NTT法の改正の検討が総務省で進められている。NTTへの規制の見直しやNTT法自体の廃止の内容が盛り込まれていたことから、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信3社などが懸念を表明。総務省の公正競争ワーキンググループ(WG)が議論を重ね、見直し案を盛り込んだ最新の報告書案を10月17日に発表。これを受けて、10月29日に総務省で開かれた情報通信審議会 電気通信事業政策部会 通信政策特別委員会(第17回)にNTTを含む通信会社の首脳が集まり、ヒアリングを実施。報告書案で示された新たな方向性に対し、通信3社がおおむね賛同を示した。

  • 特別委員会の終了後に笑顔を見せる通信3社の首脳。左からソフトバンクの宮川潤一社長、KDDIの高橋誠社長、楽天モバイルの三木谷浩史会長

KDDIの高橋誠社長は「明るい表情で話しましょうか」と好ましい感触だったことを匂わせつつ、「今回の案は、公正競争の点で非常にいい方向で意見がまとまってきたと感じる。NTT側も、NTT法の廃止へのこだわりがなかった。ある意味、常識的な方向性になったのではないか」とコメント。

ソフトバンクの宮川潤一社長は「これまでさまざまな意見をぶつけてきたが、日本の通信業界にとって落ち着いた内容となったのではないか。議論を通して、これまで見えづらかった部分が見えてきたのもよかった」とコメント。

楽天モバイルの三木谷浩史会長は「NTT法の廃止、という乱暴な議論はひとまず止められた。“神は細部に宿る”という言葉があるが、これから細部を一つ一つチェックして詳細に詰めていくことが重要になるだろう」とコメントした。