Microsoftは全力といえるほどAI(人工知能)に注力しているが、それはWindows 11も例外ではない。同社のWindows公式YouTubeでも、近々の投稿はCopilot+PC関連だ。生成AIの有用性は筆者もCopilot for Microsoft 365で理解しているが、消費者向けCopilotもおそらくWebの検索サイトを使うよりも、有用な回答を得られるのだろう。

Windows 11におけるAI機能だが、Tero Alhonen氏はappprivacy.admlというファイルにAI機能の基盤と思われるWindows Intelligenceへのアクセス手段が用意されているとXに投稿した。

アプリ側からWindowsのAI機能を利用するための機能らしいが、通常のPC(非Copilot+PC)では意味をなさない。おそらくCopilot+PCのWindows 11に発表済みのペイントやメモ帳へのAI機能を展開するため、バージョン24H2の間は継続するだろう。

気になるのはAI機能に牽引(けんいん)する不具合だ。たとえばWindows Copilotはエクスプローラーとの融合を試みている。あくまでも主観だが、タブ機能以上の拡張は必要ない。ここでコードに手を加えて、何らかの不具合が発生していた結果、UIの劣化につながるのは御免被りたいものだ。

Windows 11 Insider Previewを触れている限り堅調な症状を確認してしないが、Windows 11ユーザーは注視ポイントに加えるべきだろう。

他方でMicrosoftは公式ブログでバージョン24H2の強化をアピールした。おそらくKB5043178のことだと思うが、バージョン24H2のインストールや更新プログラムの適用を高速化したという。

具体的にはコンポーネントマニフェストの並列処理や読み取りおよび解析の最適化、使用可能なメモリーの活用により、インストールは45.6%高速化、再起動は33.5%高速化、Windows UpdateのCPU占有率は25%ダウンになった。

奇(く)しくも本稿を執筆している25日にはKB5044384が登場した。特定アプリからの通知オフ機能やWi-Fiパスワードダイアログの変更、ゲームパッドキーボードの追加など数々の改善を加えている。

同時にクリップボードやオーディオ&ビデオ制御、ホストとのフォルダー共有を備えたWindowsサンドボックスのプレビュー版、無線LAN環境においてUTF-8でエンコードしたSSIDを出力するnetshコマンドの機能強化も加わった。先日紹介した8.63GBの消えないファイルに関しても対処している。

  • ディスククリーンアップの一時ファイル

機能改善は利用者として非常にありがたいのだが、まだドタバタしている印象は拭い切れない。ただ、明らかになったバグを一つ一つ修正し、Windows 11 Insider Previewで検証した機能を展開する方向は従来どおりだ。バージョン24H2は「様子を見ながら自身・自社のタイミングで展開」すべきとの意見に変わりはないが、トラブルを含めてWindowsを楽しめる方は、そろそろインストールしてもいいだろう。