JR東日本は30日、高輪ゲートウェイ駅直結の新たな街「TAKANAWA GATEWAY CITY」(まちびらきは2025年3月27日)にて、日本初の鉄道が開業した際の遺構「高輪築堤」の保存と活用を通じ、鉄道開業のイノベーションを未来へ継承する取組みを行うと発表した。

  • 10月30日に行われた記者発表会でも、「高輪築堤」の保存と継承に取組みについて紹介された

「高輪築堤」跡は「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりを進める中で出土した。この遺構の保存と活用を通じて、日本で初めて鉄道が走ったイノベーションの地としての記憶を次の100年に継承し、地域の歴史的価値向上、「国際交流拠点・品川」の実現に努めるとしている。

国指定史跡に指定された第7橋梁部では、鉄道開業当時に見られた風景の再現をめざし、文献調査・現地調査等の結果から得られた知見をもとに、橋梁部や発掘時に欠損していた箇所の再現などの整備計画を進め、2027年度の保存・公開を予定している。信号機土台部を移築保存・公開することにより、当時の風景をそのままに実感できるようにするという。

  • 「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、「高輪築堤」の一部を現地保存・公開予定。信号機土台部は移築保存・公開される

隣接する大規模複合棟「THE LINKPILLAR 2」(2026年春開業予定)内に「(仮称)築堤ギャラリー」を開設し、鉄道開業と日本近代化の歴史紹介も行う予定。ギャラリーの内装に、「高輪築堤」を支えていた木材(松杭)が活用される。

同じく国指定史跡に指定された公園部では、当時の再現に加え、地下回廊も整備。「高輪築堤」を公園・広場・文化創造棟「MoN Takanawa : The Museum of Narratives」(2026年春開業予定)から見下ろす、公園地下に整備する回廊から見上げるなど、さまざまな視点で眺められるようにする。回廊を展示空間とするとともに、ユニークべニューやナイトタイムでの活用を通して、「高輪築堤」をより身近に感じてもらえる取組みも検討する。

  • 「THE LINKPILLAR 2」から第7橋梁部を眺めるイメージ

  • 「(仮称)築堤ギャラリー」イメージ

  • 「高輪築堤」地下回廊を見下ろしたイメージ

  • 回廊から「高輪築堤」を見上げるイメージ

  • 高輪リンクラインで「高輪築堤」の石積みを再現

  • 日本で初めて鉄道が走った当時の風景を感じられるARプログラム「TAKANAWA LINK SCAPE」のイメージ

「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちびらきに合わせた取組みとして、高輪リンクラインにて「高輪築堤」の特徴である海側と山側の石積みを再現し、開業期の鉄道が走ったライン上にレールを埋込むなど、高輪築堤の歴史をリアルに感じられる空間づくりを行う。先端技術も活用し、日本で初めて鉄道が走った当時の風景を感じられるARプログラム「TAKANAWA LINK SCAPE」による、この場でしかできない体験を通して、この土地の歴史を新たな形で継承していくとのこと。