行楽の秋が来た。どこに行こうかという方は、全国津々浦々の「聖地」に出向いてみてはどうだろう。

まずは「酒豪の聖地・高知」。

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言わずと知れた酒飲みの地だ。ここには独特の酒の楽しみ方がある。自分が飲んだ杯を一緒に飲む人に渡して飲ませる「返杯」。
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「♪ベロベロの神様は〜」と歌いながら、コマを回して出た大きさの杯で酒を飲む「べく杯」。
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たくさんの伏せた杯を一人ずつ返し、菊の花が出たら酒を飲む「菊の花」。
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ようするにたくさん飲ませる習慣と遊びがいっぱいで、ほんとうに高知の人たちはお酒が好きですねえ。

そして「コロッケの聖地・兵庫」。兵庫には神戸を中心にコロッケの専門店がいろいろある。神戸肉を使ったコロッケ店には行列ができている。

下町のコロッケ店には牛すじ肉を使ったコロッケがある。芦屋市のコロッケ店にはすき焼きコロッケが!おいしそう!しかも、兵庫のご家庭ではコロッケが堂々メインのおかずとして親しまれている。
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さらに、予約して何年待ちかでないと買えないコロッケもある。高砂市の旭屋ではA5ランクの神戸牛のみを使った「極みコロッケ」がネット予約で販売しているが、現在で38年待ちだという。
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そこまで待って食べたいけど、生きてるかな?

次は「三文字名字の聖地・鹿児島」。日本人の苗字は漢字二文字が多いが、鹿児島県はなぜか三文字の人が多い。

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鹿児島出身の女優、上白石萌音さんや広島カープの伝説の投手、北別府学さんも三文字だ。

取材すると、上山田、上堂園、上小鶴、など続々出てくる。中木原さんもいれば、上木原さんも下木原さんもいる。川原田さんもいれば川田原さんもいるのだ。

取材で出会った北別府さんに聞くと、曽於市には○別府さんがいろいろいるという。そこで曽於市に行って苗字に別府がつく人に集まってもらうと北別府さんに東別府さん、西別府さんがいたが、なぜか南別府さんはいなかった。そして驚いたことに上中別府さんも現れた!四文字苗字とは!
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鹿児島県の三文字名字、まだまだ奥が深そうだぞ。

さらに「栗だんごの聖地、宮城」。大崎市の鳴子温泉郷は鳴子こけしの町。ここでは25店舗で栗だんごが売られている。湯気の立つみたらしあんに栗がそのまま入っている。

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これはだんごなのか?冷めたらおいしさ3分の1なので、みなさん買ってすぐベンチに座って栗をほおぼっている。「紅葉や鳴子峡もいいけど、これダントツ!」と宮城県民はホクホク顔で言う。

まだまだあるぞ「俳句の聖地・愛媛」。俳人・正岡子規を生んだ松山市はまさに俳句の町。「学校の休みには必ず俳句が宿題になる」「県民みんなやってる趣味やから」とにかくこの町で暮らす人は「俳句に触れずには生きていけない」のだ。

商店街には垂れ幕に俳句が並び、市内に400基以上の句碑、俳句を投函できる俳句ポストが84基もある。

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さらに俳句甲子園が開催され、全国の高校生が句を競い合うという。俳句という日本文化を町ぐるみで大事にしているなんて素晴らしい!

最後は「津軽弁の聖地・青森」。「せばだばまいねびょん」をはじめ、最強のお国訛りは他県民にはまったく理解できない。その聖地ははたしてどこか?津軽地方は青森市も含むが、より津軽弁が強いのは弘前市。

だが弘前市で聞くと、もっと訛りが強いところはあるという。そこで津軽半島最北端の竜飛岬に行ってみたが意外にマイルド。青函トンネルの工事で全国から人々が集まったので共通語と交わったのだ。

情報収集を進めると、五所川原市の金木町が浮上した。行ってみると、出会ったおばさんの喋る言葉がまったくわからない。「までねくわしくしゃべねばまね」・・・はい?ここ日本ですよね?

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そこで金木町のいくつかの場所に定点カメラを仕掛けて人々のナチュラルな会話を録画し、東京都内で青森料理屋を営む津軽出身の姉妹に翻訳してもらった。

「かどさいぐどおもっちゃあどぉ=加藤さん行くと思ったのに」

「したばってさきだつものわすれて=だけどお金を忘れて」

「まんずみんなそいゅんたもんだねな=そうねみんなそういうものだよね」

「ふとついばふとつわすぃでや=1つ覚えれば1つ忘れて」

「こさおいででろたしかへだどおもったきゃなど=財布をここに置いてて確かに入れたと思ったんだけど」

「ここさおいででろ=財布をここに置いてたのよ」

翻訳なしではまったく理解できなかったが、他愛のない会話だった。

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各地の文化は奥が深い。この秋、あなたも聖地を巡ってみては?