マイナビは10月24日、「正社員の平均初年度年収推移レポート」並びに「正社員求人件数・応募数推移レポート」について7〜9月の総評を発表した。レポートは、総合転職情報サイト『マイナビ転職』に掲載された求人の「平均初年度年収(未経験・経験者求人別)」「求人件数・応募数」の推移を調査したもの。
2024年7〜9月の全国平均初年度年収は469.5万円(未経験者求人:435.7万円、経験者求人:534.7万円)となり、前年同時期から 14.0 万円増加。過去 5 年間で最大の上げ幅を記録し、本調査開始(2018年)以降、最高額となった。
求人件数は、2019年平均比170.6%となり、前年7〜9月から20.9pt増加。求人の未経験者・経験者の募集条件比率は、未経験者求人が65.9%、経験者求人が34.1%。2024年1月以降、経験者求人の比率が増加傾向に。また、求人への応募数も2019年平均比107.9%と前年7〜9月から13.8pt増加しており、企業・転職者ともに動きが活発化していることがうかがえる。
次に、平均初年度年収を業種別でみると、「金融・保険」が547.5万円で最も高く、次いで「IT・通信・インターネット」(544.3万円)、「不動産・建設・設備」(502.5万円)が上位に。また、上記3業種に加え、「メーカー」(463.1万円)、「商社」(438.3万円)、「サービス・レジャー」(423.8万円)の計6業種では、平均初年度年収が調査開始(2018年)以降、最高額となった。
求人案件数を前年7〜9月比でみると、「不動産・建設・設備」が129.6%で最も増加しており、次いで「運輸・交通・物流・倉庫」(126.1%)、「流通・小売・フード」(124.3%)が上位に。2024年問題に直面する「不動産・建設・設備」や「運輸・交通・物流・倉庫」では、人材確保に向けて引き続き積極的に採用活動をしているよう。
エリア別では「北海道」が未経験求人の中でトップに
未経験者募集求人の比率が高かったエリアは、1位「北海道」(71.8%、前年同時期64.9%)、2位「近畿」(69.1%、同66.6%)、3位「東海」(68.4%、同70.6%)という結果に。また、未経験求人における平均初年度年収の上げ幅をみると、「北海道」が16.7万円増(2024年7〜9月:411.7万円、2023年7〜9月:395.0万円)で最も多く、次いで「近畿」が14.5万円増(同433.2万円、418.7万円)、「九州・沖縄」が14.3万円増(同420.3万円、406.0万円)で続いた。
2025年4月に最先端の半導体研究施設の稼働が開始する「北海道」や2025年に国際的な大規模イベント開催が予定される「近畿」では、未経験求人の比率と初年度年収の上げ幅が大きく、人材の獲得に向け、採用ハードルの緩和や未経験者の報酬設定を引き上げるなどの動きがあることがうかがえる。