スターバックス コーヒー ジャパンと霧島酒造は2026年春、コラボレーション施設を霧島酒造 本社増設工場北側(宮崎県都城市)にオープンする。
施設の建築は建築家・隈研吾氏が手掛ける。隈氏が大切にしている「その土地の環境、文化に溶け込む建築」と両社の想いが融合。和を感じられる竹の魅力を最大限に引き出すことで、自然を感じながらゆったりと落ち着くことができる建築デザインとなっている。
吸い込まれるような意匠が印象的なエントランスから施設に入ると、晒竹(さらしだけ)のゆるやかな曲面の天井に包み込まれた、竹本来の温かさが醸し出す開放的な空間が広がる。壁面にはスターバックスのコーヒー豆かすと九州南部の土壌を形成するシラスが混ぜ込まれた内装ボードを使用し、施設の随所で自然の恵みを感じることができる。
施設の象徴となるガラス張りの植物園は、緑あふれる空間のなかで人と自然の関わりを体感できる場所。「暮らしを支える植物」「味覚で楽しむ植物」「彩りを添える植物」「水と共に生きる植物」の4つのテーマに沿った、約80種類の亜熱帯植物が楽しめる。
「味覚で楽しむ植物」のエリアでは、両社の商品を支える大切な原料である、コーヒーの木やさつまいもなどが育つ様子を見ることができる。
「水と共に生きる植物」のエリアでは、水辺の植物とともに錦鯉が泳ぐ姿を見ることができ、水や緑、光が織り成す自然の豊かさを感じることができる。この植物園では、霧島酒造の焼酎を製造する過程で発生する蒸留温排水の熱エネルギーを活用することで、年間を通して、植物の様々な表情を楽しむことができる。さらに、同施設で利用する電力は「サツマイモ発電100%」で運用する予定。環境に配慮した施設運営を行っていく。
また、施設屋内に設ける客席や、植物園内、芝生エリアにあるテラス席では、くつろぎながらコーヒーを楽しめるのはもちろん、ゆったりと流れる時間をそれぞれの楽しみ方で過ごすことができる。芝生エリアでは、家族・友人でくつろぐことができ、小さな子どもが自然に触れあいながら遊べる場としても利用できる。さらに、エントランス横の階段を上った先には、霧島山や沖水川の雄大な姿を一望できる屋上庭園があり、都城の豊かな自然の魅力を感じながら特別なひとときが楽しめる。
同施設では、両社の強みを生かした地域社会や自然環境に前向きなアクションを実行していく。その活動の一例として、両社の事業活動により排出されるコーヒー豆かすや焼酎粕を用いた「たい肥づくり」など、自然の恵みを体感いただけるワークショップを計画している。できあがったたい肥で苗木を育成し、将来的には植林するなど、これらの活動を地域の循環に繋げていく。