米Mozillaは、10月29日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 132」をリリースした。Firefox 132は、Firefox 131からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 131では、2024年10月9日にマイナーバージョンアップの131.0.2が、2024年10月14日にマイナーバージョンアップの131.0.3がリリースされている。リリースされている。131.0.2では、セキュリティフィックスが行われた。
- アニメーションタイムラインでのメモリ解放後使用
深刻度は、最も高い「Critical」である。131.0.3では、以下の修正が行われた。
- 一部のユーザーが銀行のサイトの支払い部分(ページなど)にアクセスできない問題の修正
- 一部のVR180および360ビデオがYouTubeで適切にレンダリングされない問題の修正
- セキュリティ対策ソフトのAvastまたはAVGを使用しているWindowsユーザーが特定のサイトにアクセスしたときにクラッシュする問題の修正
- [すべてのタブをリストする]ボタンをツールバーから移動できない問題の修正
セキュリティ関連のフィックスも1件、行われた。
- 選択ノードキャッシュでの未定義の動作
この問題により、クラッシュの可能性がある。深刻度は上から2番目の「High」である。今回は、131.0.3からのアップデートとなる。
Firefox 132のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 132は、図2のようになる。
新規に、Firefox 132をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 132の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- Windows上の一部のサイトにて、実装されているMicrosoft PlayReady暗号化メディア再生をサポート。これにより、主要なストリーミングパートナーとともに1080pベースラインと4K Ultra HDサポートを段階的に展開していく予定。さらに、視聴者がお気に入りの映画や番組をストリーミングする際に、バッテリーの消耗が少なくなり、パフォーマンスが向上するという利点があると指摘している。
- また、WindowsおよびmacOS環境で、8ビットのワイドカラー(P3)プロファイルを広色域のWebGLで利用可能に。結果、画面上のビデオ、ゲーム、画像で再生環境がより向上する。
- ほとんどのSVGフィルターで、WebRenderハードウェアアクセラレーションレンダリングが利用可能となった、特定のグラフィックスを多用したコンテンツでは、パフォーマンスの向上が期待できるだろう。対応したフィルターは、「feBlend」、「feColorMatrix」、「feComponentTransfer」、「feComposite」、「feDropShadow」、「feFlood」、「feGaussianBlur」、「feMerge」、「feOffset」である。
- macOS 15以降で、macOSの新しい画面とウィンドウ共有選択機能のサポートが追加された。macOS 14でも今後、サポートされる予定とのこと。
- macOSで、セッション再開機能が強化された。OSのアップデート後など、システムの再起動前にFirefoxが開いていた場合、Firefoxが自動的に再起動される。
- 強化されたトラッキング保護で[厳格]モードになっている場合、FirefoxはサードパーティのCookieアクセスをブロックするようになった。ブラウジングで、不具合を感じた場合、[設定]メニューの[プライバシーとセキュリティ]を確認してほしい。
[標準]モードにすることで、セキュリティはレベルが下がるが、ブラウジングの不具合は解消されるだろう。試してみてほしい。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで11件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が2件、4段階で上から3番目の「Moderate」が6件、4段階で上から4番目の「Low」が3件となっている。「High」では、
- embed要素もしくはobject要素で権限のリークの発生
- レイアウトで、アクセシビリティを備えているとメモリ解放後使用が発生
が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。