アントプロダクションは10月24日、老後の備えに関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年7月19日~7月22日、日本在住の男女300名を対象にインターネットで行われた。

「現在の貯蓄額100万円以下」が約39.3%

  • 回答者の年代と貯蓄額

現在の貯蓄額として最も多いのは「~500万円」約28.3%(85人)、次いで「~50万円」約24.7%(74人)だった。5000万円以上の貯蓄を保有する層も約1.7%(5人)いる一方、「0円」の人は約5%(15人)という結果に。十分な貯蓄ができていないのは若年層だけとも限らず、最も回答者が多い40代の回答者94人のうち約42.6%(40人)は貯金が100万円以下。全体でみると、約39.3%(118人)が「貯金100万円以下」と回答している。「老後の備えとして、まだ十分な額を貯蓄できているとは言えない人も多いようだ」と同調査。

81.0%の回答者が老後へ大きな不安

  • 老後への不安の程度

老後不安の大きさについても質問した。最も多かった回答は「とても不安」約40.7%(122人)。僅差で「不安はかなりある」約40.3%(121人)となった。対して、老後の備えができている「あまり不安を感じていない」「まったく不安はない」層は合わせて4.0%(12人)にとどまった。全体のうち81.0%の回答者は、老後に大きな不安を感じているようだ。

老後に対する具体的な不安要素について質問したところ、最も多いのはやはり「お金」への不安だった。全体の89.0%が「お金」と回答している。次点は「健康」で約70.3%。平均寿命が高くなっている昨今、老後を健康に過ごす方法に関心を持っている人は多いようだ。続いて介護や認知症、住居など様々な不安要素が挙がった。

  • 老後資産のためにやっている対策

不安要素として大きかった「お金」の問題に、多くの人はどう対処しているのか。

最も回答者が多かったのは「貯金」63.0%(189人)。次いで「NISA・iDeCo」約33.7%(101人)、「固定費や浪費の見直し」約30.3%(91人)だった。さまざまな対策を試みる回答者がいる一方、とくに対策をしていない人も約15.6%(47人)いた。

38.0%は65歳以降も働く意欲がある

  • 何歳くらいまで働きたい?

物価高に伴って実質的な年金の不足額が増えている昨今、所得を増やす方法も考えなくてはならない。老後資金への対策として、「定年後も働く」選択肢を考えている人も多いかもしれない。

アンケート回答者に「何歳まで働きたいか」質問したところ、65歳以降も働きたいと回答したのは合計38.0%(114人)。うち約15.3%(46人)は「元気な限り働きたい」と回答していた。最も多かったのは年金受給の基本的な年齢である「65歳」24.0%(72人)だった。

「60歳よりも前に働くのを辞めたい」層が合計で約30.7%(92人)、「現在働いていない+今後も働く気がない」層は約7.3%(22人)。

「年金を受け取れる年齢になったら働かずに暮らしたい」と思っている層が多数派と言える結果となった。