年収が1000万円以上ある世帯は、どれくらい貯金しているのでしょうか? また、株や投資信託などのリスク資産がどれくらいあるかも気になるところです。
今回は、All Aboutの読者を対象に実施したアンケート調査(※)をもとに、年収1000万円以上の世帯の預貯金やリスク資産についてまとめてみました。
◆年収1000万円以上の世帯の貯金はいくら?
まずは、年収1000万円以上の世帯が、どれくらい貯金しているのかを見てみましょう。
普通預金や定期預金などの預貯金がいくらあるかという質問で、最も多かったのは「500万~1000万円未満」、「2000万~3000万円未満」の金額帯でした。
また預貯金額が500万円未満の人もいれば、1億円以上の人も一定数いることから、ひと口に「年収1000万円以上の世帯」といっても預貯金には大きくバラつきがあることがわかります。
◆年収1000万円以上の世帯のリスク資産はいくら?
次に預貯金とは別に、株や債券などで保有しているリスク資産についても見ていきましょう。
株や債券などのリスク資産がいくらあるかという質問で、最も多かったのは「500万~1000万円未満」、次に「5000万~1億円未満」でした。これらのリスク資産の内訳については、複数の資産に分けている人から、1つの資産に集中している人まで幅広く見られました。
◇リスク資産「500万~1000万円未満」世帯の内訳例
日本株:100万円、海外ETF:50万円、純金積立:50万円、投資信託:300万円(30代/男性/正社員)
日本株:200万円、米国株:250万円、国債:50万円(30代/女性/正社員)
日本株:400万円、投資信託:100万円、REIT:300万円(50代/男性/公務員)
不動産投資:600万円(60代/男性/会社経営者)
日本株:850万円(60代/男性/派遣・契約社員)
◇リスク資産「1億円以上」世帯の内訳例
投資信託:1億2500万円、日本株:60万円、米国株:600万円、不動産投資:1億円(40代/男性/医療従事者)
不動産:1.5億円、株と投資信託:6500万円(50代/女性/自営業)
株:4億円、不動産:2億円、絵画:3億円、その他:2億円(70代/男性/会社経営者)
日本株:6億円(60代/男性/無職)
日本株:1億円(50代/男性/正社員)
◆リスク資産以外に保有しておきたい貯金はいくら?
最後に、リスク資産以外に預貯金として最低限現金保有しておきたい金額はいくらかという質問の回答も紹介します。これは、冒頭で紹介した実際の預貯金と傾向が異なったのが印象的でした。
断トツで多かったのは「100万~500万円未満」でした。中には「0円でも問題ない」「100万円未満」という人もおり、年収に対して比較的低く考えられている印象でした。
最低限現金保有しておきたい預貯金の用途について、一部を紹介します。傾向としては、額面2500万円を境に違いが見られました。
◇最低限現金保有しておきたい金額が2500万円未満の人
当面の生活費として準備したいと考えている人や、子どもの教育費、老後資金として準備しているなど生活にかかるお金として考えている人が多い傾向でした。
「病気などで働けなくなった時につかう」(50代/女性/パートアルバイト)
「有事の際を鑑み一年分の生活費は手元に置いておきたいため」(30代/女性/正社員)
「一括支払いで学費等振り込む必要がある金額と生活費」(40代/女性/派遣・契約社員)
「何かあったときに1年~2年程度生活できる当座の資金として」(40代/男性/正社員)
「2人の娘の子供の学費を含めた教育費として保有している」(50代/男性/正社員)
「葬式費用」(60代/男性/会社経営者)
◇最低限現金保有しておきたい金額が2500万円以上の人
投資などリスク資産の備えとして考えている人や、保有する資産のバランスを考えている人が多い印象でした。
「運用目標額を決めており目標額を達成できそうな分のみを運用に回す考えです。株価下落時には預金資産を追加投入することで、早期にリカバリー目標達成できるため。上昇局面でも、下落して持ち直した局面でもいずれでも目標額を達成できるため」(40代/男性/正社員)
「減るリスクを回避するため」(40代/女性/正社員)
「50歳を超えたので総資産の半分程度を預貯金にしておくとよいかなと考えています」(40代/女性/正社員)
「全体としてリスクを取っているので、一定の現預金を持っておく必要があると考えている為」(60代/男性/会社経営者)
※調査概要
対象:All About読者
期間:2024年5月27日~6月19日
調査方法:ネットによる任意回答
有効回答総数:609人(うち、世帯年収が1000万円以上は49人)
文=All About 編集部