露。ロケを行ったのは軽井沢だったそうだが、新型アウトランダーPHEVとともに過ごしていることが心地よく、ほとんどクルマの中にいたそうだ。心地よさの理由のひとつとしてヤマハのオーディオを挙げたのは、歌手という音に厳しい方の言葉だけに説得力があった。
実は江口さん、2005年に発表された初代アウトランダーのCMにも出演していた。イベントではそのCMも流された。ダイナミックな走りをアピールした映像で、江口さんはその頃を思い出しながら、新型はかなりラグジュアリーになったと述べた。
角田選手は新型アウトランダーPHEVを予約?
この日のイベントには、さらなるゲストがいた。柔道女子48㎏級日本代表でパリ五輪の日本チーム金メダル第1号となったことが記憶に新しい角田夏実さんだ。
角田さんは先代アウトランダーのガソリン車のオーナーだったそうで、新型も予約したという。東京~仙台間くらいなら自分で運転していくとのことで、新型でのドライブを楽しみにしている様子だった。
その後は江口さんと角田さんがそろって、新型アウトランダーPHEVをテーマにしたクイズに挑戦。問題はEV走行可能距離、ヤマハと共同開発したオーディオはどんな騒音環境を想定して開発したか、PHEVシステムの最高出力についての3問という難易度の高い内容だったが、江口さんは見事に航続距離を当てていた。
ちなみに、新型アウトランダーPHEVの最高出力は300ps。かつての「ランサーエボリューション」の280psを超えている。角田さんは、地方では山道を走ることもあるので、力の余裕はありがたいと話していた。
これまでも日本のPHEVを代表する車種と考える人が多かったアウトランダーPHEVだが、江口さんが出演するCM、片山さんのチームで使用されるサポートカーによって、さらに知名度を上げていきそうだ。