東京メトロは5日、有楽町線延伸(豊洲~住吉間)と南北線延伸(品川~白金高輪間)の工事に着手したと発表した。工事着手により、同社の「新線プロジェクト」がいよいよ本格的に始動したことになる。開業目標は2030年半ばを予定している。

  • 東京メトロが有楽町線延伸と南北線延伸の工事に着手したと発表

両路線の延伸については、国土交通大臣から2022年3月28日付で第一種鉄道事業許可を受けており、今年6月17日には東京都より両区間について都市計画決定が告示されていた。

有楽町線延伸は豊洲~東陽町~住吉間の4.8kmを計画しており、総建設費は約2,690億円。整備効果として、東京東部・北部および千葉方面と臨海副都心(国際競争力強化の拠点)間のアクセスや、観光拠点(豊洲市場・東京スカイツリーなど)とのアクセス利便性向上を見込んでいる。現在は約20分を要する豊洲~住吉間は、開業後、約9分に短縮される予定。東西線の混雑緩和への寄与も期待されており、木場駅から門前仲町駅までのピーク1時間あたり混雑率が約20%低減するとしている。

  • 有楽町線延伸(豊洲~住吉間)と南北線延伸(品川~白金高輪間)の事業計画位置

  • 有楽町線延伸の事業概要

  • 南北線延伸の事業概要

南北線延伸は品川~白金高輪間の2.5kmを計画しており、総建設費は約1,310億円。整備効果として、六本木・赤坂など都心部と、リニア中央新幹線の始発駅となる品川駅とのアクセスや、羽田空港および品川開発(国際競争力強化の拠点)とのアクセス利便性向上を見込んでいる。現在は約19分かかる品川~六本木一丁目間は、開業後に約9分に短縮される見込みとなっている。