鎌倉駅西口を出て北へ歩くこと15分。静かな扇ガ谷の住宅街にこだかベーグルズはあります。
階段を上った先に…
穏やかな笑顔で迎えてくれたのはオーナーの小髙さん。製造から販売まですべてお一人で切り盛りされています。
もともと食べ物として好きだったというベーグル。30年前にニューヨークの小さなスタンドで出会い、気がつくと暮らしの中にはいつもそばにベーグルがあったと話されました。長く過ごした会社員生活に幕を下ろし、運命の出会いでベーグル職人の道へ。2020年10月、扇ガ谷にお店をオープンされました。
ウミガメマークの秘密
さり気ないお店のアイコン、ウミガメマークはお店の土地に由来がありました。鎌倉市扇ガ谷はかつて亀谷(かめがやつ)と呼ばれていたそうです。そして、こだかベーグルズのすぐ近くにある「海蔵寺」。ふたつを合わせて海と亀=ウミガメマーク。
自然光が差し込む明るい店内。ほっとするような木の温もりと、幸せそうに並ぶベーグルたちに思わず顔がほころびます。
シンプルに丁寧に
ベーグルの材料はとてもシンプル。厳選された、国産小麦粉、白神こだま酵母、てんさい糖、塩が使われています。
この日は13種類のベーグルが並んでいました。
メニューは毎日更新され、インスタグラムのストーリーズで発信されています。前日の午前11時頃に「明日の予定」、開店時間の朝7時前後に「本日のベーグル」、営業時間内に売り切れてしまった際には「売り切れの連絡」をアナウンス。細やかな気配りはお客さんのがっかりを減らし、SDGs(食品ロスの削減)も考慮されています。
テイクアウトのしあわせ時間
筆者が購入したのは、プレーン(税込220円)、全粒粉(税込240円)、オニオン(税込260円)、いちじく(税込260円)、シナモンレーズン(税込270円)。つやつやと輝くベーグル。ふっくらとしたフォルム、そして嬉しい重量感に食欲が掻き立てられます。
小髙さんはベーグルのリベイクを推奨されています。筆者もすべて焼き直していただきました。部屋中がベーグルの香りに包まれる至福のひととき。
プレーンは、ニューヨークでベーグルサンドの定番として愛されるLOX(スモークサーモンとクリームチーズを挟んだサンドウィッチ)に挑戦。やさしい小麦の味は、燻製などの香りが強い食材とも相性抜群でした。
オニオンには「店主のまかない」として紹介されていた調理例にならい、ハムとスクランブルエッグ、レタスとチーズをサンド。ベーグル生地に玉ねぎの甘みとほのかな塩気があるため、薄味の具材が好相性でした。
全粒粉はシンプルに、バターをつけて味わいました。香ばしい小麦の風味。
シナモンレーズンはそのままで。鼻に抜けるシナモンの香りとレーズンの甘酸っぱさ。癖になります。いちじくは、大きめにカットされていてなんとも贅沢。上品な甘さはクリームチーズとも相性抜群。
つるっとした表面に歯を立てるとバリっとクリスピーな食感。生地の中はぎゅっと詰まっていて弾力がありもちもち。とっても食べ応えのあるベーグルです。
ベーグルの「輪」が人を繋げる
「おいしいベーグルで人に喜んでもらいたい」という純粋な想いと、お客さんから受け取る「ありがとう」のシンプルな言葉が、小髙さんの日々の糧になっているのだなと思いました。
素朴でやさしい手作りのベーグル。ぜひ一度、訪れてみてくださいね。
店舗紹介
【こだかベーグルズ】
■住所:〒248-0011 神奈川県鎌倉市扇ガ谷4-16-9■電話番号:0467-81-4664■営業時間:7:00~13:15(売り切れ次第終了※インスタグラムのストーリーズにてご確認ください。)■定休日:月、火(不定休あり※インスタグラム、お店のHPにてご確認ください。)
アクセス
鎌倉駅西口より徒歩15分