ディライトは10月30日、「北海道・沖縄の葬儀の違い」に関する調査結果を発表した。調査は2024年9月18日~9月20日、葬儀に行ったことがある、または参列したことがある20~70代の男女1,004人を対象にインターネットで行われた。
北海道ではブーツOK、沖縄ではかりゆしウェア!?
まずはじめに、北海道地方と沖縄地方で葬儀の際の服装や持ち物にどのような特徴があるのか尋ねた。
北海道からは、以下のようなコメントが寄せられた。
「冬は短いブーツやスノートレで参列。長いブーツはNG。 通夜は一般参列。次の日の告別式は親戚と仲の良かった友人のみ参列。 霊柩車かバスか選べる。バスの場合下の荷物入れの所に棺を載せ、その上にあたる所には座席は無い。親戚も一緒に乗り、故人と一緒に最後のプチドライブ。葬儀や法事の時は黒飯」(30代/女性/パート・アルバイト)
「北海道民です。骨箱が一般的です。冬はブーツで会場まで行き、入口でパンプスに履き替えます。会場で受付に香典を渡したら、その場で中身を確認されて、領収書と香典返し(焼き海苔が多い)を渡されます。 前倒しで百日法要まで火葬した日に行ってしまいます」(30代/女性/自営業/自由業)
「北海道では、受け付けで香典を、渡すと領収書とコーヒーや海苔等のお返しがあります。49日過ぎの香典返しはなし。東京に勤務していた時は、私が喪主でしたが、香典は49日ののちに自腹でデパートの外商に依頼をして香典返しを送りました。母からはお金は貰いませんでした」(70代/男性/経営者・役員)。
「まず雪が多い冬の時期は骨納めを行わず、春になってから行う」「服装の特徴としてはブーツでの参列が可能であり、通常では骨壺を用意するところを『骨箱』が使用される」。「葬儀や法事の際に食べるのは黒飯という、黒豆が入ったおこわ」といった声もあった。
沖縄地方からのコメントもこのようなものがあった。
「かりゆしウェアで参列可能。県外と香典の金額が違う」(20代/女性/専業主婦)
「お墓が家みたいに大きかった」(50代/男性/会社員(正社員))
「誰も数珠を持たないのが驚いた」(50代/男性/会社員(正社員))
「沖縄ではかりゆしウエアの参列が多い。通夜は基本的には身内や近い人だけで行い、あまり人は来ない。通夜の翌日に出棺し、荼毘に付してから告別式を行うことが多い」(60代/男性/その他)
他にも、香典に関しての違いに関しては北海道、沖縄双方で多く挙げられた。
では、具体的に香典にはどのような差があるのか。「葬儀での香典で経験のあるものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、北海道と沖縄地方で差異が見られた。
北海道では香典に対して領収書が発行された経験がある人が過半数以上となった。沖縄では布(反布)を香典返しとして受け取る割合が北海道よりも高く、沖縄では伝統的な返礼品として布を渡す慣習があるそうだ。
沖縄では「一般葬」が一般的。首都圏では「家族葬」の割合が最多に
ここまで、北海道と沖縄に焦点をあてて特徴が浮き彫りになったが、全国のほかの地域と比較し、相違はあるのか。まず「直近で経験した葬儀はどのような形式でしたか?」と質問したところ、東北地方・北陸地方・首都圏・関西地方・九州地方で以下のような回答となった。
北海道と沖縄を含めても家族葬の割合は首都圏が最多となった。北海道は東北や九州などの地方と近い割合となったが、沖縄地方では一般葬が他の地域よりも高い割合を占め、従来型の葬儀が根強く残っていることが伺える。また、沖縄の一般葬が多いという結果は、参列者数の相違にもあらわれている。
「葬儀の参列者数は何人くらいでしたか」と質問したところ、全国では「10人~30人未満」が28.5%で最多。「30人~50人未満」(21.0%)、「10人未満」(13.1%)、「50人~70人未満」(11.7%)と続いた。
沖縄は「150人以上」が20.1%で最多に。「10人~30人未満」(19.5%)、「30人~50人未満」(17.9%)、「90人~120人未満」(13.0%)と続く結果となった。
沖縄地方では他の地域に比べて葬儀の参列者数が多い傾向が見られる。特に150人以上の参列者と回答した人が最多となり、数値としても全国の1割以下を大きく上回っている。沖縄では多くの人々が参列する葬儀が一般的であると考えられる。
沖縄では人数が多いのに葬儀費用は低価格
「葬儀を行う際の費用はどれくらいでしたか?」と質問した。全国で比較した結果、沖縄では「30万円~90万円未満の費用がかかった」と回答した人が最も高く、30万円未満も含めると45%強と、全体的に費用を抑えた葬儀が行われていることが示された。全国的に見て、参列人数が多いにもかかわらず費用が抑えられているということは、地域や家族の支えによって葬儀が行われていることが伺える。また、首都圏や関西圏も他地域と比較し、比較的低コストで行われていることを示している。
一方、北海道を含めた他地域では、150万円以上の費用をかけている人が全国で最も割合が高く、伝統的な葬儀形式が好まれている可能性がある。