米Microsoftは10月30日(現地時間)、同社2025年度第1四半期(2024年7〜9月)決算を発表した。7四半期連続の増収増益を達成し、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。クラウド・インフラストラクチャ事業が予想を上回るペースで成長した一方で、AI PCはPC需要を押し上げるに至っていない。
7〜9月期の売上高は前年同期比16%増の655億8500万ドル。純利益は同11%増の246億6700万ドルだった。1株利益は3.30ドル。市場予想は売上高645億1000万ドル、1株利益3.10ドルだった。以下は事業部門別の売上高。
More Personal Computing
売上高131億8000万ドルで、前年同期比17%増だった。そのうちの15ポイントはActivision買収による増加である。
Windows OEM/デバイスの売上高は前年同期比2%増。Windows OEMは順調に伸びたが、デバイス売上高の減少に相殺された。Microsoftは5月にCopilot+ PCモデルの「Surface Pro」と「Surface Laptop」を発表し、6月18日に販売を開始した。Gartnerによると7〜9月期の世界PC出荷台数(速報値)は1.3%減だった。PC市場が回復基調にあることに変わりはないが、AI PCについては「購入者がAI PCの明確なメリットやビジネス価値をまだ感じていない」と指摘している。
ゲーミングの売上高は前年同期比43%増だった。Xboxコンテンツ/サービスが同61%増 (53ポイントはActivision買収による上昇)。Xboxハードウェアは同29%減だった。
検索およびニュース広告は、トラフィック獲得コスト(TAC)を除く売上高が前年同期比18%増だった。検索件数が増加し、検索あたりの売上も上昇した。
Intelligent Cloud
売上高240億9000万ドル(前年同期比20%増)だった。サーバー製品およびクラウドサービスは同23%増。Azureおよび他のクラウドサービスは同33%増で、そのうち12ポイントがAIサービスによる増加だった。AI需要は依然として強く、AzureのAIサービスのキャパシティを上回る状況が続いている。
Productivity and Business Processes
売上高283億2000万ドルで前年同期比12%増だった。
コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高は前年同期比13%増。Office 365のコマーシャルシート数が8%増加し、売上高が同15%増だった。中小ビジネスからの売上が増え、さらに1ユーザーあたりの売上が上昇した。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同5%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は8440万人、前期から190万人の増加。
Dynamics製品およびクラウドサービスの売上高は前年同期比14%増。Dynamics 365は同18%増だった。
LinkedInの売上高は前年同期比10%増。LinkedInセッションは同11%の増加で、エンゲージメントが過去最高だった。