クレジットカードは、日々の買い物やオンラインでの決済において、欠かせない存在となっています。特に20〜30代の若い世代にとって、クレジットカードは支払い手段としてだけでなく、ポイントを効率的に貯めるためのツールとしても非常に人気があります。しかし、数多くのカードの中から最適な一枚を選び、さらにその特典を最大限に活用するには、賢い選び方と使い方の工夫が必要です。本コラムでは、クレジットカードの賢い選び方と使い方のポイントをまとめ、無駄なくポイントを貯めて活用する方法を解説します。
クレジットカードの賢い選び方
(1) 自分のライフスタイルに合わせる
クレジットカードを選ぶ際にまず重要なのは、自分のライフスタイルや支出傾向に合ったカードを選ぶことです。生活習慣や興味に応じて、得られるメリットが変わってくるため、しっかりと自分の利用目的を把握しましょう。
例えば、旅行が好きな人は、航空会社のマイルが効率よく貯まるカードや、旅行保険が自動的に付帯されているカードを選ぶのがおすすめです。これにより、旅行先でのトラブルに備えつつ、フライトやホテルの利用でマイルを効率的に貯めることができます。また、日常的にショッピングを多くする場合、ポイント還元率が高いカードや、日常的な買い物でポイントが貯まりやすいカードを選ぶことで、日常の支出が節約につながります。このように、自分のライフスタイルにマッチするカードを選ぶことで、最大限のメリットを享受することが可能です。
(2) ポイント還元率をチェック
クレジットカードを選ぶ際、ポイント還元率の確認も欠かせません。還元率はカードごとに異なり、一般的には0.5%から1.5%程度が主流です。1%以上の還元率を誇るカードを選ぶと、日常の支出で効率的にポイントが貯められ、後にお得に活用することができます。
例えば、月々の支出が多い人は還元率の高いカードを選ぶことで、年間に貯まるポイントが大きくなり、そのポイントを商品券やキャッシュバック、さらには旅行などに充てることも可能です。さらに、特定の加盟店で使うとボーナスポイントが付与されるカードや、特定の曜日にポイントが倍増するキャンペーンを行っているカードもあります。このような特典を持つカードをうまく利用することで、通常よりも多くのポイントを貯めることができ、節約効果がさらに高まります。
(3) 年会費と特典を比較する
クレジットカードを選ぶ際、年会費の有無や金額、そしてそれに付随する特典も慎重に検討する必要があります。年会費無料のカードは手軽に使えるため、初心者や頻繁にカードを使用しない人には適しています。
しかし、年会費がかかるカードには、それに見合った豪華な特典が用意されていることが多く、例えばポイント還元率のアップ、旅行時の空港ラウンジの利用、旅行保険の充実など、年会費を支払うだけの価値がある場合があります。特に、頻繁に出張や旅行をする人、あるいは高額な支出が多い人にとっては、有料のカードが長期的に見てお得な選択肢となることも少なくありません。年会費以上のメリットが得られるかどうか、慎重に比較検討することが、賢いカード選びの鍵となります。
ポイントを効率的に貯める使い方
(1) 定期支払いをカードに集約
家賃、公共料金、携帯電話、インターネット、さらには音楽や映像配信サービスなどのサブスクリプションにかかる定期支払いを、すべてクレジットカードに集約することで、自然とポイントが蓄積されていきます。これらの支払いは毎月必ず発生するため、あえて現金で支払うよりも、カードを利用することで自動的にポイントが貯まる仕組みを活用する方が断然お得です。特に、長期間続くサブスクリプションサービスや固定費が多い人は、この方法を取り入れることで、知らないうちにポイントが増えていき、年末にまとめて使うなどの楽しみ方もできます。
(2) ボーナスポイントデーを活用
クレジットカード会社やその提携加盟店では、特定の日や期間にポイント還元率が通常よりも高くなる「ボーナスポイントデー」を設定していることがあります。このようなタイミングを見逃さずに、計画的に大きな買い物や高額な支出を集中させることで、通常よりも多くのポイントを獲得することが可能です。例えば、家電や家具などの高額商品を購入する際に、こうしたボーナスポイントデーに合わせると、通常の数倍のポイントが付与されることがあり、結果的に大きな節約効果を得られます。事前にこうしたデーを把握し、賢く活用することがポイント貯蓄の近道です。
(3) 家族カードや共有カードでポイントを貯める
家族で共有できる家族カードや共有カードを利用することで、複数人の支出を1枚のカードにまとめ、効率的にポイントを貯めることができます。例えば、親子や夫婦でそれぞれの支出を別々のカードで管理するよりも、家族全員の買い物や支払いを1つのカードに集約することで、ポイントが一箇所に集中し、貯まりやすくなります。特に、家族での食費や交通費など日常的な支出が多い場合、この方法は非常に効果的です。また、貯めたポイントを家族全員で共有できるため、旅行や特別なイベントの際に一緒に使うことができ、家族全体での節約にもつながります。
ポイントの上手な活用法
(1) ポイントを期限切れさせない
クレジットカードのポイントには、多くの場合、有効期限が設定されています。貯めたポイントも、期限を過ぎると無効になってしまうため、定期的にポイントの有効期限を確認することが非常に大切です。せっかく貯めたポイントを無駄にしないために、早めに使い道を考えることが賢明です。特に、カードによってはポイントを長期間使わないと自動的に失効することがあるので、定期的に残高をチェックし、使えるポイントは計画的に活用する習慣をつけることがポイントの失効を防ぐための一つの対策となります。
(2) ポイントの使い道を考える
ポイントを効果的に活用するには、その使い道をしっかり考えることも重要です。クレジットカードによって、ポイントの使い方は様々です。例えば、商品と交換することができたり、航空会社のマイルに移行して旅行に役立てることも可能です。また、特定の店舗で割引クーポンとして使える場合もあります。自分のライフスタイルやニーズに合わせて、最も価値を引き出せる使い方を選ぶことがポイントを有効に活用する鍵です。普段からよく利用するサービスや商品にポイントを充てることで、日々の生活費の節約や特別な体験に繋げることができます。
(3) ポイント投資や支払いに充てる
最近では、貯めたポイントをそのまま投資に回せるクレジットカードや、日々のクレジットカードの支払いに充当できるカードも増えています。これにより、ポイントを単に貯めるだけでなく、資産形成に役立てることも可能です。例えば、投資信託や株式購入にポイントを活用することで、リスクを抑えながら投資を始めることができます。また、毎月のカード支払いにポイントを充当すれば、日々の出費を抑えつつ、生活費を軽減することができます。こうした方法を取り入れることで、ポイントの使い方に幅が広がり、貯めるだけでなく、より実質的な価値を享受することができます。
クレジットカード利用で気を付けたいこと
(1) 使い過ぎに注意
クレジットカードは現金を持たずに買い物ができる便利なツールですが、その反面、使い過ぎには注意が必要です。手元の現金が減らないため、つい必要以上に買い物をしてしまい、後から請求額を見て驚くことも少なくありません。これを防ぐためには、月々の支出をしっかりと予算化し、その範囲内でクレジットカードを利用することが大切です。特に、毎月の支払いが高額になりすぎると、翌月以降の家計に大きな負担がかかる可能性があるため、事前に自分の収入や支出を見直し、無理のない範囲でカードを使う習慣を身につけることが、健全なクレジットカード利用のポイントです。
(2) リボ払いのリスク
リボ払いは、毎月の支払い金額を一定に抑えることができる便利な支払い方法ですが、その裏には高額な手数料が隠れています。初めは負担が少ないように感じても、長期的には手数料が積み重なり、支払い総額が大きく膨れ上がる可能性が高いです。そのため、リボ払いは安易に利用せず、可能な限り一括払いを心がけることが大切です。どうしてもリボ払いを利用する場合は、事前に金利や手数料の仕組みをよく理解し、無理のない範囲で利用するよう注意しましょう。高額な利息を支払わずに済むためにも、計画的な利用が求められます。
おすすめのクレジットカード選びの事例
クレジットカード選びでは、自分のライフスタイルや利用目的に合ったカードを選ぶことが重要です。ここでは、3つの異なるタイプのカードを例に挙げてみましょう。
A社の高還元カード
A社のクレジットカードは、常時1.5%という高いポイント還元率を誇ります。日常的な買い物から大きな支出まで、どんな利用でもポイントが効率よく貯まるのが大きな魅力です。さらに、貯めたポイントをそのままカードの支払いに充当できるため、現金のように使うことができ、非常に実用的です。毎月の支払い額が多い方や、特定のサービスに縛られずに幅広い用途でポイントを活用したい方にとって、このカードは特におすすめです。
B社の旅行特化カード
B社のカードは、旅行好きの方に特化したサービスを提供しています。このカードでは、飛行機の利用などでマイルが貯まりやすく、貯めたマイルを利用して航空券を購入したり、アップグレードに利用することができます。さらに、空港ラウンジを無料で利用できる特典や、旅行保険が付帯されているため、出張や旅行が多い方にとって非常に便利です。安心して旅行を楽しみたい方や、頻繁に飛行機を利用する方にとって、このカードは理想的な選択肢です。
C社のオンラインショッピング向けカード
C社のクレジットカードは、特にオンラインショッピングを多く利用する人に適しています。特定のネットショップでポイント還元率が2倍になるため、普段からネットでの買い物が多い方には大変お得です。例えば、アマゾンや楽天など、よく使うサイトでの買い物がポイントを効率的に貯めるチャンスとなります。オンラインで商品やサービスを頻繁に購入する場合、還元率の高さが大きなメリットとなり、節約効果も期待できます。
これらの事例からわかるように、クレジットカードはその特性に応じて選ぶことが重要です。それぞれのカードには異なる強みがあるため、自分の生活や目的に最も合った一枚を選ぶことで、最大限のメリットを引き出すことができます。
まとめ
クレジットカードは、使い方次第でポイントを効率よく貯め、特典を活用して日常生活をよりお得に楽しむことができます。重要なのは、自分のライフスタイルに合ったカードを選び、無理のない範囲で賢く使うことです。賢いカード選びと使い方で、ポイントを効果的に貯めて無駄なく活用していきましょう。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社