• 容量6L以下でRTX 4060を搭載したパワフルなミニPC「MEGAMINI G1」をレビュー

ミニPCを得意とするGEEKOMと、TECNOが共同開発した、Core i9-13900HとRTX 4060を搭載するゲーミングPC「MEGAMINI G1」をレビューします。手のひらサイズで超コンパクトというわけではなく、デスク上に置けるサイズの大きめなデスクトップPCです。大きめと言っても容量は5.7リットルしかなく、従来のタワー型PCと比較するとかなりコンパクト。さらに水冷システムとRGB LEDによって見た目のインパクトもあるPCに仕上げられています。

CPUの違いで2モデルがラインナップ

MEGAMINI G1は、Core i9-13900H/メモリ32GB/SSD 2TBとCore i7-13620H/メモリ32GB/SSD 1TBの2モデルがラインナップされています。現在Makuakeにてクラウドファンディングを行っていて、原稿執筆時点では20%オフの「超早割」は終了していますが、15%オフの「早割」と10%オフの「一般割」が残っており、それぞれ一般販売価格より安い出資でリターンを得ることができるようになっています。構成別の一般販売予定価格と早割価格は以下の通りです。

構成 一般販売予定価格 早割価格
Core i9-13900H/メモリ32GB/SSD 2TB 295,000円 249,000円
Core i7-13620H/メモリ32GB/SSD 1TB 260,000円 229,000円

なお、今回レビューしたのはCore i9-13900H/メモリ32GB/SSD 2TBの上位モデルでした。

ゲーミングPC然としたきらびやかに光輝く本体

製品の外観や付属品をチェックしてみましょう。本体サイズは幅150mm×奥行150mm×高さ255mmと、フットプリントは小さくやや高さのあるサイズ感。15cm四方でデスク上に置きやすいです。筐体はダークグレーで高級感があり、前面と側面には大きなアクリルパネルの窓が設けられ、中の様子を伺うことができます。

内部に見えるのはGEEKOM独自の水冷システム。360mlの冷却液を備え、高い冷却能力を実現しています。これによってCore i9-13900Hをしっかり冷やすことができ、高いパフォーマンスが発揮できるというわけです。

  • 本体サイズは幅150mm×奥行き150mm×高さ255mm。高さはあるがフットプリントが抑えられている

  • 本体正面からは内部の水冷機構やRGBファンがよく見える

  • 左側面の下部にSDカードスロットがある

  • 右側面にポート類はなくシンプル

  • 背面の通気口はGEEKOMのロゴを模したものとなっている

インターフェースは前面にUSB 3.2 Gen2が4ポートと3.5mmオーディオジャック、背面にはUSB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen2、USB 2.0、HDMI 2.0が2ポート、2.5G Ethernet、Oculink、サイドにSDカードスロットを備えており、背面のUSB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-CはDisplay Alt Modeによる映像出力にも対応しています。かなりポート数が多く、ゲーミングはもちろん、クリエイティブな作業や複数画面でのマルチタスク作業にも便利な拡張性です。

  • 本体正面にUSB 3.2 Gen2×4と3.5mmオーディオジャックを備える

  • 背面にUSB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen2、USB 2.0、HDMI 2.0×2、2.5G Ethernet、Oculink。USB4とUSB 3.2 Gen 2 Type-Cは映像出力にも対応

電源を入れると電源ボタンのロゴ、上部、アクリルのフレーム、内部のファンが光ります。また、電源ボタンの下には小さなディスプレイが搭載されていて、CPU使用率と温度、GPU使用率と温度、メモリ使用率と温度、それらの一覧をループで確認できるようになっています。RGB LEDの発光パターンとディスプレイの表示内容をカスタマイズすることができないのは少し残念でした。

また、ファンコントロールのユーティリティがなく、サードパーティ製のソフトウェアでもファンの回転数を制御できませんでした。個体差の可能性はありますが、アイドル時でもファンが全開で回ってうるさいときもあれば、比較的負荷をかけていてもあまりうるさくないときもあるといった感じで、挙動にはややクセがありました。製品版では改善されるといいなと思います。

  • 電源を入れると様々な箇所が光って存在感が一気に増す

  • 電源ボタンや本体上部はブルーに光る

  • 本体上部のディスプレイにはCPU、GPU、メモリのステータスが表示される

底面に4つあるゴム足を取り、ネジを4本外すと底面カバーが取れ、内部にアクセスできます。内部にはSO-DIMMのDDR5メモリ×2と2280サイズのM.2 SSDが取り付けてあり、その横に2230サイズの空きスロットが1つあります。 メモリは最大64GBまで拡張可能、SSDは最大4TBまで拡張可能かつ、1スロットの余裕を残しています。メモリ不足や容量不足を感じたときにサクッと交換、増設できるのはありがたいですね。

  • ゴム足→ネジの順に外すと底面パネルが取れ、その先のプレートを外すと内部にアクセスできる

  • 内部ではメモリやSSDの存在を確認できる。SSDの空きスロットは2230サイズ

最後に付属品です。電源は内蔵されていないので330WのACアダプタが付属します。今回使用したサンプルではコンセントが欧州向けのものだったので、日本国内向けとは異なる点には留意してください。

  • ACアダプタ、電源ケーブル、HDMIケーブルが付属

『Cyberpunk2077』がWQHD / 60fpsで動く高性能

MEGAMINI G1は、モバイル向けのCore i9-13900Hを搭載している一方で、コンパクトなボディながらグラフィックボードにはデスクトップ向けのGeForce RTX 4060(いわゆるLaptopではない)を搭載していて、性能にも期待ができます。

  • CPU-Z

  • GPU-Z

BIOSからファンの動作モードを静音・ノーマル・パフォーマンスの3つから選択可能となっていて、今回はパフォーマンスモードに設定してテストを行いました。

  • BIOS画面からファンの動作モードを変更可能

モバイル向けとはいえ、Core i9を搭載しているので性能は十分です。しばらく試用していてCPUパワーが足りないなと思うような場面もありませんでした。水冷システムのおかげで温度上昇も控えめです。

グラフィックスについてもデスクトップ向けのGeForce RTX 4060を搭載していて、比較的重量級なゲームタイトルでもフレーム生成を利用することで60fps程度でのプレイは可能です。このクラスのGPUを想定しているタイトルであれば快適にプレイできるでしょう。

  • ベンチマークソフト「CINEBENCH R23」と「CINEBENCH 2024」の計測結果

  • ベンチマークソフト「PCMark10」の計測結果

  • 3DMarkの計測結果

  • 「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」では、フルHD(1920×1080)で「非常に快適」、WQHD(2560×1440)で「とても快適」、4K(3840×2160)で「快適」という結果に

  • 「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」では、フルHD(1920×1080)で「とても快適」、WQHD(2560×1440)で「快適」、4K(3840×2160)で「普通」という結果に

  • Cyberpunk 2077ではWQHD(2560×1440)で平均fpsが60を超えた

ストレージには高速なPCIe 4.0のSSDが採用されています。CrystalDiskMarkで速度を計測したところ、シーケンシャルリードで約7,000MB/s、シーケンシャルライトで約6,500MB/sという結果に。十分高速で大容量データのやり取りやゲームのロードなどにも安心感があります。

  • CrystalDiskMarkの計測結果

卓上サイズに性能を詰め込んだミニPC

  • 卓上サイズに性能を詰め込んだミニPC

MEGAMINI G1は他のミニPCと比べると高価ですが、デスク上に置けるサイズに水冷システムとRTX 4060を収めていると考えれば納得できると思います。コンパクトな自作PCを組むのも簡単ではありませんからね。

RGB LEDの発光パターンが固定なことやWindows上からファンの動作モードを変更できないなど、ややクセがありますが、十分すぎるポート類や底面からかんたんにメモリ・SSDにアクセスできる構造などはかなり評価できるポイントです。

ゲーミングPCが欲しいけど大きなタワー型PCを置くスペースがなく、できるだけ省スペースに抑えたいというのはもちろん、特徴的なビジュアルに惹かれたというのも十分な購入理由になるPCです。