三菱電機が、本格的な冬を迎える前にやっておきたい「エアコンの冬支度」として、エアコンの点検方法と掃除方法について紹介している。
同社では10月4日〜10月6日、30〜50代の男女600名(東京・大阪在住)を対象にインターネット調査を実施。冬前のエアコン点検を行っているか尋ねたところ、 63.8%が「毎年行っていない」と回答した。実施しない理由は「面倒だから」(56.1%)が最も多く、次いで「やり方がわからないから」(27.9%)、「必要性を感じないから」(12.8%)と続いた。
エアコン暖房使用時に、不具合を経験したことはあるか聞くと、50.3%が「ある」と答えた。不具合の中で最も多かったのが「不快なニオイがした」(89.4%)で、「暖房の効きが悪い・温度が上がらないと感じた」(59.6%)が続いた。
三菱電機 霧ヶ峰の利用データによると、今夏のエアコンの平均稼働時間は昨年に次いで過去2番目に長かったという。夏にエアコンを使用するほどエアコン内部に汚れが溜まり、そのままの状態で秋のエアコンを使用しない時期に入ると、エアコン内部にカビが繁殖して「不快なニオイ」の原因になる。
同社の空調冷熱システム事業部・久田優美氏は、「夏に酷使したエアコンをきちんと点検し、本格的な暖房シーズンを迎える前準備をしておきましょう」とアドバイス。エアコンの点検は、冬より前の比較的室温・外気温ともに穏やかな時期の方が、エアコンへの急激な負荷が減り、故障のリスクも少なくなるという。
実施前は、室外機の周囲に物を置いていないか、電源プラグにキズがあったり、ほこりが付いていないかなどをチェックする。
運転モードを「暖房」にして、設定温度を「設定できる最高温度」にし、温風になってから10分運転する。温風がきちんと出ているか、異常を示すランプがついていないかを確認。さらに30分程度運転し、異音や異臭がないか、水漏れが発生していないかをチェックする。
久田氏によると、暖房使用時の不具合で最も多い「不快なニオイ」の原因は、繫殖した「カビ」の可能性が高いという。特にカビが発生しやすい場所は、エアコン内部熱交換器ファン、通風路とフラップで、そのうちフラップの掃除だけが自分で掃除できるとのこと。
フラップは電源プラグをコンセントから抜き、雑巾に台所用中性洗剤を溶かしたぬるま湯を染み込ませ、汚れを拭き取る。「市販の洗浄スプレー等を使用することは控えてください。誤ってエアコンの基板部分に液体をかけてしまうと、エアコンがショートして故障したり、最悪の場合発火のリスクもあります」(久田氏)。
フラップ以外の熱交換器やファン等の掃除は、プロによるエアコンクリーニングが必要とのこと。
エアコンのカビを防ぐには、フィルターや吹き出し口、フラップ等の手の届く範囲のパーツを、定期的に拭き掃除し 、清潔に保つことが重要になる。室内は適度な換気を行うことも大切。夏は冷房使用後、送風運転の実施を行うほか、内部クリーン機能が付いているエアコンはその機能を使うことも有効だという。
暖房使用時の不具合2位は「暖房の効きが悪い・温度が上がらない」だが、室内機の真下に大きいタンスなどの家具を置いていないか、室外機の前面に物を置いていないかをチェック。エアコンのフィルターが汚れていると、暖房効果が低下するため、2週間に一度のフィルター掃除も大事とのこと。また「霜取り」モードの時は、一時的に暖房運転がストップする。
これらをチェックしても暖房の効きが悪い場合は、室外機にある暖房と冷房の切り替えを行う「四方弁」が故障している可能性があるという。久田氏によると、四方弁が故障すると、夏にエアコン冷房が使えていたとしても、暖房は使えない事態が発生するとのこと。「四方弁故障の可能性が疑われる場合は、専門業者へ修理を依頼しましょう」(久田氏)。